『本格ミステリー・ワールド』休刊と現代ドイツの本格ミステリ作家
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『本格ミステリー・ワールド』が掲載していた東アジアの最新ミステリー事情
『本格ミステリー・ワールド』、第2号から載っていた「台湾ミステリー事情」(最初の3回はミステリ作家の寵物先生[ミスター・ペッツ]が執筆)、「2014」から4回掲載された「韓国ミステリー事情」、「2010」と「2016」「2017」に掲載された「中国ミステリー事情」も各地からの貴重な情報でした。
2017-11-27 21:28:38それらも読めなくなってしまうわけですが、『本格ミステリー・ワールド』でここ2年間の「中国ミステリー事情」を執筆していたのは、シンジケートでも中国ミステリについての連載をしている阿井幸作さん(@ajing25)なので、中国のミステリ情報がまったく手に入らなくなってしまうわけではない。
2017-11-27 21:32:37読書案内>【毎月更新】中国ミステリの煮込み>第41回:2017年中国ミステリの総括(執筆者:阿井幸作) honyakumystery.jp/5455
2017-12-21 08:00:40『本格ミステリー・ワールド』「韓国ミステリー事情」の執筆者は韓国の出版社・時空社(シゴンサ)の編集者、パク・ユニ氏でした。その現地からのレポートは貴重でしたが、ここ2年間の同記事の翻訳を手掛けていた藤原友代さんが最近「韓国ジャンル小説」の不定期連載をシンジケートで始められている。
2017-11-27 21:38:45新連載:K文学をあなたに~韓国ジャンル小説ノススメ~>第1回 韓国ジャンル小説ワールドへようこそ(執筆者・藤原友代) honyakumystery.jp/4616
2017-11-01 08:00:46そういった意味では、中国と韓国のミステリー事情については今後も翻訳ミステリー大賞シンジケートを見ていれば分かるわけですが、『本格ミステリー・ワールド』の休刊で、一番情報が得にくくなってしまうのが「台湾ミステリー事情」ということになるかな……。
2017-11-27 21:42:11- ↓ その後、『本格ミステリー・ワールド』で「台湾ミステリー事情」の翻訳を担当していた稲村さんが、「台湾ミステリー事情」に相当するような記事を書いてくださいました。
私がずいぶん前から『本格ミステリー・ワールド』が好きだった理由は明確に2つあって、1つ目は「東アジアのミステリ情報が載っているから」、2つ目は「詠坂雄二の近況が年1回読める唯一のムックだから」。そうか、詠坂先生の、ほぼゲームのことしか書いていなかったりする近況ももう読めないのか……。
2017-11-27 21:49:08というわけで、今年は『本格ミステリ・ベスト10』か『このミステリーがすごい!』が詠坂先生に「近況・予定」の執筆を依頼していないかなあと密かに期待していますが、今年は仮になくても、来年以降はぜひお願いいたします。
2017-11-27 21:52:28- 残念ながら、詠坂雄二先生の「近況・予定」は2017年12月刊の『本格ミステリ・ベスト10』にも『このミステリーがすごい!』にも載らず。来年以降に期待しております。
長々と書いてしまいましたが、私が一番書きたかったのは、先に言及した『奇想天外 21世紀版 アンソロジー』の山口雅也先生の記事は仮に『本格ミステリー・ワールド』が存続していたらそちらに載っていそうな記事なので『本格ミステリー・ワールド』ファンは買ってね読んでね!ということです。
2017-11-27 22:14:19フランスではポール・アルテが一人気を吐いていると思っていたら、今度はドイツでもRob Reefというカーの影響を受けたミステリ作家が登場し(2010年デビュー)、さらにはアイルランド人作家のエイドリアン・マッキンティがカーやアルテ、島田荘司の作品について語る。面白い時代になったものだ。
2017-11-27 22:43:28その1年後のツイート
アルテも復活、華文ミステリも活況、『占星術殺人事件』の影響を公言するアイルランド人作家の邦訳もついに始まったし、我孫子先生の『8の殺人』英訳本も好評。今、 ・アルテの近況 ・台湾、中国、韓国の最新ミステリ事情 ・英語圏のHONKAKU事情 を知ることが出来るムック本があれば売れるのでは?
2018-12-01 19:40:01【2018年12月3日追記】
『本格ミステリー・ワールド』がずっと以前から種をまいてきたような事柄が、あるいは扱ってきた事柄が、2018年現在の日本や世界のミステリーシーンで、まさに花開きつつある。
それは華文ミステリの活況であり、アルテの復活であり、また、英訳された日本の新本格作品が好評をもって受けいられれていることもそれに当たるだろう。「アメリカ生まれの「HONKAKU」ミステリー」が売り文句の、ジョン・ヴァードン『数字を一つ思い浮かべろ』(文春文庫、2018年9月)の刊行も、関連する事項の1つに数えても良いかもしれない。仮に『本格ミステリー・ワールド』の刊行が続いていたら、ジョン・ヴァードンへのメールインタビューなどの企画もありえたのではないだろうか。
それを考えると、『本格ミステリー・ワールド』の休刊が2017年の春ごろ?というタイミングで決まってしまったことは本当に残念なことである。仮にもう少し辛抱していただき、2017年も刊行されていたら、先見の明を持ったムック本として、その後も刊行が続いていたのではないだろうか。あるいは来年(2019年)からでもいいので、復活を期待したいものである。