長期停滞モデル、3世代OLG、サイモン・レン=ルイス

ありがとうレンルイス
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望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

レンルイスの記事mainlymacro.blogspot.jp/2014/04/secula…のおかげで、長期停滞モデルの構造・特異性がようやく理解できてすっきり。

2017-12-26 22:10:46
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

レンルイスは、代表的個人モデル、2世代OLG、3世代OLGを並列して紹介して、「なぜ3世代OLGが長期停滞を導けたか」ということをピンポイントに解説してくれている。 代表的個人モデルの場合は、長期的な金利が時間選好率以上になるので、長期的に金利がマイナスに沈降しない。

2017-12-26 22:13:26
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

2世代OLGの場合は、貯蓄手段が資本のみになり、資本分配率を考慮すると、現実的な資本分配率の元では、なかなか長期の自然金利がマイナスにならない。 一方で、3世代OLGは、世代間の貸借で貯蓄するので、資本分配率を排除して貯蓄(裏側では借入)を扱うことができる。

2017-12-26 22:15:22
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

3世代OLGの世代間貸借において、若年層に借入制約を外生的に導入すると、長期的な自然金利沈降を導くことが出来る。こうして、代表的個人モデルでも、2世代OLGでも導けなかった長期停滞が、3世代OLGで導かれるという寸法。すごく独特でエレガントなモデルだと思う。

2017-12-26 22:18:24
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

「代表的個人モデルだと、長期的な金利が時間割引率以下にはならない」というのは、言われてみれば当たり前だけど、(門外漢だからか)完全に失念していた。 だからクルーグマンは当初「自然金利のマイナスへの沈降は、あくまで一時的、短期的事象」と認識していたわけね。

2017-12-27 09:08:05
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

代表的個人モデルだと、長期的には金利が時間割引率(>0)に戻ってくるから、時間軸政策、フォワードガイダンスが効くということになる。(『中央銀行のコミットメントが有効』というのも、この文脈だと思う。) しかし、3世代OLGだと、長期金利が正に回帰する必然性が存在しない。

2017-12-27 09:10:41
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

こうして、クルーグマンはRethinking Japan等で、「長期停滞にはまってしまえば、中央銀行単体のコミットメントには意味がなくて、爆発的財政刺激が不可欠になる」と論じるに至ったわけですね。 そう考えると、『長期停滞のモデル』ってやはりめちゃくちゃ重要コンセプト。

2017-12-27 09:12:59