日向倶楽部世界旅行編第12話「バヌアツ・タンナ島観光編」

三隈達が首都ポートビラを観光する一方、日向達は火山を有するジャングル島「タンナ島」へと上陸した。
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三隈グループ @Mikuma_company

【前回までの日向倶楽部】 扶桑です。 遂にバヌアツに到着した私たち、市街地の観光をしたいという三隈さん達と別れ、私は日向達と共にやすーる?山という火山へと向かう事になりました。 火山って初めてですね、噴火したらどうしましょう、岩や炎くらいはどうにかなりそうだけれど…

2017-08-29 21:30:18
三隈グループ @Mikuma_company

【前回までの日向倶楽部その2】 バヌアツに到着した日向達は二手に分かれて観光する事になり、三隈はあきつ丸と鈴谷を連れて首都ポートビラ観光を楽しむ。奇妙な男やヤシガニと出会い、あきつ丸は蝙蝠を食べたり、鈴谷はカジノに行ったり、三人はバヌアツを満喫したのだった。

2017-08-29 21:31:10
三隈グループ @Mikuma_company

日向倶楽部 〜世界旅行編〜 第12話「バヌアツ・タンナ島観光編」

2017-08-29 21:31:40
三隈グループ @Mikuma_company

〜〜 三隈達がポートビラを観光している頃、日向達はヤスール山に登るべくバヌアツ南部の島「タンナ島」を目指していた。 「今回は泊まりがけだし、場所が場所だから瑞雲は使えん。」 そういう訳で一行は荷物をコンパクトにまとめ、現地の小型機に乗ってタンナ島へと降り立った。

2017-08-29 21:32:08
三隈グループ @Mikuma_company

タンナ島は標高361メートルの火山「ヤスール山」を有する、人口約二万人の火山島である。 三隈達が回った首都ポートビラが都会的なのに対し、タンナ島は完全なジャングル島、古くからの伝統を守る人々が暮らしている故にその様相、都慣れした人間には珍しさばかりなのだ!

2017-08-29 21:33:09
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たとえば! 「ねえ最上さん見て!馬よ!」 「あっ、本当だ…誰かの馬かな?」 違う!信じられないかもしれないが、最上達が見ているのは野生の馬である! ここタンナ島は、かつて外国人によって持ち込まれた馬が野生化し、そのまま居着いているのだ!

2017-08-29 21:34:02
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「ハロー!ハロー!」 「ニーハオ?コンニチハ?」 そして道行く人々、子供から大人まで皆ニコニコしながら手を振って挨拶! 圧倒的フレンドリー!東京やニューヨークではこんな光景は見られないだろう! 観光客慣れと開放的な民族性が合わさり、現地の人々は極めて友好的に接してくる!

2017-08-29 21:35:02
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更に島に広がるのは圧倒的ジャングル!ジャングル!ジャングル!21世紀に残る人と大自然の至宝!それがタンナ島なのだッ!!! 「さて、まずは今日の宿に向かうとしよう、なかなかエキサイティングな所だぞ。」 「エキサイティング?」 「フフフ…まあ着いて来い。」

2017-08-29 21:36:02
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日向は地図を片手に舗装されていない道を進む 「コンニチハ!」 「ハロー!」 「ボンジュール!」 道中すれ違った人々は皆別々の外国語で挨拶して来る、笑顔で手を振り返すと向こうも嬉しそうに手を振る、これを繰り返す。 「今日一日で一週間分挨拶してる気がするなぁ」 「ね。」

2017-08-29 21:37:06
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そんなこんなで道を歩いているとやがて大きな木々が一行の前に現れる、その中の一つへ日向は向かい、最上達を手招きした。 「さーて、今日の宿泊場所は…ここだ!」 ジャーン!といった風に手を広げ、見上げる程の大樹を指差す、その樹の上には果物のように人工物が生っていた。

2017-08-29 21:38:08
三隈グループ @Mikuma_company

「日向さんこれって…」 「そう!ツリーハウスだ!」 ツリーハウス!木の上に家がある、少年少女が一度は夢見るあの建造物!そこに!最上達は泊まる! 「きゃーっ!すごいわ日向さん!ね!ね!早速登りましょう!」 のだから初霜は大はしゃぎし、きょろきょろと入り口を探し始める。

2017-08-29 21:39:02
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「フフフまあ待て、今手続きを済ませるからな…」 日向はうずうずする一同を制し、ツリーハウスの持ち主らしき男の元へ行って流暢な英語で話を始めた。 その間も最上達はツリーハウスを見上げ、そこへ行くのを今か今かと待っていた。 「私こういうの大好き!最上さんは?」 「ボクも」

2017-08-29 21:40:05
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小動物のようにはしゃぐ初霜、扶桑の方も 「…どう建てたのでしょうか、不思議ですね…」 このツリーハウスに興味津々であった。 やがて話を終えた日向が戻って来ると、一行は主人に従ってツリーハウスへ入って行った。 「木の香り凄いですね…むせそう」 「足元には気をつけろよ。」

2017-08-29 21:41:07
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外付けの階段を上って四角い部屋の中に入ると、そこには蚊帳とベッドと椅子だけが置かれた素朴な部屋が待っていた。 こじんまりとしているが、開けたバルコニーが正面に控えている為に窮屈さは感じられない、むしろ開放的だ。 「高ーい!ビルの三階位なのにすごく高く感じるわ!」

2017-08-29 21:42:05
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初霜から手招きされ、最上もバルコニーから顔を出す 「うわー!確かにすごく高く見える!」 地面の位置を不確かに見せる枝葉、周囲にそびえる木々、それらがツリーハウスの開放感や非現実感を存分に引き立てている。 「まあ二人共落ち着け、まだ上もあるからな。」 「本当!?」

2017-08-29 21:43:04
三隈グループ @Mikuma_company

夢中で気が付かなかったが階段にはまだ先がある、それを見つけるが早いか初霜はトントンと上って行った。 「最上さん!早く早く!」 「わーっ!危ないよ!待って待って!」 落っこちそうなくらい身を乗り出す彼女に最上は冷や汗が出る、その様子を日向は満足そうな顔で見ていた。

2017-08-29 21:44:02
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「嬉しそうですね。」 「ああ、海やらなんやらだけでなく、こうやって彼等に色々な物を見せたいと常々思っていたからな。」 日向はそう言って先へと上って行った。 「色々…そうですね。」 扶桑は横に目をやる、ツリーハウスの上から見る水平線はいつもより広く見えた。

2017-08-29 21:45:03
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「扶桑さんも早く!ここからの景色綺麗ですよ!」 上から催促する最上達の声、彼女は優しく返事をすると、階段をゆっくり上って上の部屋へと入っていった。 〜〜

2017-08-29 21:46:13
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〜〜 さて、見ての通りこのツリーハウスは上と下で二つの部屋を有する、そして一部屋に泊まれるのは二人である。 つまり誰が上に泊まるか、部屋決めをする必要があった 「…上の部屋に泊まりたい人は手を」 日向がそう言いながら手を挙げると、最上以外の全員が手を挙げた。

2017-08-29 21:47:09
三隈グループ @Mikuma_company

「では私と初霜さんが上で…」 そう言う扶桑を日向が制する 「待て、どうしてそうなる。隊長は私だ、私の采配に従ってもらう。」 「船の操縦は私がしてるのですよ日向」 「ここの予約を取ったのは私だぞ」 ああでもない、こうでもない、大人気のカケラもない会話に最上は苦笑いした。

2017-08-29 21:48:02
三隈グループ @Mikuma_company

「じゃあ、公平にジャンケンで決めましょう!」 提案したのは初霜、この手の勝負に絶対的な自信のある彼女は自らの有利なフィールドを作り出そうとしていた、公平でもなんでもない。 「ジャンケン…良いでしょう、それなら良いですね日向?」 「くっ、仕方ない…最初はグーだからな。」

2017-08-29 21:49:03
三隈グループ @Mikuma_company

三人は円を組み 「最初はグー…!」 ジャンケン! 「ポンッ!」 扶桑がパーを出す、残る二人は震える手でグーを出した。 「扶桑さん!」 「おい扶桑!波紋で手を止めるのは反則だろう!」 「さて…なんの話でしょう?」 ともかく一抜けです、と扶桑はその場から身を引いた。

2017-08-29 21:50:02
三隈グループ @Mikuma_company

(力の使い方とか言ってた人がこういう使い方するか普通…?) 目の前で繰り広げられる世界一大人気ないジャンケンを最上はぼーっと見守っていた。 「やった!私の勝ち!」 「くそおおお…!」 結局次の勝負で初霜が勝ち、扶桑と初霜が上の部屋に宿泊する事となった。

2017-08-29 21:51:06
三隈グループ @Mikuma_company

それはさておき、現在はまだ太陽が空にあるような時間、一行はツリーハウスに荷物を預けタンナ島の村を散策する事とした。 「21世紀とは思えない景色だぁ」 「うむ、だが伝統を守り続けているからと言って時が止まっている訳ではない、我々観光客を受け入れてくれているのがその証拠だ。」

2017-08-29 21:52:08