横浜FMvs柏 レビュー @鏡合わせのような雨中の激戦は1-1ドロー

2人の監督の頭脳戦と選手達のインテンシティの高いプレーの連続。素晴らしい試合でした
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もう1つ、この試合で大きかったのは、柏のスピードスターMF伊東純也をSB山中亮輔がほぼ完封した事。以前、ネルシーニョ体制の柏では、対広島となるとミキッチ番として『よーいドンで負けない』橋本和や山中がマンツーで付く事で広島のサイドに蓋をしていたが、今回はそれを山中が伊東に行った

2017-09-18 20:36:50
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小池のスルーパスに反応し、完全に山中の逆を付いて抜け出したはずの伊東純也。しかし、自分と同等のスピードを持つ山中にギリギリで追いつかれてクロスは跳ね返されてしまう pic.twitter.com/h9lR9BEXuW

2017-09-18 20:37:46
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ライン際で小池のパスを受け、ターンしながら体を捩じ込んで突破を図る伊東純也。いつもならこの体勢で体を捩じ込んだ時はスピードで振り切ってPA内まで持っていけるのだが、やはり山中には追いつかれてしまう pic.twitter.com/fTkqxcwbDX

2017-09-18 20:38:47
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このように攻守両面で狙いを封じられ、前半は完全に劣勢。日本代表GK中山航輔のセーブが無ければ前半で0-2、0-3とされていてもおかしくない展開だった。こうしたゲームプランを構築し、チームに落とし込む能力はモンバエルツ監督の非常に優れた一面である。Jではトップクラスと言っていい

2017-09-18 20:38:53
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そんなモンバエルツ監督の策に対抗するように下平監督も動く。小林→武富としてFWに武富を配し、DHにキム・ボギョン。ビルドアップの際に横浜FMのハイプレスを受けないように、大谷を落とした3バックビルドアップで対抗した

2017-09-18 20:38:56
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前半は横浜FMのハイプレスに後ろが苦しんでいた事もあって、ボギョンがヘルプに落ちてきていた。しかし、ボギョンの位置があまりに低すぎた事もあって、前線は人数不足。そこを補うために武富を投入

2017-09-18 20:39:02
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また、手塚の負傷離脱以降は小林がDHに定着しているが、彼はボール奪取に長けたタイプであって、ターンとボールコントロールに優れたタイプではない。そこで、ボギョンを『手塚の代わり』とすることで横浜FMのハイプレスに晒されても、3バック&ボギョンで安定してボール保持する事に成功

2017-09-18 20:39:08
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CB間に大谷を落とし、相手2トップ間にボギョンを配して2トップ脇からボールを前進させようとする柏。じりじりと前進し、横浜FMがマルティノスを1列上げ数的同数プレスを発動した瞬間、全体が間延びしたと確認しDFラインの背後に走る伊東へロングボール pic.twitter.com/8hHxOMnCMh

2017-09-18 20:40:39
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3バックビルドアップで横浜FMを自陣に貼り付けにする柏。横浜FMの2トップもここまで引いているため、柏は大谷の左右の中山、中谷がミドルゾーンからバイタルまで進出して配球役となっている pic.twitter.com/4w3BPzBm66

2017-09-18 20:42:54
@GP_02A

前半は横浜FMがハイプレスと3バックビルドアップで柏の狙いを破壊。後半は柏が3バックビルドアップで横浜FMの狙いを破壊、と前後半で全く正反対の光景がピッチに広がることになった。そのためのゲームプランを用意したモンバエルツ監督も、劣勢をひっくり返した下平監督も共に手腕が卓越している

2017-09-18 20:43:07
@GP_02A

また、この日の下平監督は選手交代にも冴えを見せ、前述の通り後半頭からの武富の投入と、70分の大津の投入は非常に理にかなったものだった。大津の投入は平たく言えば『伊東純也を蘇らせるため』である

2017-09-18 20:43:10
@GP_02A

スピードvsスピードでは山中と互角で、伊東は違いを生み出せなかった。そこで下平監督は伊東を右SBに下げ、常に前を向いた状態で前方のスペースに仕掛けられるようにし、クリスを右SHとして山中にぶつける事でパワーvsスピードとし、右サイドを制圧する事に成功した

2017-09-18 20:43:17
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ただし、サイドの差し合いに勝っても中でパワー負けしては意味がないので、中澤と十分に戦えるハモンをFWへ。交代で入る大津を左SHに配し、攻撃的な布陣を敷いた。もしディエゴが居れば別(外国人選手の試合登録は4人まで)だが、ベンチの手駒の顔ぶれを見る限り、これが最善手だったように思う

2017-09-18 20:43:23
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こうして理詰めで横浜FMから主導権を奪取した柏。ボールを保持して横浜FMをゴール前まで押し込んだ事で後半は決定機を幾度も生み出し、その結果喜田のボギョンに対するファウルからクリスの直接FKに繋げる事ができた

2017-09-18 20:43:29
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なお、喜田はボギョンへのタックルをファウルではないとして抗議、試合後のイエローを提示される事になったが、あのプレーはアプローチの角度が悪く、ファウルの判定が正しい twitter.com/GP_02A/status/…

2017-09-18 20:43:37
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また、伊東を右SBに下げた事は最後の最後で活きる事にもなった。齋藤学のカウンターに伊東が快速を飛ばして追いつけたのでファー側にはシュートコースが無く、ニア側を狙ったドリブル突破は中村航輔が『2度伸びた』事でシャットアウト pic.twitter.com/Xr2xLlXX7a

2017-09-18 20:45:03
@GP_02A

こうして優勝戦線への生き残りを賭けた雨中の激戦は1-1ドローで終了。この戦いを生み出した、2人の監督の頭脳戦と選手達のインテンシティの高いプレーの連続。スタジアムで間近に見ることができて幸運だったなと思う

2017-09-18 20:45:14
@GP_02A

マルティノスが批判されてる、みたいな話をチラホラ見かけるけど、そんな批判するようなプレー振りだったかね…

2017-09-18 21:01:37
@GP_02A

そもそも、左に人数掛けて崩してるという事は高確率でクロスが入ってくるという事でもあって、そうすると中1枚では足りないので右SHがPA内侵入が絶対必要なんだけど、それマルティノスじゃないと務まらないでしょ。突破もクロスのターゲット役もやれる選手なんて中々居ないよ

2017-09-18 21:02:24
@GP_02A

あれだけ強度の高いプレスで前半は対面に仕事をさせず、後半ラストもスタミナ尽きかけながらも決定的なスルーパスを齋藤学に通して。勝ってたらMOM級だったと思うんですけど

2017-09-18 21:04:53
@GP_02A

横浜FMのサイドでスクエア(菱形)作ってポジショニングで殴る発想は、15年に大宮がJ2でやってた事とコンセプトは同じ。トライアングルではなくスクエアを作る事で対角線(ゴールに1番近いパスコース)の概念を生み出し、相手にケアさせる事で斜めにボールを運んでいく

2017-09-21 19:47:54
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サイドでスクエアを形成し、トレーラーゾーン活用した今季の大宮の崩し pic.twitter.com/0ZkmdcxeAG

2015-08-02 23:18:13
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この時の大宮は状況に応じてサイドに張る選手がSH泉澤orSB和田の2パターンあり、その際はスクエアを形成する4選手が時計回りに移動する形となる。泉澤が張る時は頂点に家長。和田が張る時は頂点に泉澤。選手の位置は違えど、配置毎にどういうプレーをするかが決められており、整理されている

2017-09-21 19:48:05
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なお、昨季の大宮は左サイドからのビルドアップ2種類使い分けてた。状況に応じてスクエアが時計回りに90度回転する pic.twitter.com/HSPT6yCdsK

2016-04-15 22:41:09
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2トップの片割れである家長がサイドのスクエアでの崩しに参加するので、PA内に侵入するFWはムルジャ1枚。ここに逆サイドの右SH横谷が入っていく事でPA内の枚数を確保。横浜FMではFW1枚とマルティノスが逆から入っていく。PA内に2枚入る事はクロスを上げる際には絶対必要な原則

2017-09-21 19:48:17