twitter開始6周年記念、自選ついのべ（ #twnovel ）50作（2015・9~2016・10）

日向日影 @hyuugahikage

#twnovel 「博士、顕微鏡に何か青いものが」「ああ、これは地球だね、銀河を採取すると、たまに混ざってくるんだ。観察したら、ちゃんとプレパラートからもとの銀河に戻しておくように」「はい、でももう少し見たいな…ちょっと場所ずらして見やすく…あっ」ツルッ、バリーン #全滅亡祭

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#twnovel 次のニュースです。最新の脳科学の知見によると、ヒトの脳の神経細胞の構造が爆発物に近いという面白い発見があったそうです。専門家は「実際には爆発することはないが、人の脳を解明するのに興味ぶかﾄﾞｰﾝ」と脳が爆発していきﾄﾞｰﾝ #全滅亡祭

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#twnovel 背中の掘りごたつ席から若い男女の楽しげな声がカウンターにも響いてくる。いかにもバカリズムや岡崎体育あたりを褒めて、有名youtuberをけなしていればいつまでも話をもたせそうな感じだ。俺はこういう声がつまみになる酒をよく知らない。あいつらは知ってるんだろう。

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#twnovel むかしむかしあるところにおじいさんとおばあさんがおりました、なんて、昔話はさらっと始まるけれども、実際に「あるところにいるおじいさんとおばあさん」になるって、きっと簡単じゃないよね。でも、そうなれると思ったから、あなたを選んだんだよ。 #全最愛祭 #めぐり愛

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#twnovel アルバムをのぞいていると懐かしいおじさんが写っていた。母校が甲子園に行った時ベンチ入りしたのが唯一の自慢だったおじさんだ。そういえば最近親戚が集まった時にもいなかった。おじさんのことを家族も何も話さない。記憶と写真だけが、おじさんと甲子園を残し続けている。

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#twnovel ハロウィンを楽しもうとか言うと「どうせ火葬行列とか言って楽しんでる人たちを焼きつくすとかだろ」と言われた。失礼な。私だってそんなにひねくれていない。ちゃんとした仮装行列だ。ただ、みんなを本物のゾンビやゴーストにして楽しいパレードを永遠に続けてもらうだけなのに。

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#twnovel 「パンと佐藤くんが焼けたよー」「わーい」「わー、食パンふっくらしてる」「佐藤くんもこんがりだねー」「パンにバター塗って、佐藤くんは川に流そう」「じゃあ、朝ごはんにする」「あ、食前の薬飲まなきゃ」「ちょっと待って、今卵と坂本くんも焼くから」「はーい」

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#twnovel 星空を見上げるのが好きだった。星の光が実は何万年も前の光だと知った夜は、驚きと言い知れない不安と恐怖で眠れなかった。自分が絶対届かないものの存在を初めて知った日だった。あれから、この世界のほとんどには手が届かないと気づいたけれど、僕はまた星空を見上げている。

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#twnovel かさぶたをはがすには丁度いい２６時だった。ベランダから赤黒いものを投げ捨てると、血がにじむ左手の甲を一口なめる。血の味を晩秋の凍てつき始めた風がかき消しす。僕は下を向き、闇に消えた、さっきまで僕の体の一部だったものを探すふりをする。誰を騙すわけでもなく。

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#twnovel 星インフルエンザというものがある。これにかかると星は体内から高熱を出したり、体表に水が湧いたりしてしまう。星にも生命という免疫機能がありこれを作って星を修復するが、高度な生命になればなるほど、過剰免疫で星をいじりすぎてむしろ滅ぼしてしまうこともあるらしい。

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#twnovel バリバリと空をちぎるようなプロペラの音が耳をつんざく。私はその音を聴くと目を瞑り、手を合わせる。「ありがとう」「頑張って」と、同じ姿勢であるはずの住民の声が聞聴こえ、私も続く。励ましや感謝の言葉をかけると軍用ヘリの安全性や航行距離、爆撃の威力が増すのだという。

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#twnovel 「常夏だ」「常夏だ」と皆が言う。今は冬なのに。なぜならここにはいつでも暑い常夏おじさんがいるのだ。そしてその常夏おじさんが私なんだぜーーーーー！！イェーーー！おまえも！おまえも！！おまえも！！！雪にも負けず！！！俺と同じ半袖で！！熱くなろうぜー！ヒャッホー！！

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#twnovel わあ、すごい。私、ずっと、会いたかったんだ、あなたみたいな人に。かっこよくて、筋肉が引き締まってて、優しくて、最近で言うイケボってやつで、ちょっとだけ臆病なところもあって、チェーンソー見た瞬間に本当にいい表情と声で、本当にいい切断面見せてくれたね。大好き☆

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#twnovel 「ジャンケン、ポン！チョキであいこかぁ」「ふふふ…俺の勝ちだ」「は？」「見るがいい俺の輝くチョキを、普通のチョキとは破壊力が違うのだ！」「…ほう」「！？」「お前もチョ気の使い手だったとは…ならば本気を出すしかなかろう」「その漆黒の炎は…幻の闇のチョ気…だと…」

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#twnovel 月がきれいな夜だった。月だけはきれいな、いや、月と、あの遠い先に住んでいるあなただけが、いや、月なんてどうでもよくて本当にきれいなのはあなただけ、いや、こんなことを考えている僕以外の全てが、僕と比べればまだきれいな方なのかもしれない。雲が月を隠した。

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#twnovel 隣室で首を吊っていたあの人は、りんごが好きだったらしい。一口齧った残りが、そばに落ちていたという。プロというのはすごいもので、もう、あの人が住んでいた痕跡も何もかもなくなってしまったけれど、せめて、隣室にりんご好きの人がいたって、僕は覚えておこうと思う。

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#twnovel 排水溝に釣り糸を垂らすおじいさんがいた。あまりにも不思議なので「何か釣れるんですか」と聞くと「釣れなきゃいけないかね」と答えてきた。確かにそうだなと思い、私も家から釣り竿を持ってきた。おじいさんの向かいの排水溝に垂らす。正直面白くない。排気ガスの匂いがする。

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#twnovel 道路の真ん中でボウリングの玉を投げてみた。ごろごろと転がって、６ピンほど倒した。実際にはボウリングの玉ではなく手作りの爆弾で、ピンではなくて人間なのだが、まあそれはいいだろう。２投目。あと４ピンでスペアだ。歓声っぽい声もあちこちであがってきた。

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#twnovel 口の中をクリームの上品な甘みが包む。コンビニスイーツが値段の割に本格的でおいしいので首を吊ることにした。こんなこともあるだろうと買っておいたロープが、さっき食べた生地の色に似ている。キュッ、と強度を確かめたら、柱にかける前に片手でスマホを初期化する。

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#twnovel 「なにか…食べ物…」「食べ物が欲しいの？じゃあ種をあげるから農業をするといいよ。いっぱい食べられるしね」「それじゃ…時間が…」「じゃあ、釣り竿を貸してあげる！採れたての魚はおいしいしね！」「たいりょ…くが……」「じゃあどうしようか…もしもし？もしもし？」

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#twnovel そういえば駄菓子屋というものに行ったことがない。駄菓子そのものはコンビニで買ったこともあるのだけど、そもそもそんなものは地元にはなかった。東京には色んなものがあるのだなと、外から響く子どもたちの嬌声を聞きながらワンルームで荷解きを続ける。これからよろしく。

日向日影 @hyuugahikage

#twnovel 「ニッポンに世界が驚き！」、今日は「世界に誇る日本の自殺」外国人の感想VTRをどうぞ。 「死んだら初めて家族や友人が心配するんだね、僕の国とは違うね」 「一人電車に飛び込んでも日本人は冷静だね」 「人口調整に自殺を使う仕組みかな、メイドインジャパンだね」

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#twnovel 「へえ、うちの天ぷらの秘密ですか。そうですねぇ、やはり油の温度でしょうかね。おかげさまで皆様にご贔屓にしてもらってます。高温でカラッと揚げるのが特徴で、ほら今なんて2兆度…」その瞬間、宇宙の全ては高熱とエネルギーによって消え去った。 #終末商店街

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#twnovel 確かにうちは裏の顔として衣類の洗濯もしてますから受け付けますけど、本当はクリーニングってそういうことじゃないんですよねぇ。もっと、大きいものの専門なんですよ。ぬいぐるみ？違います。車？まだまだ。家？まさかそんな。わかりません？この世界ですよ。 #終末商店街

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#twnovel 内容はよくわからないけど、スーツを着たおじさん俳優の顔のアップを交互に繰り返すドラマを見ていた。きっと面白いんだろう。他の番組を見る気にもなれないのでとりあえず音量を落としてスマホを手に取る。ログインボーナスを2つほど取ったところで、じゃがりこがなくなった。