渋谷すばる×朱(あき)3

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えいと@ぱられるわあるど @BRPOBYG_eighter

(・_・)×朱【76】 重い気持ちでリビングに戻り、携帯を見ると、すばるからの着信で履歴が埋まっていた。 一体、どんな想いで私に電話を掛けてくれたのか… だけど、きっと、そのうち… 以前は、その日が来て欲しくなかったけど、今は一日でも早く来て欲しい… 待っているのが辛いから。

2014-03-06 22:38:41
えいと@ぱられるわあるど @BRPOBYG_eighter

(・_・)×朱【77】 それからも何度も別れ話を切り出しては、喧嘩になるという事を繰り返していた。 最近では、もう、お互いが意地になってるような気がする。 すばるの考える幸せと、私の考える幸せが、すれ違ったままで、交わることがない… いつまでこんな事が続くのかな…

2014-03-06 22:39:02
えいと@ぱられるわあるど @BRPOBYG_eighter

(・_・)×朱【78】 すばるが出ていってから、少し待ってみたけれど、やっぱり戻ってこなかった。 久しぶりに会えたのにな…あんな事を言わなければ良かったのかな。 でも…もう限界… 大切な人だからこそ離れたい… すばるにとって、私は最良の相手じゃない。 それは哀しいけれど真実…

2014-03-13 20:45:00
えいと@ぱられるわあるど @BRPOBYG_eighter

(・_・)×朱【79】 「こんばんは〜!」 「紫ちゃん、いらっしゃい…」 「あれ?すばる、まだですか? 来るいうててんけど」 「あ…村上さんも一緒だったんだ。すばるね…さっきまでいたんだけど、何か用だった?」 「いえ、別に…また、ケンカしましたか?」 「え?」

2014-03-13 20:45:21
えいと@ぱられるわあるど @BRPOBYG_eighter

(・_・)×朱【80】 「最近、ようケンカするて言うてました」 「ケンカ…って言えるのかな」 「姉さん、ケンカするんだ…」 「紫ちゃん」 「だって、何も言わなくても分かり合ってて、うらやましい…」 「お前が、煩いだけや」 「信ちゃん…」 「私は…二人が羨ましいけどね…」

2014-03-13 20:46:02
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(・_・)×朱【81】 「ケンカの原因はそれですか?」 「…何も聞いてない?」 「何も。ただ、ケンカするとめっちゃ機嫌悪うなるんで、やめてほしいんで」 「それ、直接、すばるに言ったら」 「…絶対、離したらんとは言うてましたね」 「え?」

2014-03-13 20:46:29
えいと@ぱられるわあるど @BRPOBYG_eighter

(・_・)×朱【82】 「酒飲んで酔っぱらった時にポロっと。あいつがどこまで逃げようと追いかけて行くって。地獄だろうとなんだろうと、って」 「そんな…」 「何があったんかは知らんですけど、あいつが本気なんは分かってますよね?」 「でも…人の心が変わるのはあっという間だから…」

2014-03-13 20:46:41
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(・_・)×朱【83】 「姉さん?」 「っ! ごめん、紫ちゃんの事言ったわけじゃなくて」 「すばるの気持ちが変わる、思うてるんですね」 真正面からじっと見つめられる。 この人の目力も半端ではない。 何もかも見透かされそう… でも、すばると違うのは目の奥に宿る力だ。

2014-03-13 20:47:03
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(・_・)×朱【84】 すばるが宿してる哀しみと苦しみは見出せず、どんな困難も切り開いていくような力強さがある。 「すばるの前の彼女の事は?」 「知ってる…」 「サイレンの音に今でも怯えていることも?」 「…」 「そんな奴、鬱陶しいですか?」 「違う…そうじゃない…」

2014-03-13 20:47:30
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(・_・)×朱【85】 「じゃあ、何ですか? 貴方の気持ちが変わったんですか? 浮気でもしたんですか?」 「信ちゃん!」 「自分の気持ちが変わったから、すばるの気持ちも変わる、思ってるんでしょう」 「信ちゃん、てば!」 「ヒナ…もうええ」 「すばる…」

2014-03-13 20:47:40
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(・_・)×朱【86】 「ヒナ…悪いな、二人にしてもろうていいか?」 「…紫、帰んで」 「…うん…姉さん、またね…」 扉が閉まると、すばるはいつもの席に座り、私に隣に座るように言った。 横からじっと見つめられて、さっきとまた違った緊張が走る…

2014-03-13 20:47:52
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(・_・)×朱【87】 「なあ…いい加減、諦めろや。俺と別れて、お前が幸せになるんやったら俺も考えるけどな…そうやないやろ?」 「でも…」 「お前がいたから、俺は立ち上がれた。お前がおるから、俺は今でも立っていられる。俺は何て言われても、お前と離れることはできん」

2014-03-13 20:48:15
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(・_・)×朱【88】 「…」 「俺な…お前が他の男と結婚するって言われても、離さへんよ。道連れにしてでも俺に縛り付けとくから」 「…今日はそうでも、明日は分からないよ」 「お前さ…俺の気持ちが変わるのを怖がってるけど、俺も同じこと考えてるって何で思わんの?」 「え?」

2014-03-13 20:48:28
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(・_・)×朱【89】 「いつまでも過去のこと引きずってる俺に愛想尽かすんじゃないかって、いつか捨てられる日が来るんじゃないかって、俺も不安なんやけど」 「そんな…」 「だけど、そんなん言うててもしゃあないやん。だから、愛想尽かされんように必死なんや、俺は」

2014-03-13 20:48:39
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(・_・)×朱【90】 少し茶化した言い方に思わず笑ってしまうと、 「だから…来るかもしれない未来じゃなくて、今日を大切にしていこう。二人で今日を生きていこうや。そんで、その今日が最後まで続いたら、ハッピーエンドやろ?」 「すばる」 「俺は最後まで続けるつもりやけどな」

2014-03-13 20:48:51
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(・_・)×朱【91】 「最後まで続くかな…」 「続けたるわ。お前、俺に捕まったんが運の尽きやで」 そう言って、子供のように笑った。 そして気づいた。 ずいぶんとその笑顔を見てなかったことを。 私は、すばるのためにって思ってたけど、かえって苦しめてたんだ… ごめんね、すばる…

2014-03-13 20:49:19
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(・_・)×朱【92】 その時、店の扉が開いて、誰かが入ってきた。 「よお! 今日は、営業時間中に来てやったぜ」 と、何もなかったようにカウンターに座る元夫。 「…お前、何しに来たん?」 「あれ?兄ちゃん、まだ居たんだ。もう、とっくに別れたと思ってたんだけど」

2014-03-14 22:06:11
えいと@ぱられるわあるど @BRPOBYG_eighter

(・_・)×朱【93】 「何やと!」 「あ、そうか…後腐れないもんな、こいつとじゃ。都合のいい関係ってこと?」 「お前!」 「すばる、いいから…で、何の用?」 「あー、あのさ、あのマンション、俺に譲ってくんないかな。俺、再婚するんだけどさ、彼女が同居嫌だって言うんだよ…」

2014-03-14 22:06:21
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(・_・)×朱【94】 「だからって、何で私が出てかなきゃいけないのよ。自分達で住むところ探せばいいじゃない」 「探してんだけどさ…ないわけよ、これが。何処も『帯に短し襷に長し』って感じでさ。あそこ、1人で暮らすには広すぎるだろ? 元々俺が買った所なんだしさ、返してくれよ」

2014-03-14 22:06:32
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(・_・)×朱【95】 「急にそんな事言われても…」 「何で? あ、もしかしてそこの兄ちゃんと暮らしてるとか? お前もやるね…ツバメ飼ってんのかよ」 「何言ってんの」 「お前のせいでさ、俺の戸籍に傷が付いたわけじゃん。慰謝料貰いたいくらいなんだからさ、黙って出てけよ、欠陥品」

2014-03-14 22:06:41
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(・_・)×朱【96】 「おい! 黙って聞いとれば…好き勝手抜かすな!」 「すばる」 「お前が、こいつを捨ててったせいで、どんだけ苦しんだ思うてるんや。こいつ自身がどうしようもないことで、何でそんなに責められなあかんねん!慰謝料払わないかんのは、そっちちゃうか?」

2014-03-14 22:07:08
えいと@ぱられるわあるど @BRPOBYG_eighter

(・_・)×朱【97】 「怖いね…僕、脅されちゃったよ。どうしよかな…おまわりさんに言いつけちゃおうかな」 「おまえ…」 「すばる、いいから!」 「けど!」 「いいから……分かった。今から部屋を探すから少し時間かかるけど、それでいい?」 「了解、できるだけ早くしてくれよ。あと…

2014-03-14 22:07:18
えいと@ぱられるわあるど @BRPOBYG_eighter

(・_・)×朱【98】 少し、お金都合してくれないかな? 彼女、妊娠しててさ…いろいろ入りようなわけよ」 「あんた…仕事は?」 「会社立ち上げたんだけどさ、このご時世、いろいろ辛いわけよ、俺も。お前、なかなかもうかってるみたいじゃん?昔のよしみで助けてくれよ」

2014-03-14 22:07:27
えいと@ぱられるわあるど @BRPOBYG_eighter

(・_・)×朱【99】 「何言ってんの、余裕なんかあるわけないじゃない。引越しもしなきゃいけないんだから、お金なんか余分に出せるわけないでしょう。話がそれだけなら、もう帰って。また、連絡する」 「あ、そんな態度取るんだ…冷たいね…やっぱりお前って」 「ええ加減にしろ!」

2014-03-14 22:07:37
えいと@ぱられるわあるど @BRPOBYG_eighter

(・_・)×朱【100】 「すばる」 「いつまでごちゃごちゃ言うとる。こいつ、あそこ出て行く言うたやないか。それだけでも、随分な要求やないか。これ以上、何も言わんと帰れや」 「お前には関係ないだろ? 口出すなよ。なあ、朱…」 「やめろ、言うてるやろ?」 と掴みかかろうとして…

2014-03-14 22:07:46
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