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名も無き者 @DummyLostonline
突然なのですが思い出したので。 俺は昔、浄化槽管理士をしてました。 空港や地下鉄の雑廃槽や浄化槽のメンテナンスをしていたワケですが、その頃の東京・某地下鉄での話です。 地下鉄の雑廃槽などは、基本的には最下層にあります。 また、地下鉄の営業時間内には作業できないので夜勤になります。
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夜中に地上のバキュームカーから長~いホースを手で引っ張って繋げながら、最下層の雑廃槽まで行きます。 また、酸欠防止の送風機やら工具やらいろいろ持っていきます。 …んで、雑廃槽などから汚泥などを吸い上げたり、ポンプのメンテをしたりします。
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まぁバキュームカーでお気付きの方もいるでしょうが『臭い・汚い・カッコ悪い』の3Kな仕事なワケです。(笑) …で、その雑廃槽やらは、汚物・ジメジメ・人は滅多に来ない…の条件を兼ね備えている為、虫が繁殖するんですよね。 いつ行っても虫天国なワケです。 でもきゃつらは逃げ足は超早い。
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とは言え、我々とてプロフェッショナル。 業務用ウルトラスーパー殺虫剤を各種取り揃えてあるワケです。 吊り下げ型から、噴霧型、地面・壁面設置型…なんでもござれ。 『どんな虫でもかかって来いや!』 『人間様の文明力・科学力・叡知の力(誤解)を見せてやるわ!』 ってな感じだったワケです。
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そして闘いが始まりました。 『食らえ!業務用ウルトラスーパー殺虫剤っ!(長)』 『ここを地雷源とするっ!(設置型)』 『汚物は消毒だー!(違)』 『ヒャッハー!逃げる虫は妖怪だ!逃げない虫は訓練された妖怪だー!』 『圧倒的ではないか!我が軍はっ!!』 確かに人間側の圧倒的勝利(?)でした。
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この人間側の快進撃は一年ほど続きました。 ところがある日、とある地下鉄の管理人から電話があったのです。 『この間、浄化槽清掃と害虫駆除を頼んだのだけど、虫がまだ沢山いるんだ!何とかしてくれ!』と。 社内特殊部隊(笑)に不穏な空気が流れました。 とにかく現場に急行です。
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これが現場に到着した我々の顔(イメージ)です。(笑) pic.twitter.com/WcccQhB0ki
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確かに管理人さんの言う通り、全然害虫が減ってないのです。 増えてなかったのは救いでしたが、これではプロフェッショナルの面目丸潰れです。 ただ出動しておきながら何もしないワケにもいかないので、再度戦闘に。 ところが…
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『隊長!業務用ウルトラスーパー殺虫剤(長)が効きませんっ!』 『な、何ぃっ!そんなバカなっ!?』 『動きは遅くなりますが、殺せません!』 『じ、人類の科学がっ!叡知が…負けるだと!?』 『押されています!命令を!』 『たっ退却っ!たいきゃくぅ~!』 …人間側初の(?)敗走でした。
名も無き者 @DummyLostonline
ちなみに当時の俺は新米兵士。 命令より前に逃げ出していました。(笑) 勿論、後で怒られました。 …お前らだって逃げたじゃねぇかよ。(泣)
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このままではプロフェッショナル(笑)のプライドも、会社の評判的にも大問題です。 空港や地下鉄は大口の顧客なので、失敗は許されないのです。 万が一、害虫が地下鉄の人が居るエリアにまで出てきたら、それこそいろんな意味で大変な事になります。 …そこで、作戦会議が開かれました。
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対抗手段として、 『ギャラクティカマグナム殺虫剤(爆)』 の使用許可が下りました。(笑) 当時最強の殺虫剤でしたが、人体にも効く為に(怖)使用許可はまず出ない代物…。 正に人間側のリーサルウェポンにして諸刃の剣です。 まさかコレを使うところを見れるとは…というのは不謹慎?(苦笑)
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満を持して、決戦の時です。 『コレが人類の叡知っ!(誤認)』 『全弾持っていけっ!ギャラクティカマグナム殺虫剤っ!!(爆)』 pic.twitter.com/EwYV0nFrvE
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『ゲホッゲホッ!』 『やった…のか?』 『皆、無事か!?』 『やべぇ、気持ちわりぃ…』 『こりゃマジ死ぬ、一旦地上へ…』 ・ ・ ・ しかし、またもや俺は指示を待たずに退却していました。 あんな毒ガスに付き合ってられっかっつーの。(笑)
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隊員は皆マスクをしていましたが、社長がマキシマムケチだった為に安物しか無く(悲)、毒ガスが一部貫通したようでした。 俺は距離を取っていた(逃げた)せいか大丈夫でしたが…。 まともに動けるのが俺だけになってしまった為、送風機で撹拌後に確認しに行く事に…。
名も無き者 @DummyLostonline
…もはや、そこに命はありませんでした。 まさに『グラウンド・ゼロ』って感じです。 虫たちの死骸がそこらじゅうに落ちていました。 『俺達は勝った(逃げたケド)のか…でも、これはちょっと酷すぎないか?』 俺はただそう思うしかありませんでした。 …その時!
名も無き者 @DummyLostonline
配水管の側を何かが動いたのです! 『ま、まさか…!?(恐)』 ハエでした。 それと小さな羽虫とゴキブリ(?)が。 総数ほんの3・4匹でしたが、今までに薬物耐性を積み重ねてきた虫たちは、人間最強のギャラクティカマグナム殺虫剤にすら耐え抜いたのです!(驚愕)
名も無き者 @DummyLostonline
ただ、とりあえずではあるものの撃滅作戦自体は成功。 あの生き残った虫たちは気になりましたが、報告書を書いて帰路につきました。 『メンツも保てたし、まぁいっか。』 ・ ・ ・ そう考えていた時期が…俺にもありました。(笑)
名も無き者 @DummyLostonline
あの『グラウンド・ゼロ』事件から半年後、また件の管理人から電話が来たのです。 しかもかなり怖がっているのです。 『あの時はお世話になりました…。あ、あの、また虫が…出まして。いやその…ちょっと変なんです…虫が。またお願い出来ませんか?』 要領を得ない内容だったが、行ってみる事に。
名も無き者 @DummyLostonline
行ってみると、また虫が出てきていました。 しかし、数自体は『まぁこのくらいなら呼ぶ人もいるかもなぁ』くらいの数なのです。 『雑廃槽ならこのくらいは出ますよ』 先輩が言うと、 『虫を良~く見て下さい』 と管理人。 『…?』 良~く見てみると…
名も無き者 @DummyLostonline
虫の甲羅(?)が明らかに厚くなっており、そのせいか個体の大きさもちょっと大きくなってるのです。 なのに動きは早く…と言うか、フェイント(?)まで使うのです。(マジで) (コレ…またギャラクティカコースちゃうんけ…) そう思いつつ、 『い、一度本社に戻りませんと…』とお茶を濁す先輩。
名も無き者 @DummyLostonline
あ、案外長くなってしまった…。 リアルに話過ぎたか…。(笑)
名も無き者 @DummyLostonline
…で、戻って社長に報告したら、 『あぁ、じゃあまたアレ使うか(ニコッ)』と『今だけ何とかすれば良い』みたいな事を言い出す始末。(鬱) 流石の先輩たちも嫌がったが、結局は業務命令って感じで使う事になってしまったのです。 ・ ・ ・ しかも2回も。 まるで原爆だぜ。
名も無き者 @DummyLostonline
諸刃の剣とは一度使ってしまうと病み付きになるのか、滅多に使わないはずのギャラクティカ(略)を連発し、撃滅作戦パート2は完了。 流石に今回は高級マスクを買って貰い(ただし2個だけw)、行動不能者は出さずに済みました。 地下鉄管理人もホッとした様子だったのです。
名も無き者 @DummyLostonline
だが…撃滅作戦パート2から1ヶ月くらい経った頃、今度は地下鉄の駅長から電話が来たのです! 何でもまた虫が出たそうで、要するに『お前らには任せておけん!』みたいな内容だった様子で、応対した社長がペコペコしてました。 結局、浄化槽管理はウチがやるけど、害虫駆除は別会社に…で手打ち。
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コメント

智子 @kanbetomoko 2018年1月9日
冬の夜にホラーはやめーや
Ke5g4iKi8B @Ke5g4iKi8B 2018年1月9日
ホウ酸でいけるやろ?
しめじ @shimejinnn 2018年1月9日
こんな身近(?)で生物の進化を目撃できるのか…
Yo-太 @Yota586 2018年1月9日
細菌だと耐性菌はほっとくと野生型に駆逐される(耐性にリソースを割いているから?)らしいから、ほっといたら虫どもも耐性を失っていくんじゃね(他人事)
さどはらめぐる @M__Sadohara 2018年1月9日
抗生物質をたっぷり摂取した病院のゴキブリ、飛ぶお薬をたっぷり摂取した都内某所のゴキブリ、有機溶剤をたっぷり吸った建設現場のゴキブリ、一番強いのはどのゴキブリなんだろう。
うまみもんざ @umamimonza 2018年1月9日
地下鉄で害虫処理なら効果があった前例に倣い、シロアリとカマキリのDNAを組み合わせた「ユダの血統」というゴキの天敵を放つのはどうだろう 不妊処理を施してあるから、繁殖することはないのでとっても安全だよ!
ドキドキへるぺす @dkdkhrps 2018年1月9日
面白かったけど酸耐性で白けてしまった😔💦
モフモフの民 @mofumofu789 2018年1月9日
テラフォーの世界ですやん・・・。
Rogue Monk @Rogue_Monk 2018年1月9日
これ「最終兵器に耐えられる個体が子孫を残して繁殖した」という進化話だから、   わざと同じことを実験としてやってる進化研究者 ているんだろうなぁ。
モンタ 俺のロボ展 HOW HOUSE 1/17- @chrysolina 2018年1月9日
学生の頃、バイトでやってたなぁ。もちろんゴツいマスクするんだけど、それでもダメージ通るんだよね、業務用殺虫剤。。。
はくまに・アーチボルト @haku_mania_P 2018年1月9日
Rogue_Monk 確か、殺虫剤の会社とかは、Gやらハエやらを大量飼育して、それをやってたはずですね。
はくまに・アーチボルト @haku_mania_P 2018年1月9日
既に前述されているとおり、これって「全ての個体が耐性を得て個体が単世代進化する」って話ではなくて、「たまたま耐性があって生き残った個体が繁殖することで世代進化する」って話なんだよね。で、いわゆる害虫ってものすごい繁殖力と成長速度が早くて強い(≒実は弱者で、別の種の食料になっていることが多い)から、その過程が見えづらくて、すごい速度で進化しているようにみえる。
はくまに・アーチボルト @haku_mania_P 2018年1月9日
で、更に困ったことに、上記したとおり「害虫に対しては、捕食者がいる」んだけど、捕食者って害虫ほど数が増えない。下手すると、体制がある個体が生まれずに全滅する。そうすると、捕食者だけがいなくなり、害虫天国が生まれる…っていう、これが薬剤による駆除の最大の問題点だったりするんだよね。こんなことがあるので、現状では「完全な駆除」ってできないんだよなあ、困ったことに。
Rogue Monk @Rogue_Monk 2018年1月9日
haku_mania_P  「ゼロリスクを狙って破局を呼び込むより、一定のリスクを許容する」という点で、リスク管理の典型ですなぁ。
はくまに・アーチボルト @haku_mania_P 2018年1月9日
Rogue_Monk 今回の話は、まさにそんな感じですね。安定したということは、捕食者も戻ってきた可能性があるので、そのまま安定してくれれば…
CD @cleardice 2018年1月10日
使い方が雑で中途半端に生き残ったのが居たのも原因の一つだと思う
かりかりうめ @karikariume_3 2018年1月10日
お化けよりこういうのがホンこわ
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