勇者ユウの大冒険(復刻版)

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アシス@与太垢 @asis_yota

「……そういうお前の純粋なところは美点だとは思うけど気をつけろよ。悪いやつに利用されてもおかしくないぞ」 「ハールさんとかのことですね!」 騙された仕返しだ。 「ハハハ。申し訳ないが、仲間の件は無かったことにしていいか」 「それはやめてください!」 仕返しの仕返しをされてしまった

2017-10-01 23:30:43
アシス@与太垢 @asis_yota

「いやー、でも俺は悪人だからなー。悪人が勇者の仲間っておかしいだろ」 「……すいませんでした。許してください」 全力で頭を下げた。 ……冷静に考えるとなぜ私が謝っているのか分からないが、謝っておかないと私がドンドンと不利になる気がした。

2017-10-01 23:34:16
アシス@与太垢 @asis_yota

「んー……」 足下しか見えないが、ハールさんは私の後ろに回り込んだようだった。 「じゃあコレで許してやる」 ハールさんは私のおしりをバシンと叩いた。 「ひゃん!」 「ほら、行くぞ。ユウ」 「ちょっとどこ触ってるんですか!」 「ははは!!!」

2017-10-01 23:36:51
アシス@与太垢 @asis_yota

スタスタと先々へ歩いて行くハールさんの後を急いでおった。 「ちょっとハールさん!」 「なんだー」 「今のは完全なセクハラですよね!?」 「かもなー」 「さすがに酷いですよ!謝ってください!」

2017-10-01 23:47:04
アシス@与太垢 @asis_yota

「じゃあ、仲間やめたほうがいい?」 「すいませんでした」

2017-10-01 23:47:34

第三話 最初の街

アシス@与太垢 @asis_yota

「ハールさんには情というものがないんですか?」 「出会って1日も経ってないじゃじゃ馬に情も何も湧くわけないだろ」 「でもなんだかんだでコロっと落ちるというか、一目惚れするタイプですよね。ハールさん」 「…………仮にそうだとしても、お前じゃないから安心しろ」

2017-10-02 23:18:50
アシス@与太垢 @asis_yota

「えぇ!?いや、私だってハールさんに恋愛対象として見られるとかナイです!!お断りです!!」 「……うわー、傷つくわー」 「全くダメージが入ってない顔だ……」

2017-10-02 23:22:29
アシス@与太垢 @asis_yota

「まあ、買っとくべきものくらいは教えてやるよ。これでも長年冒険した人間の言葉だから信用に値するだろ」 「なんだかんだで優しいですね。ハールさん」 「だけど条件がある」 ニヤニヤと笑うハールさんに私はため息をついた。 「セクハラですか」 「俺をなんだと思ってるの?」

2017-10-02 23:26:28
アシス@与太垢 @asis_yota

「セクハラじゃないとしたらなんですか!?」 「……まあいいや。お前、今日宿屋に泊まるつもりだろ」 その言葉に私は空を見上げ太陽の位置を確認した。てっぺんは過ぎたことだろう。 「そうですね。買い物をしてたら日が落ちてくるでしょうし、野宿をするくらいならこの街で泊まります」

2017-10-02 23:29:51
アシス@与太垢 @asis_yota

「……だよな」 神妙な表情をこちらに向けてくるので、私は首を傾げた。 「何が言いたいんですか」 「宿代を奢ってくれね?ついでに晩飯もつけてくれるとありがたい」 「…………え?」

2017-10-02 23:32:13
アシス@与太垢 @asis_yota

まさかの展開だ。本当に開いた口が塞がらなくなることがあるなんて思わなかった。 「ハールさん、お金持ってないんですか?」 「長らく放浪の旅をしてたからその手の持ち合わせが無くてね。いや、野宿で問題ないんだけどさ。久々に宿でゆっくり休みたいなーって」 「…………はぁ」

2017-10-02 23:36:45
アシス@与太垢 @asis_yota

「買い物の手助けをする替わりに、どうか……」 「……ハールさん」 「はい」 「あまり私を見くびらないでください」 「はい、すいません」 ……なんでこんなことで敬語になってるんだろう、この人は。

2017-10-02 23:39:45
アシス@与太垢 @asis_yota

「私が仲間を見捨てて一人だけ宿に泊まるなんてするわけないですよ。……そんなの交換条件になりません。だって、当たり前のことじゃないですか。協力してくれてるんだから、それくらい当然です!!」 「ユウ……!」 「ハールさん……!」

2017-10-02 23:44:53
アシス@与太垢 @asis_yota

「じゃあ、別の交換条件つけていい?」 「そこはハールさんも無償でやってくれる流れじゃないんですか!?」

2017-10-02 23:45:44

第四話 意外な弱点

アシス@与太垢 @asis_yota

買い物が終わり、夕暮れ時が近づいてきたので、私たちは宿をとった。 部屋に入ってすぐに私は椅子に腰掛けた。 「ふうー。……歩きっぱなしだったので疲れましたー」 「おい」 「それにしても言うほど買わなかったですねー。これだけで足りるのでしょうか」 「おい」

2017-10-03 22:12:57
アシス@与太垢 @asis_yota

「でもハールさんが言うなら間違いないですよ——」 「無視をするな」 「……はい、なんですか?」 「なんで一部屋だけにした」 「……え!?」 私は思わず口元を覆った。 「私と一緒の部屋じゃ嫌でしたか!?」 「そうじゃない。逆だ逆」

2017-10-03 22:17:19
アシス@与太垢 @asis_yota

「つまり私の部屋でとても嬉しいってことですか!?やっぱり惚れっぽいタイプなんですね!?」 「……そうじゃなくて、お前の方が嫌じゃないのか」 「え?」 首をかしげる。 「別に嫌じゃないですよ?二部屋とるとなるとお金がかかるからそっちの方が嫌じゃないですか?」

2017-10-03 22:21:37
アシス@与太垢 @asis_yota

「あのなぁ……」 ハールさんは苦笑いを浮かべながら頭を押さえた。 「お前、俺と会ってからどれくらい時間が経った?」 「半日もないですね!」 「……そんな人間を簡単に信用するべきじゃないだろ」 「信用って……ハールさんは悪い人じゃないんだから信用できますよ!」

2017-10-03 22:24:54
アシス@与太垢 @asis_yota

「はい?」 「だって私のことをたくさん助けてくれました!それに、ハールさんが悪いことを考えているなら、私はもう既に死んでいると思うんですよ。私のお金や持ち物を奪おうと思うなら既にやってると思うんです。だから、ハールさんは間違いなく私のことを心配して付いてきてくれるいい人です!」

2017-10-03 22:30:53
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