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「フォビドゥンフォレスト5話・エピローグ」をトゥギャりました。 togetter.com/li/1168588
2017-11-06 01:20:19まとめを更新しました。「フォビドゥンフォレスト5話「選ばれし者、選ぶべき者」 まとめ」 togetter.com/li/1108885
2017-11-06 23:26:00まとめを更新しました。「【5話分まで追加】フォビドゥンフォレスト妖怪図鑑・1」 togetter.com/li/1056785
2017-11-30 00:18:50「フォビドゥンフォレスト・5話までのあらすじ」をトゥギャりました。 togetter.com/li/1186476
2018-01-03 23:09:49<<我、戦女神、高羽火鳥姫(タカハネノヒトリヒメ)ここに降臨せり…!妖共よ…平伏せ!>> 上空を舞う『瑠梨』は普段の巫女装束に祭儀用の金の天冠を着けていた。その全身を包む赤い光は背中から猛禽類めいた翼を形成している。左手には扇、右手には特殊な形状の神楽鈴を手にしている。 1
2018-01-03 23:34:03神楽鈴は薄い平胴型の和太鼓から皮を取ったような形と大きさで、金属の輪の内側では鎖が七つの円を形作っている。六つは六角形状に並び七つ目はその中心に配されている。七つの輪の中心には大きい鈴が1つづつ釣られている。外の金属輪にも小さい平鈴が九箇所に三対づつ付けられている。 2
2018-01-03 23:43:15このような凝った造りではあるが、この鈴自体に特別な力はない。これを瑠梨が一鳴らししただけで、宙を飛んできた無数の岩が消滅した。これこそ風科の切り札、鳥姫の巫女。地上に降りた戦女神を人の身の内に降ろした戦姿(いくさすがた)である。 3
2018-01-03 23:50:00――鳥姫神社の宮司の一族、北里家の少女は七つになると、神を降ろす権能を授かる。神の名は戦女神・天高羽火鳥姫。その絶大な戦闘力はまさに風科の切り札。その一つ。そしてこれが敵が見たがっていたであろうものだ。だが、ここまで温存していた理由は敵の目から隠す為だけではない―― 4
2018-01-03 23:55:37瑠梨は南へ飛びながら再び神楽鈴を打ち鳴らす。 雪原を覆っていた靄が晴れた。 更に打ち鳴らす。 確率波的存在である見上げ入道の姿が色濃くなり、一箇所に凝縮した。 5
2018-01-04 00:03:15「よし!今だ!」 これで攻撃が通る。見上げ入道に翻弄されてきた隊員達は、素早く強敵の周りを包囲し、銃器を構える。近接武器を持った者は一斉射撃が止むと同時に飛び出すべく射手の横で控えている。彼らの近接攻撃の後は再度の一斉射。さながら変則的な三段撃ちの構えだ。 6
2018-01-04 00:08:43負傷あるいは疲弊した者たちですら、可能な範囲での援護の体制を取った。皆、想いは同じだった。厄介な敵や戦局自体への鬱憤や、仲間の負傷に対する怒りもある。そしてそれと同程度に、ある憂慮もあった。一秒でも早くこの敵を倒さねば…! 7
2018-01-04 00:14:26「待て!」 小屋から出て指揮を取っていた雷牙が叫ぶ。次の瞬間、上空の瑠梨がそっと手を突き出し、炎の玉を撃ち出す。見上げ入道があっけなく爆発四散した。小さな爆竹のような乾いた音だった。妖怪の破片は一つ残らず炎に包まれ、雪原や隊員達の身体の上に落ちる前に全て燃え尽きた。 8
2018-01-04 00:18:26呆気に取られる隊員たちを眼下に、瑠梨の炎の翼から無数の羽が発射される。羽の一枚の形と大きさは棒手裏剣ほど。それがおよそ二十枚。羽手裏剣はジグザクに宙を舞い四方へと拡散した。 9
2018-01-04 00:21:45羽手裏剣は東のイノシシと西のオオカミたちの残党の頭上まで飛ぶと、そこから真直角に彼らへ降り注いだ。その速度こそさながら砲撃じみていたが、宙を裂く音はロケット花火の如く鋭い高音だった。 10
2018-01-04 00:26:50降り注いだ羽は、小型一匹につき一発、中・大型には二、三発づつ命中した。ただの一発も誤射はなかった。妖怪たちは命中した箇所から、紙の塊で出来ていたかの如くに骨も残さずに燃えていき、灰も残さずに消滅した。 11
2018-01-04 00:33:28