2017年11月25日

大屋雄裕先生による質問時間の件についての解説

【個人用】大屋雄裕先生を中心とした、与野党間質問量の比率に関する先例についてやりとりとこぼれ話(承前) https://togetter.com/li/1175022 の前提となった投稿。
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Takehiro OHYA @takehiroohya

①搭乗前で多少時間があるので質問時間の件について。まずそれぞれの議員が個別に国民の代表であるというのは憲法43条1項に「全国民を代表する選挙された議員」と明記された、憲法上の原則。これを踏まえてない主張はまあ、自称憲法学者とかのものだよね。

2017-10-31 11:10:49
Takehiro OHYA @takehiroohya

②この原則からは、議員一人あたり時間を等しくという基準がまず正当性を持つことになる。 これに対抗して持ち出されるのが議院内閣制で、内閣と与党は一体だから政府提案に対して与党に質問すべきことはあまりないはずという主張。だがここには二つほどの飛躍がある。

2017-10-31 11:12:46
Takehiro OHYA @takehiroohya

③第一に、議院内閣制は憲法が予定している内容だが保障された制度ではないということ。憲法が規定するのはあくまで、総理は議員であり・国会の議決で指名されること(67条1項)。ここからはたとえば、国民投票で総理候補者を選び・議会がその結果を尊重するという事実上の公選制が排除されない。

2017-10-31 11:16:29
Takehiro OHYA @takehiroohya

④仮にそうなれば、大きな対立軸は(アメリカや二元代表性を取る地方自治体のように)総理と議会全体のあいだに形成されることになる。すると、与野党対立という構図は憲法上の原理でなく事実上の慣習に留まるということになるはず(無価値だとは言わないが、憲法上の原理とどちらが強いのか)。

2017-10-31 11:19:41
Takehiro OHYA @takehiroohya

⑤第二に、議院内閣制を取るとしても内閣・政府と与党、さらに国会内の与党会派は異なる存在だということ。ふたたび憲法は選挙制度についてほぼ沈黙している点に注意。たとえば完全比例代表制を採用すれば小党分立になり、政府は連立によってはじめて形成される可能性が高い。

2017-10-31 11:21:42
Takehiro OHYA @takehiroohya

⑥この場合、連立協定に従う政府の行動と、それを構成する各政党の希望にはズレが出てくる。各議員に政党本部の指示に従うインセンティブがあるかによっては、議会内での実際の行動がさらにズレる。にもかかわらず「政府を支える与党なんだから」というのは単なる暴論。

2017-10-31 11:23:30
Takehiro OHYA @takehiroohya

⑦実は現在でもこの点は問題になる。「質問したければ総務会でしろ」とか言っている人もいたが、連立与党である公明党の議員は、当然ながら自民党の党内手続きには参加できない(与党間協議という形で議会より前に関与してはいるはず)。政府と政党のズレは現実に存在しているわけ。

2017-10-31 11:26:38
Takehiro OHYA @takehiroohya

⑧もちろん他方でこれらは建前論であって、現実には議院内閣制であり自民党の党内手続きがあり連立与党にも事前の影響力があるのは周知の通り。ただそれらは第一に事実としてそうだというだけで理屈ではあまりなく、第二に現在の国会制度に対応して自民党などが発達させてきた制度でもある。

2017-10-31 11:28:35
Takehiro OHYA @takehiroohya

⑨制度のあり方に対応して自前で対処したら「お前ら余裕があるんだから我慢しろ」と言えるのかという問題。総務会などがクローズドだという点について「じゃあ公開すればそれでいいじゃん」的な主張もあったが、じゃあ野党も自力で努力すればいいと返されて終わるだけの自爆。

2017-10-31 11:30:37
Takehiro OHYA @takehiroohya

⑩建前論で詰めると憲法上の原理が勝ちそうであるところ、まあ事実は事実なので妥協しましょう譲りましょうということでこれまでの慣習が成立してきた。この構造の上にあぐらをかけば原理を持ち出してひっくり返されるのもある意味では当然で、事実やその重要性という丁寧な議論で反論するしかない。

2017-10-31 11:32:53
Takehiro OHYA @takehiroohya

⑪こういう問題の構造や、それを踏まえて「事実たる慣習」の由来や重要性を踏まえて議論するあたりが法的思考で、とにかく慣習は慣習だと開き直るなら単なる旧套墨守に過ぎない。そういう思考法に原理や伝統の読み直し・再解釈で立ち向かってきたのが本来のリベラリズムなんだけどね、と。(終)

2017-10-31 11:35:10
Takehiro OHYA @takehiroohya

その通りだからなおのこと議員個人に対する均等割当という主張に正当性が出てきてしまうわけですね。なお仮にそう考えても個々人の合意によって融通することは批判できない(から実際には多くの場合に政党単位で再配分される)ことにも注意。 twitter.com/kaibarakenei/s…

2017-10-31 23:58:53
Takehiro OHYA @takehiroohya

現実には一部の人の支持によって当選する(からそれに対するお礼をする)ことと、当選したのちには全国民の代表と観念される(しそのように振る舞うよう期待される)ことはまったく別ですね。前者を否定するなら選挙自体が行なえなくなるわけですが。 twitter.com/kaibarakenei/s…

2017-11-01 00:01:26
Takehiro OHYA @takehiroohya

それは《事実として成立している議院内閣制》について述べている部分だからですね。書かれていることはきちんと理解するよう心がけるべきだと思います。党議拘束について、その程度によっては違憲性の問題が生じ得るのは事実でしょう(だから当選後の移籍規制が議論になったわけでね)。 twitter.com/kaibarakenei/s…

2017-11-01 00:05:56
Takehiro OHYA @takehiroohya

(前述の通り海外出張中なのと、公式RTが分離して表示されるtwitterクライアントが手元にないので大量の通知に埋もれていることをあらかじめお断りしておきます。)

2017-11-01 00:09:17
Takehiro OHYA @takehiroohya

そのことを否定したことはないはずです。ただその場合、現実とはどのようなものでそこからどの程度の偏差が許容されるかの主張責任は、「現実」の存在を主張する側にあるでしょう。それもせずに慣習慣習言ってる人間はダメだ、というだけのことです。 twitter.com/kaibarakenei/s…

2017-11-01 00:11:10
Takehiro OHYA @takehiroohya

「憲法が排除している」「憲法が予定していない」「憲法が沈黙している」はそれぞれ違う、の差異についてきちんと意識するべきでしょう。現状の党議拘束(制裁が党内措置に留まる)については「沈黙している」レベルで、明文保障されている議員の独立性に対抗できるようなものではないでしょうね。 twitter.com/kaibarakenei/s…

2017-11-01 00:15:45
Takehiro OHYA @takehiroohya

繰り返しますが憲法原理の次元と現実の次元は分けて論じていますし、政党・与党・野党について憲法は許容~予定していますから、論じる必要もありません。それも理解できないなら根本的に勉強が足りていないでしょう。 twitter.com/kaibarakenei/s…

2017-11-01 09:26:14
Takehiro OHYA @takehiroohya

でまあ事実上の逃走宣言というやつですが、既述の通り禁止/非推奨/沈黙/許容/予定/規定というグラデーションがあるので論点自体が成立していないということが理解できなかったのか、理解したくなかったかということかなと(「お前はこれを論じていない」論法がそもそも筋悪というのに加えて)。 twitter.com/kaibarakenei/s…

2017-11-01 09:30:30
Takehiro OHYA @takehiroohya

これ自体はその通りで、しかしその反発を反発だけで出していると政治的な数の勝負に持ち込まれてしまい、まあ数が少ないから野党なので負けるわけですよね。だからこそ理屈のところでちゃんとしないとさあという話なのです。 twitter.com/Ted0518/status…

2017-11-01 09:39:15
Takehiro OHYA @takehiroohya

議会内で強引な決定を行なったとして、内閣や政党の支持率に影響は出るでしょうが制度的に反映されるのは次の選挙の機会であり、それまでに他の政策・事件のインパクトが加わったり時間経過で記憶が薄れたりするわけですね。その意味で世論に期待しすぎるわけにもいかないかなと。 twitter.com/bn2islander/st…

2017-11-01 09:48:43

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