「コミケでは販売ではなく頒布でなくてはいけない」はデマ(追記アリ)

デマかよ。
113
あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

そして、少なくとも私がネットで調べられる限り「頒布/販売」の言葉の差に「営利/非営利」 ニュアンス差が見て取れるような文言は同人関係の話題以外ではどこにも無かった。「頒布」に非営利性のニュアンスがあるという話は全て同人関係のページでしか見つけられなかった。

2017-09-01 03:15:17
あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

なので、「頒布と販売の使い分けは非営利性をアピールしなきゃならない二次創作だからであって一次創作は関係ない」と言ってる人も何人か見かけたが、少なくとも字義的には「頒布を使って非営利性をアピールできる」という考え方自体がそもそも何の根拠も無いことになる。

2017-09-01 03:15:50
あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

営利の頒布もあれば、非営利の頒布もある。当然営利の販売もあれば非営利の販売もある。ただし「頒布」は無償有償に限らないが、「販売」は必ず金銭の授受が含まれる。逆に言えば「〜円で頒布します」と言った瞬間に(字義的には)「販売します」と全く同義になる訳だ。少なくとも字義上は。

2017-09-01 03:16:15
あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

そしてここでコミケ準備会の公式コメントに立ち戻る。 「コミケットでは有償のものだけではなく、無料配布もありますので、「頒布」という言葉を基本的には使っています。ただし、サークルさんが「頒布」以外の言葉を使っては「ダメ」という性質のものではありません。」

2017-09-01 03:16:54
あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

これは完全に上記の著作権法にて定義される「頒布」の意味合いで使っていると判断していい。少なくともコミケ準備会では「頒布」という言葉を非営利性のアピールとしては使用していないと言って良いだろう。

2017-09-01 03:17:31
あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

以上の事実を総合すると、以下のような仮説が立てられるのではないだろうか。すなわち「2次創作の非営利性のアピールのために頒布が使われたのではなく、頒布という言葉が同人誌即売会でしか日常で使用されていなかったため、そこに非営利性のニュアンスが付与されていった」だ。

2017-09-01 03:18:06
あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

つまり、因果がそもそも逆なのではないか? という話。

2017-09-01 03:18:22
あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

そして興味深いのは、どうやらこの「頒布は販売と比べて非営利寄りのニュアンスを持つ」という考え方を、どうも一次側の企業も共有しているらしい、という点だ。

2017-09-01 03:18:44
あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

これは私がTwitter上で交流した自称「一次創作者側の企業でも働いてる人間」からの発言なので信憑性は保証できないが、どうも企業側も「頒布という言葉を使ってくれた方がスルーしやすい」と考えているらしい。本当かどうかは知らん。

2017-09-01 03:19:11
あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

つまり、誰かの誤解から始まった可能性のある「頒布であれば非営利」という、著作権法上も税制上も特に根拠を持たない考え方が、既に企業も含め日本のコンテンツ産業のかなりの人間に浸透してしまっているかも知れない訳だ。

2017-09-01 03:19:42
あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

言葉は時代と共に変化するものなので、歴史的経緯から今現在、少なくとも同人界という限られたコミュニティにおいて、「頒布」という言葉に非営利性のニュアンスが付与されて使われていること自体には是も非も無いとは思う。

2017-09-01 03:19:53
あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

が、その発祥が単なる勘違いである可能性、そして少なくともコミケ準備会は頒布にそうした意味性を込めて使ってはいない点はある程度留意しておいた方が良いように思う。特に、他人への批判に使う時には。

2017-09-01 03:20:05
あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

(ただ、これもTwitterで知らない人から得た情報なので信憑性は保証できないが、90年前後の頃に「二次創作は営利でない事のアピールのために頒布と使いましょう」と準備会が奨励していたはず。という話も聞いた)

2017-09-01 03:20:18
あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

(その場合、準備会がそう言いだした以上、「頒布=非営利」という考え方の出処がどこか別に先行して存在していたことになるので、これまでの議論は白紙に戻さなくてはならなくなる。誰か確証できるような資料があれば教えて欲しい)

2017-09-01 03:20:50
あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

「頒布」が使われた経緯がここにまとまってるんだけど、これも元々の「j頒布」の定義からするとおかしな話なんだよね。/●同人サークルと同人誌に対価があることの成り立ちと歴史の話 - Togetterまとめ togetter.com/li/929525

2017-09-01 22:01:37
あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

というのも、「頒布」が元々「不特定多数の公衆」を対象にした言葉なので、内輪の特定可能なサークルメンバーに渡すことのために「頒布」という言葉を使う理由があまり見当たらない。言い換えになってない。

2017-09-01 22:06:24
あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

「食器類などセット商品を、会費制によって1種類ずつ届ける販売方法」この辺が発祥の可能性は結構あるか? 「会費を払っている会員に向けて」が「内輪のサークルで」の意味で流用された可能性。 /頒布会とは - コトバンク kotobank.jp/word/%E9%A0%92…

2017-09-01 22:10:19
あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

ただ「内輪向け」と言うより、どっちかっつーと「定期購入」辺りと同義なんだよなあ。

2017-09-01 22:13:17
あでのい@夏コミ新刊委託通販中 @adenoi_today

結局皆「頒布」という言葉自体をコミケ等の同人誌即売会で初めて知る人らばっかなので、同人文化で独自の意味性を孕む以前の「頒布」がどういう言葉だったのかが分からないんだよな。

2017-09-01 22:16:02

 
おまけ

リンク 銀河孤児亭 二次創作文化における黙認システムの限界領域について覚書 - 銀河孤児亭 どうもあでのいです。思いの外早めのブログ更新で自分自身ちょっと驚いております。 togetter.com なんぞグリッドマン関係で同人誌が禁止されただされてないだが話題になってるみたいじゃないですか。この辺の同人文化のあれこれについては以前から色々と考えてはいまして、その辺の個人的考えをまとめたもんがある程度できていたので、折角だからこの機に今回の件もある程度絡めつつブログ記事として完成させておこーやないかと思って更新した次第であります。 多くのオタクらが既に知っての通り、日本のオタク文化においてファンら 28 users