烏賀陽弘道氏( @hirougaya )の語る、日本と海外の写真報道の違いについて

"アメリカ人の写真記者は自分をcameramanと言わず、photo-journalist といいます。" 烏賀陽弘道氏(@hirougaya)の語る、日本と海外の写真報道の違いについて
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烏賀陽 弘道 @hirougaya

http://www.boston.com/bigpicture/2011/03/japan_-_new_fears_as_the_trage.html 「がれきの山と化した風景」の手前に必ず人物を入れるとき、人物も何か物語を語ります。その「ダブルストーリー」がうまい。

2011-03-24 01:31:30
烏賀陽 弘道 @hirougaya

「日本語という障壁に守られ、外国メディアと競争することはない」と思い込んでいた日本の新聞テレビには「想定外の事態」でしたね。笑

2011-03-24 01:32:38
烏賀陽 弘道 @hirougaya

「報道写真は売れません」とつぶれていった雑誌。「アサヒグラフ」「フォーカス」ほか。ほかには何でしたっけ? つぶれたので、日本のフォトジャーナリストはメシを食えなくなった。

2011-03-24 01:53:12
烏賀陽 弘道 @hirougaya

「フライデー」はエロ本になって生き残っていますね。

2011-03-24 01:53:24
烏賀陽 弘道 @hirougaya

まじめな報道写真雑誌は売れませんでした。実際。でも読者を責めることはできません。内容があまりに硬すぎた。いつもいつも「パレスチナ」「西成の肉体労働者」とか、もうワンパターンでぐるぐる回っていたから。何か負の連鎖に入ったという感じだった。

2011-03-24 01:55:03
烏賀陽 弘道 @hirougaya

写真取材は交通費、宿泊費など経費がかかる→国内取材にせよ→あまりニュース(ネタ)がない→売れない→売るためにエロ、スポーツ、アイドル、芸能などに走る→固いネタより売れる→業績をあげた編集長が評価される→そっちばっかりに行って戻ってこない と、経営側も負の連鎖

2011-03-24 01:57:37
烏賀陽 弘道 @hirougaya

出版社「読者はまじめな報道記事/報道写真なんか誰も買わないよ。それより、マツコデラックスや海老蔵、ジャニーズに韓流だね」と1990年代後半から続いた潮流の結果が、みなさんのお手元に届けられています。

2011-03-24 01:59:35
烏賀陽 弘道 @hirougaya

いま、日本がクライシスに見舞われているからみなさん「報道」に視線を注いでいますが、1995年以来、こんなこと16年間なかったもの。その間に人材は枯れ尽くしています。

2011-03-24 02:00:31
烏賀陽 弘道 @hirougaya

この16年間(あるいはもっと)読者も出版社も、場合によっては新聞社やテレビ局さえ「報道」など見捨て、切り捨て続けた結果が現在の惨状なのです。

2011-03-24 02:02:13
烏賀陽 弘道 @hirougaya

いくら平和でも、住宅を建築しようとして玄関にカギがない家は建てません。平時に報道を切り捨ててきた社会は、カギのない住宅のようなものです。

2011-03-24 02:03:53
烏賀陽 弘道 @hirougaya

http://bo.st/fBdhKz そう言うと、日本の報道写真では「自衛隊兵士」「米軍兵士」は存在しないかのように扱われていますね。

2011-03-24 02:05:17
烏賀陽 弘道 @hirougaya

私は知っていますが、すぐれた人材も仕事をしても生活できなければ枯れ尽くします。原発の話など、2011年3月11日以前は「読者が読まないネタワースト3」に必ず入っていたでしょうね。

2011-03-24 02:07:24
烏賀陽 弘道 @hirougaya

いま報道の人材が枯れきっているのを、出版社や新聞社は「読者が報道に関心がないから」と読者のせいにし、読者は「新聞社や出版社が怠けたから」と企業のせいにします。「おれのせいじゃない」と逃げているのはどちらも同じです。

2011-03-24 02:08:49
烏賀陽 弘道 @hirougaya

原発についてしつこく取材していた記者は日本でもほんの数人、記事を掲載する雑誌など、ほとんどありません。意外なところでは「週刊プレイボーイ」ががんばっていました。最近はどうだろう?

2011-03-24 02:10:30