「これからは叙事詩だ!!!」~叙事詩と抒情詩の話~

抒情詩的世界観から叙事詩的世界観へ 内面を深掘る抒情詩的展開の物語は臨界を迎えた これからは叙事詩的な語られ方が物語には求められているのかも知れない 続きを読む
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y2k000 @y2k000

その視点だと、小川一水が挙がりますよね。「第六大陸」なんかモロじゃないですか。@DecoponMAGI:で、現代に適応ってそれ「宇宙開発」しかないじゃんとゆー見も蓋もない結論に…。結局プラネテス、ムーンライトマイルかっ。

2010-04-28 19:29:19
y2k000 @y2k000

まあ、魔王「この我のものとなれ、勇者よ」勇者「断る!」に最も近い小川一水作品というと、「第六大陸」よりは「不全世界の創造手(アーキテクト) 」でしょうけど。この作品は間違いなく現代の冒険小説だと思う。「未開」に対して正しくイノベーションを振る舞ってみせている。

2010-04-28 19:34:20
でこぽん(東京多摩地区) @DecoponMAGI

@y2k000 少年漫画界ではSFは近未来、遠未来問わず、いまだに鬼門なのが辛いとこですねー。ラノベもアニメもSFは豊富なのに…。豊富というほどではないか。

2010-04-28 21:12:49
y2k000 @y2k000

@DecoponMAGI 少年漫画の場合、制作体制がシビアで、SFみたいな背景描写のきっついフィーチャーっぷりとか、世界観をプレゼンする余裕がないですからねえ。「デスノート」はSFといえなくもないと思いますが、SF定義論は先人達が引きずった血斑の道だからあまり触りたくないです(笑

2010-04-28 21:27:01
でこぽん(東京多摩地区) @DecoponMAGI

■■■■■■■(※ Togatter用post)■■■■■■■

2010-04-30 09:21:15
でこぽん(東京多摩地区) @DecoponMAGI

さらに叙事詩と抒情詩についてのメモ。連投失礼

2010-04-30 12:19:34
でこぽん(東京多摩地区) @DecoponMAGI

この問題意識のヒントは確か、2008年10月12日の海燕さん、ペトロニウスさん、いずみのさんの「第一回物語夜話ラジオ」http://d.hatena.ne.jp/kaien/20081012/p1にヒントを受けて始まったものです

2010-04-30 12:19:50
でこぽん(東京多摩地区) @DecoponMAGI

これは十時間越えのラジオで「第1部「本を語る」第2部「『グイン・サーガ』を語る」第3部「契約・再契約ものを語る」とされてたもので、グイン・サーガの熱い話とか、ギルガメッシュと遠坂凛が同類だと言うことが明らかになったりとかとか超聴きごたえがあるんですが(笑)

2010-04-30 12:20:08
でこぽん(東京多摩地区) @DecoponMAGI

このラジオの6時間50分目辺り、いずみのさんが「人魚姫」とその翻案(清水玲子「月の子」等)を例にあげて「昔だったら悲劇にする(人魚姫が泡になって消える)ところを、今ならハッピーエンドにする(王子様と結ばれる)傾向がある」と論じたところが重要です。

2010-04-30 12:20:17
でこぽん(東京多摩地区) @DecoponMAGI

ペトロニウスさんによれば、その昔物語が村の広場とかで説話という形で語られてた頃は、みんなに語り聞かせると言う形式から、主人公の内面に踏み込むことはなく、物語は叙事詩っぽく語られてた

2010-04-30 12:20:27
でこぽん(東京多摩地区) @DecoponMAGI

だが活版技術の発明と本(小説)の普及で、物語と人は一対一で対面して接するという形が主流になった、と。

2010-04-30 12:20:35
でこぽん(東京多摩地区) @DecoponMAGI

一人っきりの部屋で本を読んで物語に接するという形式は、主人公の内面に感情移入して読むというスタイルを確立する。これが大衆の誕生につながるとかうんたらかんたら。カトリックとプロテスタントの聖書に対するスタンスの違いと同じ。

2010-04-30 12:20:43
でこぽん(東京多摩地区) @DecoponMAGI

いずみのさん「これは叙事詩と抒情詩の話ですね」

2010-04-30 12:20:51
でこぽん(東京多摩地区) @DecoponMAGI

昔話の形式(叙事詩)で人魚姫を聞くのと違い、現代的に翻案されて人魚姫に感情移入するような、主人公の内面を描いた物語(小説、漫画)の形式(抒情詩)で読むと人魚姫が死ぬことに納得がいかなくなってしまう。

2010-04-30 12:20:57
でこぽん(東京多摩地区) @DecoponMAGI

その結果「人魚姫と王子が結ばれる」と言う異伝が語られ、しかもそっちの方が支持を受けて勢力を増すとゆーよーな力学が働く、これが近代の抒情詩的世界観(主観重視)の淵源なのではないのか

2010-04-30 12:21:07
でこぽん(東京多摩地区) @DecoponMAGI

この抒情詩的傾向が是か非かはわからないが、ある面から見れば、これは確かに「近代の病」の一つと言えるのかも知れない。

2010-04-30 12:21:23
でこぽん(東京多摩地区) @DecoponMAGI

例えばここから簡単に「どんな人間にも悲劇は訪れちゃいけない」とか「人の命は地球より重い」みたいな発想が出てくるだろうことは想像出来ますね。

2010-04-30 12:21:34
でこぽん(東京多摩地区) @DecoponMAGI

「善なる意図を持って行われた行為は、必ず善なる結果をもたらす」って言うのもこの派生パターンです。こういうことを思う人は「合成の誤謬」について知らない。

2010-04-30 12:22:19
でこぽん(東京多摩地区) @DecoponMAGI

(ちなみにいずみのさんは人魚姫の翻案がハッピーエンドになる傾向について肯定的な意見を言ってらっしゃるのですが、俺もその点についてはかなり同意です。これは村上春樹「1Q84」BOOK3を肯定的に評価する視点に繋がるものです。)

2010-04-30 12:22:29
でこぽん(東京多摩地区) @DecoponMAGI

大体こんなことをラジオでは語ってたのですが、これをきっかけに、俺が好きで著作を追っている宮台真司と言う社会学者が、2004年(多分)くらいから 叙事詩! 叙事詩! じ ょ ・ じ ・ し !! と言ってるのを思い出しました。

2010-04-30 12:22:39
でこぽん(東京多摩地区) @DecoponMAGI

これがまた非常に難しくて当時は読んでも意味がさっぱりわからなかったのですが。この第一回物語夜話ラジオと、昨年末に盛り上がった「王論」の話(これもまとめたいですね)が結びついて、途端に理解出来るようになりました。

2010-04-30 12:23:25
でこぽん(東京多摩地区) @DecoponMAGI

さらに我々界隈で話されてた「ハーレムメイカーが時を止める問題」の解法としての「並行世界からの脱出もの」、これを「内面世界への耽溺=ナルシシズムの檻からの脱出」と捉えれば、それすなわち「抒情詩(内面重視)的世界観の臨界点」と捉えることが可能かも知れない。

2010-04-30 12:24:50
でこぽん(東京多摩地区) @DecoponMAGI

するとおぼろげに浮かび上がってくるのが、「抒情詩的世界観から叙事詩的世界観への移行」と言うテーマです。

2010-04-30 12:24:57
でこぽん(東京多摩地区) @DecoponMAGI

内面重視世界観の極北とも言えるあの旧エヴァ劇場版の、「現実へ帰れ!」とゆーラストを、肯定的に受け取って前に進む物語がなかなか生まれなかったこと。これは、その問題への解ともなるのではないかと思い、暇を見つけてぼちぼち取り組んでいる次第です。

2010-04-30 12:25:11
でこぽん(東京多摩地区) @DecoponMAGI

どうも抒情詩的世界観は「ひとりの人間の主観の物語」(故に一人の主観が移動する並行世界モノやループものを帰結する)、叙事詩的世界観は「複数の人間の主観を織り交ぜた物語」(故に歴史モノとかと親和性が高い)って感じなんですね。

2010-04-30 12:25:17
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