【百合ゾン変身ヒロイン路線】百合ゾンオメガ爆誕!編

今回は変身ヒロイン路線です。
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はんちょ〜 @Hantipede

「地下……って言ってたし。もう、このまま天井をブチ抜けばいいですよね!後はどうせリンドウさんが何とかしてくれるでしょうし!」この島へ貴金属を連れてきたのは彼女だったが、その間貴金属の世話を甲斐甲斐しくしてくれたのも彼女だった。こうなればもう、後はどうにでもなれ。彼は覚悟を決めた!

2017-11-27 22:55:08
はんちょ〜 @Hantipede

「このグリップを捻れば、何か出るかな!」百合ゾンオメガはグリップを捻り、天井に向けて我流の徒手を構えた!『Trap-BOY STRIKE』合成音声と共に、彼の手がモグラめいた巨大な鉤爪を形成!それと同時に、半ば本能的な「使い方」のビジョンが脳内に流れ込んできた!跳躍準備体勢移行!

2017-11-27 23:00:34
はんちょ〜 @Hantipede

「ウ……オオオオォォーッッッ!!」獣じみた雄叫びを上げ、百合ゾンオメガは天井目掛けて垂直跳躍!!CRAAAAAAAASH!!!!天井が轟音を立てて崩れ、百合ゾンオメガの頭上から瓦礫と土が覆い被さる!「ウオッ!」彼は降り注ぐ土を掻き分け、掻き分け、上へ昇る!掘削速度を上げていく!

2017-11-27 23:05:16
はんちょ〜 @Hantipede

ズボッ!ズボッ!ズボッズボッズボッズボズボズボズボズボズボズボズボズボズボズボズボズボズボズボッ!「ぶはッ!」地表!特殊な防塵マスクに覆われた彼の頭部が外の世界へ飛び出す!「はぁッ!!」百合ゾンオメガは力を振り絞り、全身を引き絞り地上へ飛び出した!「ここは……?」周囲を状況判断!

2017-11-27 23:10:20
はんちょ〜 @Hantipede

場所はどうやら街の中ではなく、森の中。地下研究室の直上は森だったようだ。「まずは、標的を探さないと……」そう言って彼が踏み出そうとした時、「ヒャアァーッ!」悲鳴……いや、雄叫び!?女の子の!?「向こうかッ!」百合ゾンオメガは即座に後方へ振り向き、声のした方へ向かって走り出した!

2017-11-27 23:14:38
はんちょ〜 @Hantipede

辿り着くと……ナ、ナムサン!百合ゾンオメガは我が目を疑った!「ヒャアーッ!」「グワーッ!」黒水着の上に白衣を羽織った少女が鉈を片手に、顔面陥没アヒル頭部の女性と激しく打ち合っている。ピピッ、と音でマスク内部が自動モニタリングし、アヒル頭部の女性をフォーカスした。『再定義対象 Φ』

2017-11-27 23:21:07
はんちょ〜 @Hantipede

「え、あっちもじゃないの!?あのコはあれでいいの!?」百合ゾンオメガは激しく狼狽したが、とにかく放ってはおけない!顔面陥没アヒル頭部女性・Φに向かって、彼は飛び込んだ!「喰らえェーッ!」「グワーッ!?」ショルダータックルが命中!アヒル女性がワイヤーアクションめいて吹っ飛んでいく!

2017-11-27 23:24:49
はんちょ〜 @Hantipede

「えっ……!?」鉈を振りかぶっていた少女が静止し、驚いたように百合ゾンオメガを見やる。「ここは俺に任せて、君は避難を……」「いやだッ!」鉈の少女・くくろは拒否!「何で……」百合ゾンオメガは問おうとして……はたと気付いた。鉈の少女の背後に、右肩を抑えてへたり込む別の少女がいた。

2017-11-27 23:29:58
はんちょ〜 @Hantipede

プラチナのような金髪をアシンメトリー・ヘアスタイルに編み込んだ、煙草を咥えた少女だった。肩口を切り裂かれたのか、抑えるその場所は出血していた。「くくろッ!誰だか分からんが、ここはその兄ちゃんに任せとけ!一緒に逃げんだよッ!」少女が説得しようとするが…「いやだもんッ!だって……!」

2017-11-27 23:34:56
はんちょ〜 @Hantipede

くくろはキッと顔を上げ、顔面陥没アヒル女性が吹っ飛んでいった方向を睨んだ。「あいつ、いがしょうさんを啄みやがったッ!いがしょうさんを……あたしの大事な友達を……だからもう、あいつを絶対に許さない!ズタズタに切り刻んで、あたしの食い扶持だッ!」目尻から涙を流しながら、くくろは叫ぶ!

2017-11-27 23:39:50
はんちょ〜 @Hantipede

くくろは百合ゾンオメガを押し退けて前に出て行こうとする。「だから……オマエ、邪魔だッ!いがしょうさんの分をあいつに、あたし、がッ…!?」だが彼女の剣幕は、途中で遮られた。百合ゾンオメガの目にも止まらぬ速度での指突が、くくろの延髄を打ったのだ。峰打ちだ。意識を失う彼女を、介抱する。

2017-11-27 23:45:48
はんちょ〜 @Hantipede

「すまないが、この子を頼む」百合ゾンオメガは気絶したくくろをいがしょうに預けた。いがしょうは肩の傷が痛むのも堪えて、両手でくくろを受け取る。「あんがと。こいつ、怒りで我を忘れちまってたし。ったく。どうしようもねえが…可愛いトコもあんだよな」彼女はくくろに肩を貸し、避難していった。

2017-11-27 23:53:02
はんちょ〜 @Hantipede

「さて……」百合ゾンオメガは大きく息を吐き、徒手を構え直す。前方から幽鬼じみて歩いてくる、顔面陥没アヒル頭部をもつ女性。その胸は豊満である。「足リナイ、足リナイ……女性ホルモン……ホルモン!グワーッ!」咆哮し、彼に向かって飛びかかる!百合ゾンオメガは最小限の動きで避け、回し蹴り!

2017-11-27 23:57:59
はんちょ〜 @Hantipede

「グワーッ!?」「はぁッ!!」百合ゾンオメガは追撃に、渾身のアッパーカットを繰り出す!ブルズアイ!陥没顔面に見事めり込む!「グワーッ!」跳ね上げられ浮き上がるΦ!「こいつでシメだ!」百合ゾンオメガはドライバーの両のグリップを同時に捻る!『Finalize-Move』合成音声呼応!

2017-11-28 00:02:25
はんちょ〜 @Hantipede

SLAAAAAAAA!!百合ゾンオメガの腕部ブレーサーに、連なる銀のブレードが生え揃う!『Silver-Blade, YURIzoneS-STRIKE!!』音声!彼はそれらでもって、Φへ勇ましく斬りかかった!「はァァァーッッ!!」SLASH!SLASH!SLASH!SLASH!!

2017-11-28 00:08:56
はんちょ〜 @Hantipede

SLASH、SLASH、SLASH、SLASHSLASHSLASHSLASHSLASHSLASLASLASLASLASLASLA!!「グワアアアアアーッッッ!!」光り輝く銀の刃!それらはΦの肉体を透過して、その身に迸る目に見えぬ、余剰した『属性』を直接切り裂き、削ぎ落としていく!

2017-11-28 00:14:37
はんちょ〜 @Hantipede

「ウオォァァアアアアーッッッ!!」SLAAAAAAAAAAAAASH!!「グワ……」最後の一撃!腹部から頭部にかけてを鮮烈に、斬り上げる!KABOOOOOOM!!余剰属性粒子爆発!!力を失い倒れ伏すアヒルヘッド女性。『再定義、完了(コンプリート)』合成音声が響いた。……。………。

2017-11-28 00:19:50
はんちょ〜 @Hantipede

「………はッ」Φは目を覚ました。気付いた時には、見知らぬ女装青年に肩を貸してもらって森の中を歩いていた。「あっ、気が付かれました?」「私は……何を……」「覚えてないか……」貴金属は小声で呟いた。「森の中で倒れてたんですよ?」「そ、そうだったのですか……私ったらなんてはしたない…」

2017-11-28 00:24:26
はんちょ〜 @Hantipede

「そういうこともありますって。ほら、街が見えてきましたよ」そうして、2人はやがて『東風屋』のある大通りに辿り着いた。「貴金属さーん」店の前で手を振っているのは、はんちょ~だ。「いやあお疲れ様でした、おかげさまで助かりましたよォ。貴金属さんのおかげです」「いやぁ、僕はそんな……」

2017-11-28 00:28:19
はんちょ〜 @Hantipede

「……って」貴金属ははっとした。「そんな賛辞には騙されませんからね。面倒事を押し付けてきたのは、はんちょ~さん達じゃないですか」「いやはやァ。でもきちんとやり遂げてくれたではありませんかァ。戦闘データもばっちり残っておりますしィ……これからもよろしくお願い」「二度とゴメンです!」

2017-11-28 00:32:05
はんちょ〜 @Hantipede

だが、今回の暴走ケースであるΦの暴走属性は『女性ホルモン吸収』と『顔面の陥没』。戦闘向きの属性とはいえぬ。この島を救う彼の戦いの日々はまだまだこれから始まったばかりなのだ。頼むぞ、貴金属/百合ゾンオメガ! 【百合ゾン変身ヒロイン路線・百合ゾンオメガ爆誕!編 完】

2017-11-28 00:35:15
はんちょ〜 @Hantipede

◆変身ヒロイン路線の次回は百合ゾンアルファ始動編になりますが、間にちょっとエッチな百合ゾンを挟もうと思います◆

2017-11-28 00:43:08