- laurassuoh
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僕が例えどれ程頭が良くて理解が早くてもそれがアカデミーに繋がるかはわからないんだけど(実際繋がりませんでした)、まあ確実な言えることは、そうであることは人生を楽しくするし、人間である以上いつか死ぬのでそれですべてOKなんですよ
2018-03-24 04:46:50死ねば終わりなので生きてる間は主体から逃れられない僕たちはそれぞれが、それぞれで世界最高の人間として生きていこうな
2018-03-24 04:50:22人間、有限だから最高だよね。無限だったら何も考えず生きていただろうし、生きているということは二度とない今の積み重ねなので、無限には今はなくて過去しかない、だから今を感じられる有限は無限に勝るんだよ
2018-03-24 04:55:33こういうのはすべて「生きていてよかった 生きていてよかった 生きていてよかった そんな夜を探してる」に集約されています
2018-03-24 04:56:20青々とした山に囲まれる田んぼの真ん中で、君とトマトを分け合って、その酸味に汗が融けて甘くなったのを知りたい。白い制服の向こうの透けた肌の色が秋の麦のようで、肌を流れる玉の汗に太陽と青空が反射していた。この後の約束をして、お地蔵さんの前で別れる。蝉の声が降ってきて、傘がいるほどの夏
2018-03-27 02:22:27中学三年生は僕と君しかいなくて、高校に行くには山を越えなければならなかったような故郷。全員が顔見知り、先生は三人、田んぼと家と林しかない、山に囲まれた村。夏のお祭りへ行こうって約束をしたね。村の真ん中にある神社で待ち合わせ。そこから提灯に導かれて裏山の石段を登った。
2018-03-27 02:26:26はじめは蝉の声だった。それがいつの間にか人々の温かな喧騒に変わって、太陽が沈んだ頃には鈴虫と蛙の合唱になったんだ。下駄の音がカラカラと軽快で、遠くから太鼓の音も聞こえてた。いつもは話が尽きないのに、君の浴衣姿を姿を見たら舌ばかりか心臓まで止まってしまったんだ。
2018-03-27 02:28:48まとめられた髪、覗くうなじ、君の顔を正面から見られない。草履じゃ歩きにくいだろうから手を繋いだ。妹みたいなものだって、家族だって思っていたのに、じんわりと温かい君の手を握った瞬間にドクッと血管が跳ねた。身体中の感覚が君と繋がった手の平にすべて集まったみたいだったよ。
2018-03-27 02:31:30君ははにかんで、「行こうか」って言ったんだ。僕はそれで我に返って「そうだね」って歩き始めた。 世界のすべてが輝いて見えた。蝋燭の炎があちらこちらに浮いていて、炎は音を発していた。それは鈴みたいな澄んだ音で、僕らが一歩踏み出すたびにどこか遠くで鳴っていた。
2018-03-27 02:35:49嗅ぎなれたはずの君の匂いは何よりも魅力的で、僕は鼻で呼吸する度にくらくらしたんだ。君の頭は僕に肩くらいの場所にあって、君の体温は僕の肌をヒリヒリと焼く。言葉はないけれどお互い伝わっていた。僕らはこの先もずっと一緒にいたいと思っている。こうして肩を並べて歩いて行きたい。
2018-03-27 02:38:33けれど、僕は雪が融ける前に電車に乗って故郷を去る。君は進学はしない。それは変えようのない現実で、まだ十五歳の僕たちにとっては、底の見えない谷のように越えられない断絶だ。 「わたあめって好き」 君はよく笑う。向日葵に似た笑顔。僕は君の太陽になりたかった。
2018-03-27 02:41:26入道雲が嵐を運んでくるように、君がわたあめを食べた後には暴飲暴食の嵐が来た。ヤキソバ、チョコバナナ、リンゴ飴、鶏のから揚げ、かき氷。毎年変わらないラインナップだけれど、今年は特別だった。君は浴衣で、僕は十五歳。写真にも、絵にも、映像にも、決して残せない淡い輝きの中に僕たちはいた。
2018-03-27 02:44:38お祭りの最後は黒い空のカンバスにぶちまけられる夏の大輪。僕たちは誰にも知られないように秘密の場所へ移動した。裏山の山頂にある神社、その鳥居から少し入った茂みの先にある巨大な一枚の石。舟石と言われているそれは、かつて夫婦の神が空から降りてきた際に乗っていたものだという。
2018-03-27 02:47:29僕が先に上って君の手を引いた。勢い余って君は僕の上に重なる。背中には石の固さ、正面には君の柔らかさ。そのまま抱きしめてしまいたい衝動に駆られる。君の重さは僕にとって最も馴染みのある数字。難しい数学も、退屈な国語も、実験ばかりの理科も、楽しかった社会も、二人だけの体育も、
2018-03-27 02:50:34僕たちだけの思い出が急速に思い出されるんだ。君の背中に手を回す寸前に、花火が世界を白く染める。空気が震えて、僕たちが目を向ければ、七色の火の粉が菊の花の形を作った。指を絡めて、隣に座って、僕たちは花火を鑑賞した。君が僕の肩に頭を預ける。僕はそれに答えるように少しだけ頭を傾ける。
2018-03-27 02:53:45夏の頂点はその瞬間。君の顔を見れば、君も僕の顔を見た。唇が重なるのは当然で、涙が零れるのも必然だった。君との夏が終わっていく。そう、僕たちは分かたれる運命にあるのだ。季節が終わってしまったら、僕たちの関係性も終わってしまう。だから、夏の夜のように濃厚に、僕たちは確かめた。
2018-03-27 02:57:55膨大な未来が過去を押し潰してしまう前に、僕は君を知った。君は僕を支配して、夏の夜に刻み付けた。川はいくつもの支流に分かれても、最後には大きな海となる。星の光は無数にあるけれど、どれも地球に届いているのだ。 僕たちは今年、結婚する。 あの夏から、もう九年が経とうとしていた。
2018-03-27 03:02:26職場恋愛であの人と結婚して15年、娘も中学生になって、息子も元気に小学校へ通っている。買い物の帰り道、ふと高校時代に好きだった同級生の彼と出会う。踏切が開くまでの3分間、彼と話しながら、ifの人生に想いを馳せる。夢を追う彼と添い遂げていたら? 電車は去る。 「でも私は、誰かを愛してる」
2018-10-03 00:31:41夏は命の季節です。しかしご存じの通り、強烈な光にはそれだけ濃い闇が伴うもの。夏は命の季節です。それはミンミンと鳴いていて、延々と降って来て、どんどんと進んでいって、急にシンといなくなる。「たくさんあるから、一つなくなっても気付かれないよね」と彼女は笑った。今でも忘れられません。
2018-10-03 00:39:27人が一番首を括るのは春先だということです。雪が融け、花が咲き、小鳥が歌い、新しい季節が始まっています。人々のあの、明日を見る輝かしい表情を見ましたか。いつまでも足元を向いて、寒い部屋で服を重ねて素肌を守る。そんな弱さしかない私では、新しく始まることなど到底出来そうにありません。
2018-10-03 00:43:29