[2017年版]尾崎将也の脚本に関するつぶやきをまとめてみました

twitterに今年一年間に書いた脚本の書き方・勉強の仕方についてのつぶやきをまとめました。書籍「3年でプロになれる脚本術」もよろしくお願いします。
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尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

他人が自分の作品に対して言う意見は「正しいけど、平凡な意見」である場合が割と多い。作者はそれをそのまま聞くだけでなく、その意図を咀嚼して「より面白くする直し」に変換していかなくてはならない。

2017-01-01 12:50:35
尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

生徒がストーリーを考えると箇条書きにした場合の三行目で失敗することが多い。例えば「①主人公はこんな人」「②彼は妻と仲が悪い」と来た次に「③妻と大喧嘩する」と書いてしまう。これは②の繰り返し。ここで「ある男に妻を交換殺人しようと言われる(極端な例)」など「展開」を考える必要がある。

2017-01-11 12:04:38
尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

@ozakimasaya 「③妻と大喧嘩する」の次に「④ある男に妻を交換殺人しようと言われる」と書いて、直しのときに②と③と短くしてもよいが、大抵は「④悩む主人公」「⑤友人に相談する」などと書いて、ストーリーに乗り損ねる。

2017-01-11 12:08:48
尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

「A やるべきことがわかっている」×「B それを実行する」=「成果」。AとBのレベルを上げれば目標達成の確率は高まる。しかし脚本の勉強ではAが何か説明できる人は少ない。それを明確にしようとしたのが拙著「3年でプロになれる脚本術」。 amazon.co.jp/dp/4309277845/…

2017-02-02 13:12:34
尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

最近、教室の提出作品の数が減ってしまった。僕が「アウトプットの前にインプットが必要」と言い過ぎたせいか。別にインプットと並行してアウトプットしていいんですけど・・・むしろアウトプットの試行錯誤の中で「どうすればうまく行くんだろう」という思いがある方がインプットの精度は高まる。

2017-02-08 11:30:54
尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

物語を作るときのひとつの考え方。「この出来事がここで起こらなかったら?」「別のことが起こったら?」「別のタイミングで起こったら?」など色々な可能性を想像してみる。それによって、この出来事がこの時に起こる必然性を確認したり、別の発想が沸いたりする。ドラマ作りには「水平思考」が大切。

2017-02-11 12:11:12
尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

原稿がほぼ100%まで完成の域に達していたと思ったら、問題が発見されて大直しになることがある。これは100が60に後退したというよりは、目標地点が150に伸びたと考える方がよい。その繰り返しでクオリティが上がって行く。

2017-03-02 12:34:32
尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

イメージ訓練で「ここにリンゴがあるとして、それがこの部屋より大きくなるのをイメージして」と言うと「天井につっかえてそれ以上大きくなりません」と言う人がいたという話を聞いた。脳の不思議さと、人によって脳の働きが違うことを示すエピソード。自分の脳で何が起っているか意識的でありたい。

2017-04-01 12:54:41
尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

「物語には型がある」と言うと「予想通りのことが起こるのが型で、意外なことが起こるのは型ではないものですか」と言う生徒がいたが、そうではない。「意外なことが起こる型」があるし、「型を外すことによる意外性」というのもある。意外性にはこの二種類あるという認識は大切。

2017-03-10 13:36:34
尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

生徒が書く脚本が子供っぽくなる原因のひとつは、人物同士が自分の感情でやたらと相手に干渉すること。物語を作るには人物が関与し合うことが必要だが、自分も相手も一個の人格として認め合うこととのバランスが必要。もちろんある人を意図的に「感情的に相手に干渉するキャラ」として描く場合もある。

2017-04-07 16:09:30
尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

具体的に言うと、親子のドラマを書くと、親離れ、子離れ出来ない人たちばかり出て来てしまう、というようなこと。作者が「そういう人たちのドラマ」と意識して書くなら問題ない。

2017-04-07 18:04:58
尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

人間の言葉には大きく分けて、元から頭の中にあることを述べる場合と、その時の状況や感情の中で生まれてくるものと二種類ある。生徒が書くセリフは、後者の場合でも元から決まっていたことを言ってるだけに見えてしまうことが多い。「……」を入れるだけでも印象は少しは変わってくるだろう。

2017-04-24 14:15:20
尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

脚本に限らず文書で書かれたものは、「①最初に何か書いてみる」と「②それを読み返して、直したり加筆したりする」から出来ている。当然ながら②は①がないと出来ない。ダメでもいいから書いてみることは重要。ちなみに僕の場合は、②は①を印刷して紙で読んだ場合にうまく行くことが多い。

2017-05-05 14:29:28
尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

名作映画を分析していて、「これと同じテクニックが別の作品のあのシーンで使われていた」と気づくことは非常に重要。それによって、そのテクニックの汎用性を認識出来るし、記憶も強まる。「分析しても結果をすぐ忘れてしまうんです」と言う生徒がいたが、こういう発見が足りないのではないか。

2017-05-14 22:46:19
尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

今日も教室で生徒に「脚色をうまくやるにはどうしたらいいんですか」と聞かれて、「そんなことは今は考えずにオリジナルを」と言ったところです。オリジナルを書く力があってこそ「この原作をうまくドラマにするには」ということが見えて来るのだと思います。 twitter.com/kobayuji/statu…

2017-05-17 23:15:44
小林 雄次 @kobayuji

「脚色をやりたいんです」という脚本家志望の方々にお会いしました。初めから脚色のプロを目指すという考えにビックリしたのですが、これだけ原作の映像化ばかりが溢れていると、自分で物語ることに興味がない書き手が現れても不思議はないのかも。オリジナルが書ける脚本家がますます貴重になります。

2017-05-17 22:10:33
尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

昨日は教室で、プロットを初めて書いた生徒への指導。「これはストーリーじゃない」と言うと、皆「えっ」と驚いた顔。ドラマや映画を普通に見て来たのに、自分が書こうとすると手も足も出ないという不思議。何を描きたいのか聞いていると、ドラマではなく一般論を話す。皆、同じところからのスタート。

2017-05-26 12:08:05
尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

脚本の初心者が、ついテーマのことを考えてしまうのは、ストーリーやキャラクターのことを考える術がない分、意識がそこにフォーカスしてしまうから。勉強して行けば、相対的にテーマのウエイトは後退し、「自然とついて来るもの」になるはず。(ドラマのテーマ性を否定するわけではありません)

2017-05-28 12:13:59
尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

脚本の初稿を書くときに「これで行こう」とOKが出たプロットがあるのは安心材料だが、同時にそこに縛られる危険性もはらんでいる。一度は固まったプロットを変更してもよいという柔軟性が必要。プロットと違うことを思いついて、作品がパッと広がるような感じを味わうのは脚本を書く楽しさのひとつ。

2017-06-11 11:40:43
尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

脚本で説明ゼリフが発生するのは、その場にいる全員が知っている情報を観客に知らせるために言わせてしまうというケースが多い。どうやってセリフに自然に情報を入れるか工夫が必要。そのことを知らない人を登場させるのはひとつの解決法。

2017-06-15 12:18:44
尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

脚本や小説の「直し」にも色々あって、大手術をして良くなるとこは当然あるけど、細かい直しであっても、それを積み重ねることで全然印象が変わったり、グッと引き締まった感じがしたりすることがある。「こんな細かい直し」と軽視しないことが大切。

2017-07-09 11:46:10
尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

@22regaf 例えばよくある構成法ですが、AとBが「実はC君はガンでもうすぐ死ぬんだ」と話したシーンの次に、Cのシーンになり、自分の病気を知らないCが未来の夢を話すとか。シーンの並べ方(構成)で悲しさを盛り上げる構成テクニックです。

2017-07-18 18:53:45
尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

生徒の脚本では、Aを表現するときに、ただAだけを提示する。それでは伝わらないか、伝わっても面白くないことが多い。「最初はBだと言い張るが実はそれは嘘で、本当はAだとわかり周囲が驚く」ような流れがあると「ああ、Aなのか」としみじみ伝わったり面白く感じる。それが物語を作るということ。

2017-08-23 22:51:07
尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

アイデアを出すひとつの方法として「空白を用意する」ということがある。例えばストーリーを考えるなら、紙に現時点で思いついている流れを書き、この先はまだわからないという空白を作り、それを眺める。本当なら面白いストーリーが書かれているはずの空白。すると脳はその空白を埋めることを探す。

2017-08-26 12:07:27
尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

脚本を書くにはWHAT(何を書くか)とHOW(どう書くか)の二つが必要。初心者はHOWをまだ知らないので作品が面白くないのは当然。しかし本人は面白くないと言われるとWHATに問題があると思ってしまう場合が多い。自分はまだHOWを知らず、それをこれから勉強するのだという認識が必要。

2017-08-28 11:06:50
尾崎将也/脚本家・映画監督・小説家 @ozakimasaya

「アイデアのつくり方」(ジェームス・W・ヤング)はこの手の本の古典的名著。「アイデアのヒント」(ジャック・フォスター)は「アイデアのつくり方」をベースに、具体的な事例を含めてわかりやすく書かれた本。この二冊でアイデアとは何か、どのように生まれてくるかがほぼ理解出来る。 pic.twitter.com/hOMUVPPpUF

2017-10-17 15:19:11
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