五月九日、喫茶Black boardにて《ふぇいぎみ＆否人＆こくばんタイアップ》

よつげ @Eight_os

２６ 食べてみたら美味いというかなんというか 「…あれ…？」 よく分からんくてもう１個食べる。 「肉溶けた！！」 「…？？」 まだ恐る恐る見てるだけの亜衣はよく分かっていないらしい。 「…ほい、あーん」 箸で取って差し出すと照れながら口を開けてくれた。 #エイトで妄想

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２７ 食べると 「…溶けた」 「やろー？笑」 どうやらええ肉というのは食べもんやなくて飲みもんらしいですね。← そんくらい すー…って でも！肉の味もちゃんとするで！ ものすごく美味しくて、結構量あったけどあっという間に二人でたいらげてしまった。 #エイトで妄想

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２８ そして温泉へ。 貸切露天風呂がよかってんけど、もう予約埋まってたから残念。 「じゃあまたここでな？」 「ん」 よくある、男湯と女湯の分かれるとこで言うやつ。 と、 「しょたさん」 亜衣が呼び止めた。 「ん？」 #エイトで妄想

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２９ 「お風呂、飛び込んじゃダメだよ？」 「な笑 飛び込まんわ！」 亜衣はひひ、と悪戯っぽく笑った。 そうして大浴場へ。 誰もいない。 源泉かけ流しを一番風呂♪ 「おじゃましますー…」 そーっと入る。 お湯に少し触れると 「あつっ…」 え、めっちゃ熱い。 #エイトで妄想

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３０ という訳で気持ちよかったはよかったんやけど、 見事にのぼせました。← 風呂から上がったけれど亜衣はまだ来てへんかった。 まあ俺と違って髪乾かしたりとかあるやろしな。（俺もやったけどそんなに長くないし） 「…お待たせ」 そう考えていると当の亜衣が出てくる。 #エイトで妄想

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３１ 「あ、おん！ こっちお湯めっちゃ熱かった！」 「こっちも」 上気した頬とまだほんのりと濡れた髪がちょっと色っぽかったり。 何か…帰りたなくなるやん。 でも残念ながらその旅館でお土産を買って、 海沿いの道を喋りながら通って駅へ戻る。 そこからはまた電車。 #エイトで妄想

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３２ 電車の中でまた肩ズン状態で寝てしまった亜衣をただ眺める。 え、このまま店まで帰るやろ？ たぶんよこちょと葉瑠ちゃんはそうなってるやろ？ 何かいろいろやりづらいやん、気持ち的に。 拷問やん。← あの旅館そのまま泊まればよかった（しかし金がない）。 #エイトで妄想

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３３ 途中下車したろかな。 そんな気持ちで亜衣の髪をそっと撫でる。 「んん、」 亜衣は気持ちよさそうに唸って俺の方に体を擦り寄せた。 …そういえば、初めて『好き』って言われた時も、亜衣寝てたんやっけ。 懐かしい思い出に口元が綻ぶ。 うん、途中下車はやめとこ。 #エイトで妄想

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３４ そのまま行きで乗った駅まで戻る。 「亜衣」 「んー…」 亜衣を起こして電車を降りる。 うん、もう今日は帰るか…。 と思って歩き出したその時。 …亜衣が、店を出た時のように服の裾を掴んだ。 そのまま動かんから、これは『ついて行きたい』やなくて、 『止めたい』 #エイトで妄想

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３５ 「…亜衣？」 呼びかけると、口に出すのは恥ずかしいことなのか、裾を握る手の力だけがぎゅっと強まった。 …もしかして。 「帰りたないん？」 頬を染め黙って小さく頷く彼女。 「なんで」 「横山さんいる」 あー… #エイトで妄想

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３６ 亜衣のこれはよこちょが嫌いやからって訳ではない（いや、実際好きではないらしいけど） 『横山さんいる』ってのはよこちょと葉瑠ちゃんがええ感じなのを邪魔したないってのと、 …たぶん、よこちょのおる前ではいちゃいちゃしづらいってことかな。 #エイトで妄想

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３７ まあそれは… 俺も出来ることなら、帰したくないですし。← 「駅前やとたぶん高いよな…」 「……」 「…亜衣ん家行ってええ？」 「……！！」 コクコクと頷く亜衣。 母親が仕事忙しいんで、夜は家には誰もいない。 …え？ もちろん、葉瑠ちゃんの為やで？← #エイトで妄想

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３８ 一応、元カノ…ですから笑 「ん…？」 急に振り返る亜衣。 「…どうしたん？」 「…わかんない」 「は？」 「今すれ違った人… 見たことある気がしたけど でも違うかもしれない」 え。 それは… 「元彼？（嫉妬込）」 ブンブンと首を横に振る亜衣を見てひとまず安心。 #エイトで妄想

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３９ 「ならええけど …はよ帰ろ？」 手を差し出して彼女を促し…心の中で呟く。 ごめんな亜衣、今夜は止まらへんかも知れへん♪ 俺たぶんお前が思ってるより …お前しか見えてへんから。 #エイトで妄想 pic.twitter.com/ebmFu2m24o

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４０ 《こくばんタイアップ》 その頃喫茶Black boardでは 二人が取り残されていた。 「行ってもうたな…」 「たぶん…気利かせてくれたんだよね」 そして… 二人は 吹き出した。 「葉瑠ちゃん、話合わせてくれてありがと笑」 「だって、ああしなきゃ進まないもん…！笑」 #エイトで妄想

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４１ 「まさかあいつら、無駄骨やとは思ってへんやろな笑」 どういうことかと申しますと… それは前日の夜１１時頃。 侯隆の部屋で起きた出来事でした。 #エイトで妄想

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４２ 店の仕込みは１０時頃に二人とも終わり、その後は各々の部屋で寝る というのが常なのですが。 この日は少し違っていました。 １１時を少し前にして、部屋で店の帳簿を書いていた侯隆の元に 葉瑠がひょこっとドアから顔を出したのです。 「…え、葉瑠ちゃん？ 寝ないん？」 #エイトで妄想

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４３ 「…うん」 「寝れへんの？」 「……」 「こっち来て話す？ 廊下寒いやろ」 実際廊下はそれほど寒くはないのだが、 葉瑠はそっと部屋に入ってきた。 「ちょっと待ってな、これだけ終わらすから」 予定外のことに恥ずかしさと嬉しさが隠しきれない侯隆。 #エイトで妄想

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４４ 急いで仕事を片付ける。 彼女はその間、床に座って待っていた。 終わって振り返った侯隆は吹き出す。 「何でそこおんねん笑」 そうしてベッドに腰掛け 「ん、ここおいで」 自分の隣をポンポンと叩くと 彼女はすぐに寄ってきて 侯隆の隣に座った。 #エイトで妄想

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４５ 「今日はまたどうしたん笑」 「何か、侯隆くんと話したい気分でした笑」 「話すか…笑」 そう言って考えてみても改めて話すことなどすぐには思いつかない。 「…あれや、明日よな。ヤスとかが祝ってくれんの」 すると葉瑠は途端に歯切れが悪くなった。 「あー、うん笑」 #エイトで妄想

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４６ 「どうしたん？」 「や、べ、別に！」 焦って耳に髪を掛ける葉瑠。 その耳元はちょっと赤くなっている。 「熱あるんやったらはよ寝た方が」 「ないよ！ …え、私顔赤い？」 「だいぶ赤い笑」 「んえぇ…」 困ったように頬を両手で擦る彼女。 （それむしろ逆効果ちゃうか。←） #エイトで妄想

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４７ そんな風に他愛もない話をしている間に もうすぐ時計の針が上向きに揃う頃。 ３… ２… １…… ｶﾁｯ 「…誕生日おめでとう」 日付が変わったその瞬間。 葉瑠が言った。 一瞬理解出来なかった侯隆。 しかし一刹那の後気づく。 「葉瑠ちゃん、」 もしかしてこのため？ #エイトで妄想

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４８ 「んん…何か 一番に言ってあげたくて笑」 そう言って照れたように 葉瑠は侯隆の顔を覗き込んで笑う。 「……ったくもう、アホちゃうか」 してやられた侯隆。 「あーもう…」 そして照れてしまう侯隆。 「横山侯隆さん 生まれてきてくれて、ありがとうございます」 #エイトで妄想

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４９ 葉瑠が侯隆に向き直って、そう言った。 「……はい笑」 「これからも、よろしくお願いします」 「………うん」 二人で照れ笑った後 「じゃあ、前島葉瑠さん」 「え、私誕生日じゃないよ！？」 「ええねん別に！笑」 「はいはい笑」 #エイトで妄想

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５０ 「生まれてきてくれて… そんで、ここで働いてくれて ありがとうございます」 「…はい笑」 「……好きです」 「……え」 「今更やけど…付き合いませんか？」 葉瑠は黙って目を見開き その見開いた目から 涙が… 「って、え、ちょ、何で泣くねん笑」 「嬉しい〜…」 #エイトで妄想