臨床心理士が学校で「ボードゲーム」を使い、子供たちの『話し合い力』スキルアップ授業[かたろーぐ]
- guchi_fukui
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臨床心理士の方より
今日はこのツイートから始まる「かたろーぐ」の紹介です。 「話し合う」ことに必要な「質問する」「相手の話を聞く」「聞いて推測する」こと全てに関わるお手軽で楽しいゲームです。 twitter.com/oqceeee/status…
2017-11-06 23:36:07次はもう少し自由な話し合いを楽しめるゲームの紹介です。ご存知の方も多いと思われる「かたろーぐ」。 これも話し合いを取り入れて遊ぶとまた違った面白さや学びが出てきます。
2017-11-05 22:42:55「かたろーぐ」は、カタログやチラシなどを使って遊びます。お題にするものを選び、出題者は、それを自分が好きだと思う順にランキングします。選び終わったら4位だけを公開します。 他の人は、それを見てらその人が選んだ1位から5位までを予想するというゲームです。
2017-11-06 23:37:45グループで考える
ゲームの作り自体がシンプルながらよくできていて、遊ぶだけでもとても面白いです。 ランキングを当てる役目を、個人でなくグループにして行うと、話し合いに大切なことを遊びながら学べます。 グループで行う場合、「相手の話を聞く」、「質問する」、「推測する」ということが焦点となります。
2017-11-06 23:40:15かたろーぐでは、相手が選んだ5つのアイテムが常に公開されています。 そして、4位のものだけ分かっている。この4位について、ランキングを予想するグループは、どうしてそれを選んだのかと言う質問をすることができます。そこで得られた答えと公開された情報を合わせて考えることになります。
2017-11-06 23:42:39推測し意見を出し合うことが大事
「カードライン」の紹介の時にも書きましたが、公開された情報から推測し、意見を出し合うことが大切です。 想像だけで終わらせず、それを確かめるにはどんな質問をしたらいいか考えるのです。例えば、お題がお菓子。4位はポッキ。ほかの4つには、ポテトチップス、小枝、グミ、パイの実だとします。
2017-11-06 23:45:524位の理由は「チョコが美味しいから」だとします。ということは、解答者はチョコが好きなのかな?他にもチョコを使っているお菓子がランクインしてる。もっとたくさんチョコを使ったお菓子の方がランキングは上なんじゃない?というように、公開された情報を元に考えます。
2017-11-06 23:47:24アドバイスのポイント
カードラインよりも公開されている情報が視覚的で、そこからいくつかの要素を抜き出して考える必要があります。情報が構造化されていない分、難易度は高いですが、コツがつかめると楽しめるかと思います。 この場合も、「どうやって考えるのか」という助言は必須です。
2017-11-06 23:49:29その時に「相手が言ったことをしっかり聞く」そのやり方を伝えます。 高学年からはメモをとる練習としても使えます。相手の言ったことから、分かったことは何か、もう少し聞いておくと良さそうなことは何か、残りの選択肢との共通点は何か、違いは何か、こういった点をまとめることが大切です。
2017-11-06 23:52:47質問のあとはグループごとの審議タイム
聞くことは予測するための材料を増やすことです。グループの各々がその材料を引き出したら、10分ほど審議タイムです。カードラインの時のように「グミはチョコレートを使ってないからポッキーより順位が下だと思う」というように、理由とともに自分の意見を出していきます。
2017-11-06 23:56:27評価のポイントは「当たったか」ではない
最終的に、ランキングが当たったか当たってないかは評価しません。それよりも、グループメンバーみんなが根拠とともに自分の意見を話せたかが大切です。そして、その意見はちゃんと推論の元に組み立てられていたかが大切。それから、指導者は議論中の様子の観察をすることも同じく大切です。
2017-11-06 23:58:53自分の意見に固執している子に対しては
自分の意見に固執してしまっている子はいないか、その子が固執している意見はどのくらい客観性があるのか、そのあたりをよく見ます。推論の元に組み立てられた意見であれば、「採択されなかったけど、〇〇さんの意見もこういうところが良かったよね」というフォローが必要。
2017-11-07 00:00:5210歳以下のグループで多いのは「自分はこれが好きだから(絶対にみんなもこれが好きだと思う)」という、本人の中でしか成り立たない推論です。これに固執する子も多い。年齢が上がれば薄れていく子もいますが、自他境界が弱い子だと自然に解消しにくい所でもあります。この場合は、個別に対応します
2017-11-07 00:03:06個別対応のポイント
個別に対応していく目安として、10歳くらいから始めるといいかと思います。この辺りから他者と自分の違いが分かり出すので、「私の好き」「誰かの好き」これが別物であることを伝えていきます。ソーシャルストーリーなどを使ってもいいし、自己紹介ゲームなどでアクティビティを取り入れてもいい。
2017-11-07 00:06:08その子が事実に基づいて推測できたときにほめたり、みんなにわかるように「こういう点の推測が良かったね」と伝えることも効果的ですし、本人にも伝わりやすいです。 かたろーぐは一対一で遊ぶのも楽しいし、こんな風にグループで楽しむのも良いかと思います。学校などでも使いやすいと思います。
2017-11-07 00:08:39