フォビドゥンフォレスト６話「フォビドゥンフレイム」#1 「降臨する奇跡」（歌あり）

フォビドゥンフォレスト＠カクヨム投稿中 @fbd_forest

「神様の野郎…」 桐葉は不満げに天を睨む。今まさに首を落とす筈だった敵を『横取り』されたのだ。隊員たちが把握している難敵は見上げ入道とオトロシだけであり、他は任せてもらって問題なかった。もっとも不満げなのは桐葉ほか数名程度。既に皆疲弊しており、敵が片付いたことに安堵している。 12

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我が裁き我が燃やし我が払い我が砕く

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「雑魚に構ってる場合じゃねぇだろ…！」 桐葉は明確に『瑠梨』に向けて叫ぶ。『瑠梨』は振り向かない。彼女の眼前に木材の質感の六角形が出現する。六角形は中心から外側へと開いていき、外枠だけが残った。瑠梨の身長より五割増しの穴、その向こうには当然の如く夜空が見えた。 13

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だが、それは本来そこにあるべき空ではない。視力の良い者がしかるべき位置から見れば、空の色と星の配置が僅かに異なるのが見えたかもしれない。それも一瞬のことだ。瑠梨が六角形に飛び込むと、その体が通り抜けるかどうかのうちに再び穴が閉じて、外枠ごと消え去った。 14

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森を後回しにしたのは、負傷者が出ている雪原の危機を優先すべきと判断したのだろう。 「涼平くんなら大丈夫さ」 横に来た幸川が言う。 「分かってるよ」 涼平の強さは信じていても不安は拭えない。彼のいる森を後回しにしたことは、必ずしも涼平の無事を意味しないからだ。 15

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フォビドゥンフォレスト６話「フォビドゥンフレイム」 #1 「降臨する奇跡」終わり #2 「墜落する奇跡」に続く

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「フォビドゥンフォレスト６話「フォビドゥンフレイム」#2 「墜落する奇跡」」をトゥギャりました。 togetter.com/li/1186792