「これからは叙事詩だ!!!」~叙事詩と抒情詩の話~
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DecoponMAGI
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複数の主観が入り乱れると世界は誰か一人の主観の思い通りには展開しません。不条理なことも起こる。ナルシシズムへの耽溺は許されない。アンチ・カタルシス的です。
2010-04-30 12:25:36![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
ただし、複数の思惑が入り乱れることが娯楽に繋がる歴史モノや戦記モノは、エンターテイメント的に言ってもこの叙事詩的世界観と相性がいい。
2010-04-30 12:25:47![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
セカイ系的なものに何か倫理的によくないものを感じるのだとしたら、それは<社会>が描かれていないことじゃなくて、「視点」=「魂の座」がひとつしかないことに尽きるのではないでしょうか?
2010-04-30 12:25:55![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
「嫌な事(つまり主観に取って不条理なこと)」をしてくるキャラクターがいない、と言うのは優しく暖かい世界には違いないのですが、裏から見れば主観にとっての「異物」を排除したナルシシズムの檻に極めて近い構造を持つのです。
2010-04-30 12:26:20![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
宮台真司が叙事詩について多く語っている映画論の本がこちら。ちょい難しいですが(数年前には俺も何言ってるんだか全然わからなかった)、超いい本です 「<世界>はそもそもデタラメである 」宮台 真司 (著) http://tinyurl.com/2bo9sg6
2010-04-30 12:26:35![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
『叙事詩的世界観では<世界>や<社会>が人間の主観とは無関連に動く。「出鱈目」が「出鱈目」のままなのだ。他方、説明性や叙情性は「出鱈目」を無害化する装置として機能しており、国際性を欠いた「ひ弱さ」を感じさせる。』「<世界>はそもそもデタラメである」から
2010-04-30 12:26:54![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
@gigir そうですね、不条理な出来事をそのままに受け入れると言うことです。それに<悪>と名付けてしまうと途端に二元論の世界となってラスボスのいる世界になってしまうのです。
2010-04-30 12:29:04![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
最近は、行き帰りの電車でこちらを読み進めております。 ( 魔王「この我のものとなれ、勇者よ」勇者「断る!」 http://bit.ly/dt2Gqe ) ただいま10スレ目。スケールのでかさがとてつもないです。お薦め!
2010-04-22 21:36:38![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
ええと、「人間はどこから来て、どこへと行くんだろう」並みのでかいスケールの問いに、如何なく応えきってる感じです。とにかくとてつもないです。読まないときっと損です。時代的には、中世の宗教的な史観から一次世界大戦くらいまですっぽり覆ってしまうくらいの風呂敷のでかさです。とてつもない!
2010-04-22 21:43:01![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
@_danwaneji >「魔王x勇者」 いくつかの仕掛けで中世あたりから近代への移り変わりを凝縮して描いていますよね。マスケット兵の有効性の演説には背筋が凍りました。あそこで戦争の様相が大きく変わってしまった。
2010-04-22 21:52:51![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
@LDmanken たしかにあれはゾクゾクきました。はじめナポレオン戦争を想定して読んでいたのが、商会の話をフックに、いつのまにか1次大戦くらいまで入っているように思えて、筆者の知見と筆致のとてつもなさに身震いがきましたよ。
2010-04-22 21:58:52![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
@LDmanken 今読んでいるのは、南部連合が支援を派兵するか協議している下りですね。世界に伏せられていたものの影がぼんやり見えてきたあたり。
2010-04-22 22:10:05![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
@_danwaneji 戦略的には開門都市を放棄した方が勝てるけど、政治的に~戦後の事を考えた場合、開門都市を陥落させてはならないという展開にも痺れました。戦略的勝利と政治的勝利がモロに相反する軍記ものも滅多に観れません。
2010-04-22 22:15:54![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
@_danwaneji 多くの軍記物語は政治→勝ちゃいい!、戦略→勝ちゃいい!ってぐらい一本シンプルな収斂を目指すんですけどね。正に「先の世界を見たい」という理想(政治)のために、戦略的には圧倒的に不利な戦いに身を投じるという…(感)
2010-04-22 22:19:52![](https://tgfile.tg-static.com/static/web/img/placeholder.gif)
@LDmanken なるほど。「勝つ」「負ける」っていう題目の価値に重きを置かれていない感じは受けましたね。どちらかというと「情勢」に重きを置いているというか。
2010-04-22 22:28:56