ファンタジー異世界で化学兵器を運用するメモ【セルフまとめ】

ファンタジー異世界で、化学兵器を使うためのメモ
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## コミケで頒布したフリーペーパーの内容をまとめました。

みなせ ★C103_31(日)_東_サ-13ab @Ton_beri

「化学兵器と異世界」ネタの受けが良かったので。 「化学兵器の製造」と「異世界」を適合させる方法をマニュアル化してフリーペーパーにすることにしました。新刊と合わせてお楽しみいただければ幸いです。 ←新刊   →フリーペーパー pic.twitter.com/AoEopgY1Uw

2017-12-28 19:39:31
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みなせ ★C103_31(日)_東_サ-13ab @Ton_beri

さて、文字通り印刷も終わったので、販促のため、 「異世界」と「化学兵器」をつなぐ一考 を全文アップします。↓につぶやきます。 pic.twitter.com/BzaJDB41Ut

2017-12-30 22:34:17
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## 1.緒言

みなせ ★C103_31(日)_東_サ-13ab @Ton_beri

1.緒言 「化学兵器の製造プロセスの本」(以下、『化学兵器本』と記載)の宣伝の際、「異世界での化学兵器運用」とツイートした所、意外にも反応が良かったのですが、実は異世界について言及したのは、わずかに2ページでした。『これはまずい』と、急いで補足として作成したのが本書です。 pic.twitter.com/RNlGNVrcjg

2017-12-30 22:36:37
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みなせ ★C103_31(日)_東_サ-13ab @Ton_beri

本資料は「化学兵器の本」の補足であり、「異世界」に「化学兵器」を適合させることを目的とし、その一例を記載します。 本資料の記述レベルは「物語においてそれっぽい理由をつけて、ハッタリをかませる」レベルを主眼とし、「低い技術レベルでの化学兵器製造の詳細検討」ではない点に留意願います pic.twitter.com/8CrAxxWbN4

2017-12-30 22:39:15
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## 2.本論

みなせ ★C103_31(日)_東_サ-13ab @Ton_beri

2.本論 「化学兵器本」に記載した5種類の化学兵器のうち、異世界(低い技術レベル)で製造可能な化学兵器は、「イペリット」のみである。他の化学兵器は、下記の困難性が存在するのに対し、イペリットは、原材料が単純であり、困難性も小さい。異世界の化学兵器としては、イペリットが最適である pic.twitter.com/a01nqQB7LT

2017-12-30 22:40:43
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みなせ ★C103_31(日)_東_サ-13ab @Ton_beri

2.1 イペリットの製造プロセス イペリットの原料のうち、準備が難しいのが塩素である。ただし、塩素の原料となる塩酸やマンガン鉱は、8世紀にすでに知られており、その材料の発見は意外と古い。「この二つを混ぜ合わせて発生する黄緑色の気体を塩素と確認した」のが、18世紀なのである。

2017-12-30 22:41:31
みなせ ★C103_31(日)_東_サ-13ab @Ton_beri

2.2 塩素と塩化硫黄の合成 下記に、塩素の生成プロセスおよび、塩化硫黄の製造プロセスを記載する。塩化硫黄は、仏式法でイペリットを生産する際の中間生成物である。(化学兵器本 p49参照) 滴下容器Aには塩酸が入れられ、酸化マンガン粉末の入ったフラスコBに、塩酸を滴下すると、 pic.twitter.com/KACduvRi6Q

2017-12-30 22:42:46
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みなせ ★C103_31(日)_東_サ-13ab @Ton_beri

B中で塩素が発生して、誘導管aおよび乾燥筒Cを通ってフラスコD中に入る。D中にて溶融した硫黄に塩素を吹き込むと塩化硫黄が生じ、これは誘導管bを通過し、還流冷却管Fを通って冷却され、フラスコG中に凝集する。誘導管cにより、内圧が生じないように器機は解放されており、筒Hには綿が詰められている

2017-12-30 22:43:23
みなせ ★C103_31(日)_東_サ-13ab @Ton_beri

g1、g2は冷却水を流す。Eは内部には油が入れられており、硫黄を溶かすために加熱される。 物語の中であれば、希硫酸と鉛で電池を作り、塩水の電気分解にて塩素を作ってもよい。なにより、その際にできる副生の水酸化ナトリウムは、機器の洗浄(イペリットの除染)に使用することもできる。 pic.twitter.com/wvMqd5oIsl

2017-12-30 22:44:32
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みなせ ★C103_31(日)_東_サ-13ab @Ton_beri

塩化硫黄の合成方法は、「Sulfur chloride」等で検索すると、容易に実験写真が見つかるので、参考とされたい。塩化硫黄よりイペリットを製造する方法は、化学兵器本p51に記載している。 (ここでは特別に実験製造装置を記載。ペーパの方には乗りません) pic.twitter.com/ARy0DoGwxU

2017-12-30 22:46:04
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## 3.化学攻撃の準備

みなせ ★C103_31(日)_東_サ-13ab @Ton_beri

3.化学作戦準備 イペリットの実験製造が完了したならば、次は化学攻撃作戦の立案となる。まずは戦場を設定する。化学兵器本p71より、化学兵器の使用に最適なのは都市籠城戦の守備側である。一例としてオルレアン包囲戦を例にとる。 ja.wikipedia.org/wiki/%E3%82%AA…

2017-12-30 22:46:47
みなせ ★C103_31(日)_東_サ-13ab @Ton_beri

さて、こうして戦場を設定すると、色々と妄想やロマンが湧いて出てくる。 オルレアン包囲戦は、聖女ジャンヌ・ダルクの軍事行動における最初の勝利であり、百年戦争の転換点となった戦いである。史実ではジャンヌによる士気の回復と積極策によって、仏軍が勝利し、英軍が一敗地に塗れた。 pic.twitter.com/uIVAU7QhK5

2017-12-30 22:48:14
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みなせ ★C103_31(日)_東_サ-13ab @Ton_beri

ここで一つ、セイバー・アルトリアの後裔を謳う侵略者共に、化学兵器にも塗れていただくことにしよう なお、本書はいかなる国や民族、集団、個人をおとしめる意図も持っていない。ときに過激な表現が出てくるが、あくまで内容を明確に説明するためのものである。あらかじめご了承いただきたい pic.twitter.com/r6403iEN7T

2017-12-30 22:50:06
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みなせ ★C103_31(日)_東_サ-13ab @Ton_beri

3.1 両軍配置 オルレアンの地形と、両軍の配置を下記に示す。 約800m×500mのオルレアン市街のみが、仏軍が掌握するすべてである。英軍中枢はオルレアン西方約600mのサン・ローラン砦であり、他にオルレアンへの街道、水上交通を遮断するように、小砦(×印)が構築されている。 pic.twitter.com/WMMAfviTcD

2017-12-30 22:50:56
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みなせ ★C103_31(日)_東_サ-13ab @Ton_beri

東方2㎞にあるサン・ルー砦も英軍の支配下にある。 唯一、森林に近接している北東方面は開いていたが、英軍の厳重なパトロール下にある。 なお、画像は日の目を見なかった良い太もも画像なので掲載した。 本文には非掲載である。 pic.twitter.com/EmZX5AHrme

2017-12-30 22:53:11
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みなせ ★C103_31(日)_東_サ-13ab @Ton_beri

3.2 天候 (1)風 風は化学兵器運用において、極めて重要な要素である。内陸であり、付近に高い山のないオルレアンは、海陸風、山谷風の影響を受けない。ただし、地域風は、よく考慮せねばならない。森林は防風帯となりえる。 (影響の詳細は 化学兵器本p8-10を参照)

2017-12-30 22:54:09
みなせ ★C103_31(日)_東_サ-13ab @Ton_beri

オルレアンの風に関する気象データを記載する。8月は、風が最も穏やかであり、平均風速は3.5mである。ガス状化学兵器には支障はある風量だが、イペリットのような持久性化学兵器には支障はない。(化学兵器本p10) pic.twitter.com/4JVDtIzGOL

2017-12-30 22:55:20
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みなせ ★C103_31(日)_東_サ-13ab @Ton_beri

唯一の懸念は、風向が安定しない点である。8月は40%の確率で西風が吹くが、北風が吹く確率も30%程度ある。 化学兵器の使用予定時の風向については、十分な注意をもって、作戦を立案せねばならない。 pic.twitter.com/rqlsUy2G5u

2017-12-30 22:56:39
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みなせ ★C103_31(日)_東_サ-13ab @Ton_beri

3.3.2 気温と湿度 イペリット攻撃を行うには、気温13℃以上が絶対に必要であるが、 (化学兵器の本p10 p44参照)オルレアンの平均最高気温がこれを上回るのは、4~10月である。年の半分はイペリットの使用に適さない。 pic.twitter.com/gN11O1lbRy

2017-12-30 22:57:18
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みなせ ★C103_31(日)_東_サ-13ab @Ton_beri

また、日射が多く、快晴の日が多いのも4~10月である。日射により地表気温が上昇し、化学兵器に有利となるのも、この期間のみである。(化学兵器の本p11) pic.twitter.com/ijniPYZgKr

2017-12-30 22:57:44
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みなせ ★C103_31(日)_東_サ-13ab @Ton_beri

3.4 攻撃作戦の立案 こうして必要な情報は出そろった。イペリット運用可能期間は4~10月のみ。 風向きは、自爆を生じかねない懸念点ではあるが、イペリットの持久力を考慮するに、敵に与える打撃力についての問題はない。(化学兵器の本p10) pic.twitter.com/7Q1FzEzpBE

2017-12-30 22:59:28
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