日比嘉高＋津田大介『「ポスト真実」の時代』読書メモ集

荒木優太 @arishima_takeo

「政治に嘘は付きものだといい、今を過去と同じだと見なし、ポスト真実など、目新しくないということに、意味はあるだろうか」（日比嘉高『「ポスト真実」の時代』）。より根本的なトリガーが元凶ならば意味あるんじゃないの？

荒木優太 @arishima_takeo

「私は、ポスト真実の政治や世界に対抗していく際に鍵となるのは、いわゆる「普通の人びと」へのアプローチだと考えている。強固な信条によって凝り固まっているわけではない彼らこそが、公共の政治空白のマジョリティなのだ」（日比嘉高『「ポスト真実」の時代』）。ウーム。

荒木優太 @arishima_takeo

あ、空白じゃなくて空間ね、失礼。で、日比的には、「普通の人びと」の圧倒的支持が自民党であるこの世界についてはどう思っているのだろう。それとも彼らは「普通の人びと」じゃないんだろうか。

荒木優太 @arishima_takeo

にしても、この本、一向に津田大介が出てこないな…（笑）。

荒木優太 @arishima_takeo

「やってくる怪物を止めるものがいなくなるのではない。そのときには私たち自身が、その怪物の一部になっているのである」（日比嘉高『「ポスト真実」の時代』）。おおっ、こういう気の利いた文章の終わらせ方覚えたのか。やるじゃん、カッコいいじゃん。

荒木優太 @arishima_takeo

「元々4chanでは「児童ポルノ（Child Pornography）」の隠語として「チーズ・ピザ（Cheese Pizza）」という単語が使われている」（津田大介『「ポスト真実」の時代』）。え、どゆこと？

荒木優太 @arishima_takeo

どっちもCPだからってことか？　でも、そんな組合せ山ほどある気がするのになんでこれが（…でも隠語ってそもそもそんなもんか）。

荒木優太 @arishima_takeo

「ネット時代の物語は、いわゆるマスターナラティブ（大きな物語）ではなくて、つまみ食いのナラティブなのだと思います。過去の歴史を遡って、自分に好ましい部分、心地よい部分だけをつまみ食いして自分のアイデンティティを作り直す」（日比嘉高『ポスト真実の時代』）。そーゆー言い方あるんだ。

荒木優太 @arishima_takeo

日比嘉高＋津田大介『「ポスト真実」の時代』読了。読む前は、もしかして手抜き本かな、とちょっと不安だったが、いい意味で裏切られた。時局本としては結構しっかりして読み応えがある（具体的には参考文献とか数とかささやかながら歴史的パースペクティブとか）。

荒木優太 @arishima_takeo

少し気になったこと。日比は、PT状態の連中を説得するさい、事実の列挙だけでなく「ストーリー」がもつ効用を述べているのだが（話を聴いてくれない宗教者には聖書の一節を引用するといいよ的な）、普通に考えて「ストーリー」こそ真実を歪ませる虚構の力がみなぎってるわけじゃん？

荒木優太 @arishima_takeo

実際、聖書というストーリーの力で、進化論を認めない連中とかアメリカにはわらわらいるわけで。いや、日比に批判的というよりも、その状態のなかで、どうやったら「事実の補佐役としてのストーリー」という善用法が見つかるのか、その条件が知りたいんだよね。

荒木優太 @arishima_takeo

小難しくいえば、PT状態が支配しているストーリーを一概に否定するのではなく同じストーリーを用いて脱構築するみたいなことなんだろうけど。日比は文学研究者なので、今後、そういう話を少し期待したくもある。

荒木優太 @arishima_takeo

私なぞはむしろ、虚構のなかで生きることが良くないのだ（本当じゃなきゃ本当じゃない）という強い抑圧こそPTを作り出しているのでは、と言ってみたくなるんだよね。虚構との健全な付き合い方を知らないから、真実の過使用が生じ、無理筋も真理化せねばという切迫につながるのではないか、という。

荒木優太 @arishima_takeo

人生は過酷なのだから虚構がなければ生きていけない。なのに、嘘で生きるなと強く否定されてしまうと、だったら真理になってやんよ、という虚構の変なスイッチが入ってしまうのかもしれない。だから、求めるべきは、事実ではなく、虚構とのよき付き合い方なのでは…ということを最近考えている。

荒木優太 @arishima_takeo

というわけで、今月の読書会は日比×津田のPT本だよ。en-soph.org/archives/50989…