コミック売り場で起きたこと ~本は「内容」を買うのではない
- barbara_asuka
- 167877
- 333
- 152
- 74
行ってもマンガが読めない新刊書店より、マンガ読み放題のブックオフのほうがよっぽどマンガ文化に貢献してると思う。商売だからという事情は理解するけど、「文化」というやつも「商売」に負けず劣らず冷酷なんですよね。フランダースのネロはお金が払えなかったから、ルーベンスの絵が見られなかった
2017-12-12 18:08:48読ませないとマンガ好きは育たない。新刊書店のマンガシュリンクは、自分で自分の首を絞めた。「マンガ好き」という限りある資源はもうすっかりカラカラになってしまったのですよ。webマンガが流行るのはよーくわかります。読み放題なんですものね。
2017-12-12 18:11:01本という商品は「内容」を買うのではない。「好きな時に好きな場所で好きな形式で読む、という『時間』を買う」ということなのだ。だから「積ん読」があり得るのだ。 これが、「本を買う」という行為の本質ですよ。これがわかってないからおかしなことになってる。
2017-12-12 18:24:43webで試し読みした人が、なぜ、紙の本も買うのか。「内容」はもう知ってるわけだから、買うのは「内容」ではない。その人は「webじゃなくて、『紙の本』で、自宅のこたつで寝転がって読みたい」とか、そういう「時間」を買うんです。
2017-12-13 09:00:53「時間」というか、「ひととき」とでも言い換えた方がいいかな。「好きな時に、好きな場所で、好きな形式でその本を読むという『ひととき』を買う」のが、「本を買う」という購買行動なんですよ。
2017-12-13 09:03:28「内容」を買う、と勘違いしたから、新刊書店のコミック売り場はシュリンクがかかっているんですね。シュリンクが始まった時に、新刊書店のコミック売り場は、「マンガ文化を広める場所」から単なる「お金コミック交換所」になったのです。
2017-12-13 09:09:01私これ、再三言ってますけど、「コミックにシュリンクをかけたら、売り場滞在時間が短くなって、売り場がさびしくなる。さびしいお店で買いたい人など、いない」のです。賑やかなお店ほど売れるのは当然のこと。コミック売り場はシュリンクによって、二重の意味で自分の首を絞めた。
2017-12-13 09:11:17それでもかつてはマンガは売れたんです。でも、それは、シュリンク前にマンガに親しんだ世代、私たちが買い支えていた。そう考えると実につじつまが合います。 小さい頃、たくさんマンガを読んだか否かは重要なことですよ、購買者の育成という観点からは。
2017-12-13 09:13:55もちろん、マンガファンは今でもたくさん「現れて」います。でも、数は昔よりずっと少ない。 それは、「マンガという表現や商品」が、昔ほど目新しくなくなったということも関係しています。
2017-12-13 09:17:14私は昭和47年生まれですが、もう、「マンガである」というだけで嬉しかった。マンガで知識を解説した「ひみつシリーズ」をむさぼるように読みましたし、マンガである、というだけで、図書館にある当時唯一のマンガ「はだしのゲン」も精読しました。ギギギ。
2017-12-13 09:20:13それにひきかえ、平成8年生まれの我が娘は、マンガというだけではありがたがらないもんね。そらそうや、学校の図書室に「火の鳥」やら「コナン」やら「ワンピース」があるんだもん、ありがたがる必要がない。 マンガはもはや「それだけ」では「素晴らしい存在」ではなくなってしまったのです。
2017-12-13 09:22:50同人誌を頒布していても思います。わがサークルはおそらく日本でいちばん、ジャンルが幅広いサークルだと思いますが、その中で、マンガ同人誌は他の同人誌より売れるかというと、必ずしもそうではない。マンガ同人誌よりも売れるものもたくさんあります。
2017-12-13 09:27:50わが娘に「マンガはすぐ読めちゃうから損。小説本のほうがゆっくり読めるから得」と言われた時はショックというか、ものすごい衝撃だったなあ。
2017-12-13 09:29:12もう、マンガという「だけ」では、すごいことにならない。マンガは「単なる表現方法のひとつ」になったのです。
2017-12-13 09:30:47それ自体は別に悲しむべき事態ではないんですが、商売としてみた時に、「マンガは文章や写真に比べて、1ページあたりの制作時間と制作費がケタ違いに高い」というのが問題なのです。
2017-12-13 09:33:04しかも、今では、他の様々な娯楽と戦って、「お客さんのお財布の限られたお金」を勝ち取らなければならない。大変な時代になったものです。
2017-12-13 09:36:12この話に結論はありません。 ただ、ひとつだけ言えることは、「マンガは安すぎる」ということです。
2017-12-13 09:37:17本屋やwebで好きに読める環境を作った後は、単価を高くするべきです。でないとマンガも製作できません。「本を買ったことで得られる『ひととき』」にはそのくらいの価値がある。
2017-12-13 09:40:00今までマンガは安すぎた。たくさん売れること前提で設計されていたんです。ビジネスモデルが。
2017-12-13 09:41:02この話はここでおしまいです。後は、出版社やマンガ家さんたちがそれぞれ考えるべき問題です。私は私で考えます。
2017-12-13 09:42:52マンガ家のみなさん、大変な時代になりましたが、生き残りましょう。 今日も素敵な創作ライフを。 〈了〉
2017-12-13 09:45:21