「経済学的な家族ツイート」まとめ　その３３

本の虫（本体） @honnomusi

経済学的な新人教師の苦悩1:新人教師「今日からこの学校でお仕事をさせていただくことになりました。よろしくお願いします。」職員室でハキハキとした言葉で挨拶をする新人教師。他の教師たちは拍手で迎える。新人教師(やったぞ、ついに念願の教師デビューだ。ここの生徒たちを立派に育てるぞ！)

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経済学的な新人教師の苦悩2:打ち合わせスペースに移る新人教師と教頭先生。教頭先生「先生にはAクラスの副担任をやってもらいます。主担任はベテランの先生だから、分からないことがあったらいろいろ聞いてください。」新人教師「はい、頑張ります！」ベテラン教師「じゃあ、教室に行こうか」

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経済学的な新人教師の苦悩3:新人教師(憧れだった教師の仕事、俺の胸は期待に膨らんでいた。)胸を張って職員室を出て行く新米教師。新人教師(だから、気づかなかったんだ。このときの職場の人たちの複雑な目線に・・・)新人教師「今日からこのクラスの副担任をすることになりました。よろしく！」

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経済学的な新人教師の苦悩4:生徒たち「よろしくお願いします！」新人教師(素直で元気な子達だな。よーし、燃えてきたぞ。)昼休み、ベテラン教師とお昼を食べる新人教師。ベテラン「そうだ、先生、以前やったことのある部活はあるかい？」新人教師「部活ですか？テニスならやってました。」

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経済学的な新人教師の苦悩5:ベテラン「そうか、うちの学校はね、先生はみんな何がしかの部の顧問・副顧問になるというのが決まってるんだよ。経験があるということなら、テニス部の副顧問になってもらえないかな？」新人教師「ええ、それは別に構いませんが・・・」ベテラン「よし、決まりだな」

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経済学的な新人教師の苦悩6:テニス部顧問「やあ、君が新しく入った先生かい？」新人教師「はい、よろしくお願いします。」テニス部顧問「早速だけど、今週末に他校との交流試合があるんだ。一緒に来れるかい？」新人教師「え？ええ、いいですよ。丁度空いてるので。」

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経済学的な新人教師の苦悩7:新人教師は机の上のカレンダーに試合の予定を書き込む。それからの数週間。テニス部顧問「先生、今週はあそこと交流試合だ」カレンダーに書き込む。「次に対戦する相手の戦術を研究したい。ビデオを入手してほしい。」「選手にビデオを見せたい。動画編集お願いできる？」

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経済学的な新人教師の苦悩8:「放課後に自主練したいって子達がいるんだけど、念のため見ておいてくれるかな。あと、最後の戸締りも。」「いよいよ大会だ。行けるよね？」「そろそろ慣れてきたかな？じゃあ、今週の練習メニュー組んでくれない？」「やばい、選手が怪我をした。保護者に連絡をお願い」

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経済学的な新人教師の苦悩9:「保護者さんが、怪我をするなんてどんな練習をしてるんですか？！と怒ってきてるみたいなんだ。あのとき練習見てたのは君だよね？悪いけど、対応してくれない？」「選手たちが『もっと実戦経験を積みたい』ってさ。交流試合を組みたいから他校の先生と交渉してくれる？」

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経済学的な新人教師の苦悩10:新人教師「ダメだ・・・」机に突っ伏す新人教師。「ここの学校のテニス部ってこんなにハードだったのか。これじゃあ、授業の教材準備すらできない。」職員室にテニス部の選手たちが連れ立ってやってくる。選手「先生、お願いがあります。」新人教師「ん？なんだい？」

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経済学的な新人教師の苦悩11:選手「俺たち3年生は、今度の大会が中学生最後なんです。だから、悔いのないようにもっと練習をしたいんです。土日も体育館を開けてもらえませんか？」キラキラした目で語る選手たち。絶句する新人教師。沈黙の後、肩を落としながら。新人教師「・・・分かったよ」

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経済学的な新人教師の苦悩12:洗面台で顔を洗い、鏡を見る。目は血走り、頬はこけ、散髪に行っていない髪は伸び放題だった。新人教師(3年生にとっては最後の大会・・・。でも、それは来年も再来年もやってくる。それはつまり、この生活がずっと続くということだ。)

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経済学的な新人教師の苦悩13:新人教師(彼らの青春のために、俺は身を削らなくてはいけないんだ・・・。)職員室にベテラン教師がやってくる。ベテラン「先生、ちょっといいかい？」会議室に入る新人教師とベテラン教師。ベテラン「・・・、実は、うちのクラスでマズイことが起きてる。」

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経済学的な新人教師の苦悩14:新人教師「マズイこと？何ですか、それは。」ベテラン「うちのクラスの〇〇なんだが・・・。」新人教師は顔を思い浮かべる。新人教師(確か線の細い男の子だったよな。ピアノをやってて、指を傷つけないように体育はいつも見学してた・・・)

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経済学的な新人教師の苦悩15:ベテラン「今、クラスでいじめを受けてるらしい。」新人教師「え？！」ベテラン「そこでだ、先生には実態を調査してもらいたいと思ってるんだ。私のようなおじさんよりも、年齢の近い先生の方が生徒とは話しやすいだろ？」絶句する新人教師。

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経済学的な新人教師の苦悩16:新人教師「待って下さい。私の方も今はいっぱいいっぱいで・・・。」ベテラン「合間の時間でやってくれればいいよ。部活も日々の授業も大変だろ？来週頭には進捗を聞かせてくれればいいから。」新人教師(来週頭？確か土日は遠征で埋まってるから・・・)

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経済学的な新人教師の苦悩17:ベテラン「それじゃあ、よろしく頼むよ。」ベテラン教師は部屋を出て行った。翌日のお昼、教師は朝買ったコンビニ弁当を持って職員室に入ってゆく。すると、先生たちの噂話が耳に入った。先生1:「あの新人の先生、可哀想よね。あのクラスの副担任だって」

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経済学的な新人教師の苦悩18:先生2「もう何年もいろんな先生が解決しようとしてダメだったんでしょ、あそこのイジメ問題。」先生「特進クラスで成績上位の子たちが集められてるから、クラスメイトはずっと変わらないし。逃れようがないしね。」先生「もうみんな諦めて、見て見ぬふりだもんね。」

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経済学的な新人教師の苦悩19:新人教師は弁当を落とした。新人教師「・・・っ！！！」思わず吐き気を催し、トイレに駆け込んだ。個室に入り、何度か嘔吐する。新人教師(何なんだ、この学校は・・・。)新人教師(見て見ぬふりしてるのはイジメだけじゃない。部活動に伴う過酷な労働環境もだ。)

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経済学的な新人教師の苦悩20:新人教師(ベテラン教師はまだいい。何年も授業をやった経験があるから、テンプレを使い回せば授業は省エネモードでやれるはずだ。でも、俺たち新人は？授業の進め方も研究しなきゃいけないのに、この状況でどうしろと？)新人教師は職員室に戻る。ぐったりと椅子に座る

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経済学的な新人教師の苦悩21:新人教師「ダメだ・・・このままだと壊れる。」新人教師は携帯を取り出した。彼女からのLINEメッセージが入っている。電話をかけてみた。彼女「〇〇くん、珍しいね。電話なんて」新人教師「・・・ごめん、ちょっと声聞きたくなってさ。」彼女「大丈夫？」

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経済学的な新人教師の苦悩22:新人教師「うん、ここ最近いろいろあってさ。ごめん、メッセージも返せなくて。」彼女「ううん、いいんだよ、気にしなくて。ところでさ・・・」新人教師「ん？」彼女「・・・今夜、会えない？」新人教師「うっ・・・ごめん、今夜も無理なんだ」(部活があるしな・・・)

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経済学的な新人教師の苦悩23:彼女「そう・・・。分かった。ごめんね、無理言って。じゃあ、身体に気をつけてね。」電話を切る。新人教師は電話をしまうと、ふとカレンダーを見る。新人教師「あっ・・・」そこには花マルで、今日の日付に彼女の誕生日と書いてあった。頭を抱え、机に突っ伏す。

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経済学的な新人教師の苦悩24:しばらくそうした後、新人教師はガバッと起き上がる。新人教師(・・・やってられるか！)新人教師(俺にだって生活がある。彼らの青春に俺の人生を吸い尽くされてたまるか。青春漫画の登場人物じゃないんだぞ俺は。あんな超人みたいな教師役なんてできるわけがない。)

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経済学的な新人教師の苦悩25:新人教師はその日以降、教師の多数派に加わることに決めた。イジメを見て見ぬ振りをし、無難な報告でお茶を濁すその他大勢の教師の中に。民間企業ならば告発されかねない環境でも、閉鎖的で市場原理が働かない教師という市場では今日も「やりがいの搾取」が行われている