- Uroak_Miku
- 1474
- 3
- 0
- 0
2)あれが国産だってことは案外知られていないようです。問題作成はUSAの機関ですが言い出しっぺは日本人。タイムライフ社の東南アジア総支配人だった、英語堪能な日本人男性です。この方が私費でアメリカのある英語試験問題開発財団に声をかけてビジネス英語の日本向けテストの開発を企画。
2017-12-02 10:48:393)USAにETS(教育試験サービス)という財団があります。ja.wikipedia.org/wiki/%E6%95%99… ここに持ちかけたんですね日本のビジネスマンのための英語試験がいるんだと。
2017-12-02 10:50:494)ところが日本はもう英検があって、これは文部省(今でいう文部科学省)主催。そしてETSは文部省と仲良し関係だったからTOEIC構想には冷淡でした。
2017-12-02 10:52:505)文部省もTOEIC構想に冷たかった。そこで企画立案した日本人男性は、友人である通産省(経済産業省)官僚に相談して、文部省ではなく通産省経由でETSと交渉。
2017-12-02 10:55:086)1979年(昭和54年)にようやく第一回試験が実施されましたが、受験者は三千人くらいでした。英検はもっともっと大勢だったと思います。 pic.twitter.com/OPgEPE05qH
2017-12-02 10:59:54あ!そういえばTOEICが始まった昭和54年は、センター試験の前身にあたる共通一次試験が始まった年でもあります。あれも四択マークシートでした。
7)この昭和54年というのは、SONYがウォークマンという機械を発売した年です。スマホで音楽を聴きながら街を歩き回るルーツですね。それまでカセットテープレコーダーは録音機としてあったのですが、SONYは再生専用のものを開発。録音機能がないぶん軽量化ができた。そしてこれが当たった。
2017-12-02 11:01:388)英語教材テープを歩きながら聴けるわけです。通勤電車のなかでもね。英語学習にとっても画期でした。TOEICは奇しくもそういう年に始まったのです。
2017-12-02 11:02:2510)英検は一級とか準二級とかの比較的ゆるいランキングですがTOEICはセンター試験的。990点満点で何点とれたかが数字で示される。こういうのにニホンジンは弱いんですよね受験勉強に染まっているから。
2017-12-02 11:18:4411)650点で英会話に支障がないレベル、730点が中高の英語教師に問われるレベル、英語圏で商売するなら900点はいる等、ものさしとしてはわかりやすい。
2017-12-02 11:19:5412)「わきのしたがかゆい」が英語でいえるかどうかは試験では問われない。また英検のように英語ネイティヴとの会話試験もない。四択のペーパーテストだから受験英語の延長に感じられて、それでいてネイティヴ英語への橋渡し的なイメージがあるから人気があるわけです。
2017-12-02 11:21:1813)よくブログやツイッターの略歴欄にTOEIC何点とか満点を何回連続とか載せている方いますが、ああいうイナカ臭いのは止めてほしいですね。日本人用の四択テストの得点自慢なんて、大学生になってからも偏差値で自己紹介するのと同じくらい野暮だから。
2017-12-02 11:23:1114)そういえばTOEFLの得点を載せる方はあまり見かけませんね。あれは日本人用企画ではなく英語圏の大学への進学に必要な英語力を判定するための試験なのでTOEICよりずっといいんですけど。英作文があるし。
2017-12-02 11:25:0316)年功序列ってよくいいますよね。英語で seniority といいますが、これは正しくはリストラの際に若い奴から首にすることをいいます。経験豊富な奴の方が使い出があるから会社としては残しておきたいという思想です。日本の「年功序列」はこれとは違います。
2017-12-02 11:28:4417)入社したてはどいつも独り者だしそう金もいらんだろうから給料もボーナスもそう払わんが、結婚して子どもができて親を養わないといけない年ごろになるとそれなりに給料もボーナスも増やしてやるからなという、日本的な給与システムです。
2017-12-02 11:30:1918)給与は、例えば便所掃除なら週何ドル、受付係なら週何ドルという風に職種に値が付くのですが、このやり方だと便所掃除から受付係に配置換えする際に給与もいちいち変えないといけない。増えるのならともかく減ってしまう場合は社員の反発が大きい。それで日本の温情主義に馴染まなかった。
2017-12-02 11:32:1219)そこで、課長ではないけれど課長にふさわしい能力を持った人間と社内テストで判定された者には課長待遇の給与をするというしくみが作られた。戦後昭和です。高度経済成長期。社内での配置換えで給与のダウンがないぶん社員からの反発がないし、配置換えが柔軟にできるので技術導入もしやすい。
2017-12-02 11:34:0720)私の父も、銀行の営業係だったのがある日突然電気計算機課に回されたのでした。数学得意英語できるということで、偉い人が父を配置換えして、文句もいわず新部署に適応。実に日本企業ですね。
2017-12-02 11:35:4521)職種や肩書で給与を決めるのではなく、その社員の「総合力」で給与を決める…そうごうりょくって何なんだろう。社内テストはよくわからないこの「総合力」を判定するための儀式としてありました。
2017-12-02 11:37:2222)しかしこのしくみも平成になって次第に崩れていった。バブルの崩壊や景気の低迷や、ほかいろいろあって戦後昭和の昇進&給与システムでは回らなくなっていった。
2017-12-02 11:38:2223)そのゆるみにうまくすべりこんだのがTOEICだった、とみます。「これからは英語力だ。英語力のない奴は使えない奴だから昇進させてやらん」といわれるようになった。
2017-12-02 11:39:3324)英語が実際に必要になる局面なんて日本の会社では(その手の部署ならともかく)まずないのにえいごりょくエイゴリョクといわれるようになった。
2017-12-02 11:40:21