- Chrith_with_luv
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1.鍵 今夜は無性に彼女に会いたい。 きっと家で不貞寝してるから。 電話してもLINEしても返事が無い。 部屋へと向かう。 インターホンを鳴らしても出ない。 ポケットから鍵を取り出し、 音が鳴らないようにドアノブを回す。
2017-12-12 02:18:302.鍵 案の定、ソファの上で ワンピースのまま眠ってる。 「あ〜ちゃん」 声をかけても返事しない。 そっと肩を揺すると 『…ちゃん?』 聞き取れないけどね。 「このまま寝てたら風邪ひくで」 『り……?』 「歩ける?」 『う〜ん…』
2017-12-12 02:18:493.鍵 「ほら、ワンピース皺になるから 脱がすで」 『…ん』 寝室へと運び下着姿にして ベッドに降ろす。 『…ちゃん』 寝ぼけて俺に抱き着いてきた。 ヤバい。 リセイ、りせい、理性。
2017-12-12 02:19:024.鍵 俺だって本当はこのまま 抱いてしまいたいけど 半分眠ってる彼女にそんなことして 嫌われたくないし。 寝顔を見ていたら うっかり俺まで寝落ちてしまった。
2017-12-12 02:19:155.鍵 朝陽が射し込んで目覚めた彼女 『章ちゃん、起きて』 「あ、おはよ」 『ごめんね、迷惑かけたみたい。』 「そんな事ないで」 『でも、どうやって入ったの?』 「いつものとこ鍵置いとくねって 電話してきたの、覚えてないん?」 『え?』
2017-12-12 02:19:316.鍵 『まぁ、鍵かけへんで居る方が危な いしな。』 「来てくれてありがとう。」 『ええよ。でも、どうせならもっと 早く呼んでくれたら一緒に呑んだっ たのに。』 「淋しいって泣きそうだから。」 『亮が居らんから?』
2017-12-12 02:19:437.鍵 《やっぱり、急には休まれへん やて。しゃーないやな。》 「次には行かれるんやない?」 《やとええんけどな。》 そう言って亮はひとりでハワイに旅立ったのが3日前。 連絡こそ取ってるんやろうけど、 そりゃ会いたくなるよな。
2017-12-12 02:19:518.鍵 彼女も本当は一緒に行きたかっただろうし。 で、休めんかった自分を責めてんやろな。 「亮かて、一緒に行きたかったと思うで。」 『うん…』 「ま、休みの都合もあるんやからしゃあないな。」 『…』 「大丈夫やって。」
2017-12-12 02:20:029.鍵 「そんなんで嫌われる訳ないやん。」 ちょっとだけ君の顔が明るくなった。 亮に嫌われるとでも思っとったん? あんなに惚れられてるんに。 そこがまた、可愛いんやな。
2017-12-12 02:20:1810.鍵 「代わりにならへんやろうけど、美味いもん食いに行こか?」 『章ちゃん、ありがとう。』 「ほな、支度しや。」 ポケットの鍵を握りしめた。 見えないところに印を残したのは 誰にもわからないよ。 亮が戻る頃には消えてしまうだろうし。 俺の心からは消えないけど。 pic.twitter.com/6O1gq1n8uo
2017-12-12 02:22:17