『アテネのタイモン』徹底勉強会第1回・第2回まとめ

彩の国シェイクスピア講座『アテネのタイモン』徹底勉強会の最初の2回に関するツイートを集めたものです。 (作成者は第3回登壇者です)
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Yukiko.W @kywatana

②今回苦労したこと「まずオープニング『who's there?(そこにいるのは誰だ)』という不穏な問いかけ(ハムレット)だったり『Now is the winter of our discontent(さあ、俺たちの不満の冬は終わった』のような印象的な独白(リチャード三世)でもないタイモンを取り巻く表面的なソサエティの象徴」

2017-11-11 19:59:21
Yukiko.W @kywatana

③稽古6日目、演出家席に蜷川さんの遺影を置いて指揮を執る鋼太郎さん。河合先生「鋼太郎さんが良い稽古場の雰囲気を作っててびっくりした。今日僕らが稽古場から出る時にはキレてましたけどねw」「マイナー中のマイナーと言われる作品を鋼太郎さん自身が面白がっているからこそ稽古場が面白くなる」

2017-11-11 20:00:01
Yukiko.W @kywatana

④いわゆる4大悲劇をお決まりのパターンとすればタイモンはそこから外れてる。主人公は欠点だらけだが逆に現代的、群像劇的な側面もある。そして忠実な執事フレヴィアスのような信じるべき人を信じず、聴くべき人の言葉を聴かなかったことが悲劇を生んだ。タイモンの呪詛の台詞はリア王と重なる。

2017-11-11 20:00:48
Yukiko.W @kywatana

⑤シェイクスピアのプロットはほぼ元ネタがあるためエリザベス朝時代の上演時には必要以上の説明がなくても観客が理解できたと思われるが、翻訳家泣かせ。他の文学作品と違い原文のテキストも編者によって違うためあちこち見比べる作業をする。完成した訳への接し方も蜷川さんと鋼太郎さんで異なる。

2017-11-11 20:01:24
Yukiko.W @kywatana

⑥「蜷川さんは訳本をカットせず全て台本の文字に起こしたうえで、稽古の間にカットしたり復活したりした。一方、自身が役者でもある鋼太郎さんは最初からカット」河合先生「道化は出てこないの?」「出てこない」。ちなみに鋼太郎さんは自分のはバサバサ切るけど他人の台詞はあまり切らないと(笑)

2017-11-11 20:02:15
Yukiko.W @kywatana

⑦「鋼太郎さんて舞台ではもちろん稽古場でも暴れるんです。さっきも稽古場で色々ひっくり返ってましたが他の役者さんにも奨励するので稽古場が鋼太郎化している(笑)」「ただ暴れるだけじゃなく演劇的教養がある。ダテに上智大学で英語劇をやったシェイクスピアおたくじゃない。これからは吉田さん」

2017-11-11 20:04:08
Yukiko.W @kywatana

⑧配役が決まってから訳すのと決まる前に訳すのとでは「決まってから訳す方が断然やりやすい」ジュリアス・シーザーの時はブルータスが阿部寛さんとだけ決まっていて鋼太郎さん、竜也くん、横田さんの誰が何役か分からない状態だったとか(!)役が決まると訳しながら俳優さんの声が聞こえてくると。

2017-11-11 20:04:50
Yukiko.W @kywatana

⑨アテネのタイモンは極めて表面的なやり取りとドラマティックで非日常的なやり取りが混在する。フレヴィアスを演じる横田さんの純粋に主人を想う台詞には鋼太郎さんが「泣きそうになっちゃったよ!」と言っていたそう。そんな横田さんの「シェイクスピア・ハイ」って言葉が松岡さんは大好きだと。

2017-11-11 20:05:27
Yukiko.W @kywatana

⑩シェイクスピアの書く戯曲の主人公の変遷については、主演俳優だったリチャード・バーベッジの年齢的・容姿的問題もあったと思われる。河合先生は来年7月にこまばアゴラでシェイクスピアとリチャード・バーベッジの関係を描いた新作舞台を上演するそう。ひとこと「泣ける芝居にする」とか。楽しみ!

2017-11-11 20:06:17
нᵉᵐⁱ ᵕ̈♡ @Giulietta5683

彩の国シェイクスピア講座 『アテネのタイモン』徹底勉強会 第2回 『アテネのタイモン』翻訳秘話 講師 松岡和子先生(以後 松先生) 司会 河合祥一郎先生(以後 河先生) 冒頭 河先生よりまず松先生の翻訳本を最初に貰っているのに貰っていないと言ってしまったお詫びとして受付に本を用意しました 続

2017-11-12 04:33:54
нᵉᵐⁱ ᵕ̈♡ @Giulietta5683

第2回 2 河先生 もしまだお持ちでない方がいらしたらお求めください 松先生 お気持ちを感謝で返したい(いかにもシェイクスピア的な受け答えと思い私感動!) 河合先生が早速読んで間違いを見つけてくださった ちくま文庫のアテネのタイモン P98勇気について論じるところ

2017-11-12 04:34:30
нᵉᵐⁱ ᵕ̈♡ @Giulietta5683

第2回 3 松先生が翻訳された第3シリーズでは“,”で区切ってあるところが F(1623年ファーストフォリオ)では“?”で区切ってある そうすると翻訳が変わってくる 人間は威嚇を受けると〜 の部分 ここはふたつ翻訳を用意し直してアルシバイアディーズ役 柿澤さんに選んでいただくことにされたそうです

2017-11-12 04:35:16
нᵉᵐⁱ ᵕ̈♡ @Giulietta5683

第2回 4 シェイクスピアを翻訳していて思うこと 松先生 一作一作違う 一作訳し終えたら新たな一作を訳すのが楽になるのかと思っていても必ず新しい障害にぶつかる タイモンはオープニングからどの作品ともちがう ぬるぬるとしていて 非常に表面的で誰の言うことも心がこもっていない 続

2017-11-12 04:35:49
нᵉᵐⁱ ᵕ̈♡ @Giulietta5683

第2回 5 松先生 表面的で儀礼的 いちいちノッキングを起こしている感じ 今日11/11で稽古6日目 松先生は毎日、河先生は今日はじめて稽古場を見られたそうで 演出家のテーブルには蜷川さんの遺影が置かれている 松先生 どうぞ期待していてください 期待を裏切らないです 鋼太郎さんがいい稽古場の 続

2017-11-12 04:36:07
нᵉᵐⁱ ᵕ̈♡ @Giulietta5683

第2回 6 松先生 雰囲気を作ってくださっている (この勉強会の前も直前まで稽古場にいらしていたお二方) 出てくるときはきれていたけど(一同笑) 河先生 (タイモンは悲劇に分類されるが)一幕の稽古中でまだ笑いがある トロクレに近い感じ 松先生 稽古場全体がなんて面白い作品なんだろうという空気 続

2017-11-12 04:36:17
нᵉᵐⁱ ᵕ̈♡ @Giulietta5683

第2回 7 松先生 四大悲劇のようなお決まりとはタイモンはずれている(途中書きとれなかった 涙)逆に現代的とすら言える 20世紀の新しい現代劇のような感じ タイモンはフレヴィアス(横田さん)を信じればよかったのに信じなかったのだろう (裏切られた)タイモンの呪いの言葉は完全にリアとすべて重なる

2017-11-12 04:38:52
нᵉᵐⁱ ᵕ̈♡ @Giulietta5683

第2回 8 松先生 パクリが当時(シェイクスピアが活躍されていた頃)の常識 タイモンを主人公とした喜劇があった タイモンを喜劇から悲劇にしたのはシェイクスピア 河先生 当時は著作権という概念がなかった すでにあったネタを面白くしてくれたのがシェイクスピア 松先生 シェイクスピアはお客さんが 続

2017-11-12 04:39:02
нᵉᵐⁱ ᵕ̈♡ @Giulietta5683

第2回 9 松先生 (作品の)予備知識があるので端折ることができた 河先生 時代背景とか訳せないところがいっぱいあって 翻訳するひとはたいへん 松先生 色んなサイズの版(の英書)を見比べるたいへんさ 本、モニター、辞書を交互に眺めるので乱視と老眼が進んでしまう(笑)

2017-11-12 04:39:11
нᵉᵐⁱ ᵕ̈♡ @Giulietta5683

第2回 10 河先生 訳すことはひとつひとつ吟味していくことでとてもたいへん SSSが松岡さんの翻訳で本当によかった 私は求められていない(若干いじけたご様子がとても可愛らしい) 松先生 翻訳をするときは当時のことを蓄えていかなければならない (いろんな本を読んで調べられるので)みなさんに 続

2017-11-12 04:39:21
нᵉᵐⁱ ᵕ̈♡ @Giulietta5683

第2回 11 松先生 知ってもらいたいと思うと長くなってしまう 河先生 タイモンはどうでしたか 松先生 (タイモンの)墓碑銘のところがたいへんだった 2つあるのを1つに絞って上演することになる 鋼太郎さんは演出家であり俳優でもあるので台本を作る前にカットが入る それを松先生が読んで 続

2017-11-12 04:39:28
нᵉᵐⁱ ᵕ̈♡ @Giulietta5683

第2回 12 台本にする方法 蜷川さんはカットするところを四角で囲う 蜷川さんは演出家プロパーなので稽古ですこし動いた(カットしてあるところが復活することもある)のでカットしてあるところも入っている上演台本を使っていた 松先生 カットするのは自分のところが多く人のはほとんどしない(笑)

2017-11-12 04:39:36
нᵉᵐⁱ ᵕ̈♡ @Giulietta5683

第2回 13 松先生 鋼太郎さんは舞台でも稽古場でも相当暴れる 暴れることを奨励しているから出演者も鋼太郎化している 蜷川さんを継承しつつ鋼太郎さんスパイスが加わっている 松先生 昨日は鋼太郎さんと横田さんのところを読んでいたら横田さんのセリフに鋼太郎さんが泣きそうになったよと言っていた

2017-11-12 04:39:43
нᵉᵐⁱ ᵕ̈♡ @Giulietta5683

第2回 14 河先生 アペマンタスが毒舌を吐いてもタイモンは分かっている 実際の竜也さんと鋼太郎さんの関係性と似ている 松先生 やり取りが対立しているのに対句のように息が合っていると結ばれちゃう法則がふたりは男性同士だけどあてはまる 河先生 翻訳本 P138のふたりとか

2017-11-12 04:39:49
нᵉᵐⁱ ᵕ̈♡ @Giulietta5683

第2回 15 松先生 アペマンタスが一貫しているのは兎に角タイモンが気になる 蹴られても蹴られてもついていく犬のよう アペマンタスはいなくなるのに森にタイモンを探しに行っちゃう『シェイクスピアに一貫性を求めてはいけない(リプライズ)』そのぶん演出家はどうするのか作ることができる

2017-11-12 04:39:56
нᵉᵐⁱ ᵕ̈♡ @Giulietta5683

うーん終わらない 二回に分けよう 前回足りなかった反省を活かし 多めに持って行った結果 殴り書きでA4両面5枚分 カットが惜しくなってしまいました わたしの備忘録なので お裾分けになれば幸いですが ならなかったらごめんなさい 明日の夜も連投しますので 引き続き対策をお願いします🙇🏻‍♀️

2017-11-12 04:40:16