- whappitele
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「ドリーム」はマストで観に行くし、すごく楽しみにしている作品だけど、マイノリティの ”エンパワメント映画” として評価されている作品に、強く賢い優れた人の話が多いのは少し気になっている。以下、このことについて連続ツイートします。
2017-10-03 21:16:01hidden figuresでも、白人男性以上の成果を出して初めて黒人女性がそこで働くことを認められる。「能力があるんだから当然」なのは分かるけど、では大学に行かず、スキルがない人は差別されていいの?
2017-10-05 01:02:13※"hidden figures"は「ドリーム」の原題です
昨年の「ゴーストバスターズ」も、実力を認められない女性研究者たちが連帯して活躍する話。けれど、唯一研究者ではない黒人パティは、他のバスターズ達ほど注意深く描かれていなかったと思う。研究者チームが大学を追われる騒動は描かれても、パティが職を失う過程は一切描写されなかったように。
2017-10-03 21:16:50米国でフェミニズム映画として評価を受けている「ワンダー・ウーマン」は、並外れた知識と戦闘能力をもつプリンセスが主人公。原作のあるスーパーヒーローものだからその超人設定は仕方ないとしても、私はとても気になるシーンがあった。ダイアナがスティーブの秘書エッタと出会うシーンだ。
2017-10-03 21:17:38「secretary」という単語の説明を受けたダイアナは「それ、私の国では奴隷って呼ぶわ」と言い放つ。アマゾネス社会には秘書にあたる職業や、あるいは貨幣経済そのものが無いのかも知れないから、誤解してしまうのは別にいい。でもダイアナは、その「奴隷」を開放せよとは全く言わないのだ。
2017-10-03 21:18:32目の前に「奴隷」がいても、その相手に同情するわけでも、上司であるスティーブに抗議するわけでもなく、むしろ「何故そんな立場に甘んじてるの?」とでも言いたげな態度をダイアナは見せる。これがフェミニズムヒーローとして評価されるなら、それは誰による、誰のためのフェミニズムなのだろうか。
2017-10-03 21:18:59強く賢い女性像の提示は、とかく無知で無力だとされがちな女性への偏見を覆す機能を持っている。でも、当たり前だけど、女であるだけで強く賢い人さえ認められない社会で、特に強くも賢くもない女はもっともっと過酷な状況に置かれているのだ。そうしたことが忘れられていないだろうか。
2017-10-03 21:19:42「活躍してる女性もいるんだから社会に女性差別はない」「障害者でも社長になる人はいるんだからお前の不遇は努力不足だ」といったように、優秀なマイノリティの存在は差別の隠蔽や更なる弱者の排除に利用されてきた。強く賢いマイノリティ像の提示は、こうした排除を強化する危険性と隣り合わせだ。
2017-10-03 21:20:07移民の権利について「移民を認めなければジョブズも生まれなかった」のような語り方をしてしまう社会において、人権と個々人の優秀さは無関係であることを何度でも強調しなくてはならない。無学な弱虫だって、飲んだくれの怠け者だって、等しく持っているのが人権なのだから。
2017-10-03 21:23:43こうした危険性は作品そのものより受け取る社会が生み出す問題で、だから「~として評価されている作品」という言い方をした。でも、私はやっぱり、知識も才能もない人々が立ち上がる話こそを、もっともっと沢山見たいなあと思う。
2017-10-03 21:24:53@c_ssk これは現実でもありがちかもしれません。女性の役割に閉じ込められて身動きが取れない人に対して励ましのつもりで「ちゃんと抗議すべきだ」などと言っても言われた方にとっては何の解決にもならない。一番フェミニズムが必要な人がフェミニズムから遠ざかることになってしまいかねないと思います。
2017-10-03 22:39:12ドリームもワンダーウーマンもリブート版ゴーストバスターズも大大大好きな作品ですが、このツイート以下の連ツイはとても重要な指摘だと思う>RT
2017-10-09 20:17:24