景気後退・大量失業→労働集約化シフト→長期停滞のメカニズム

不況は、労働市場に対するサプライサイド的な影響(労働賃金抑制)を通じて長期生産を抑制するかもしれない。 その際、表面的な完全雇用が成立しても、水面下では潜在的停滞に陥っている可能性がある。
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望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

もし生産性成長によって労働生産性が上昇しても、バーゲニングポジションの違いによってそれが労働価格=労働賃金に反映されず、過剰に低く抑えられる場合、本来(労働価格上昇を通じて)資本形成へシフトすべきところが、(低賃金労働をあてにした)過剰労働集約化が進んで非効率化しそう。

2018-01-12 21:25:09
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

この場合、労働生産性の向上が労働賃金へスムーズに反映される雇用システムが最適になり、そうでなければ労働集約化過剰(資本集約化不足)に陥ってしまうと。 素直な論立てなので、普通に先行研究ありそうだが、探す余裕がないので教えてえろい人(他力本願)

2018-01-12 21:26:54
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

この場合、表面的には(労働集約化により)完全雇用と見紛われるような雇用数量指標の好調が見られても、潜在的な経済的停滞は持続しているという驚くべきインプリケーションが得られる。もしかしたら、今の日本で起きているのは、人口動態だけでなく、これもあるかも? twitter.com/motidukinoyoru…

2018-01-12 22:26:06
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

一連の議論は、サイモン・レン=ルイスのecon101.jp/%E3%82%B5%E3%8…にインスピレーションを受けたものだが、こうしたメカニズムが想定される場合、不況の影響は超長期にいたるまでマイナスに働くことが予想される。

2018-01-15 11:31:37
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

主流派マクロ経済学の枠組みでは、齊藤誠らが紹介するように、不況などによって生産資源が「分離」され、価格改定された場合(基本的に下落)、それによる生産資源再配分を通じて長期的な生産がむしろ高まることが予想される。

2018-01-15 11:32:00
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

ところが、不況による労働条件の悪化が、労働価格の低下を通じて労働集約化シフトを齎す場合は、労働生産性成長を阻害することになり、より効用水準の低い二次的な均衡が実現してしまうことになる。

2018-01-15 11:32:17
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

齊藤らの紹介する不況分析では、不況に際して、政府がマクロ経済的介入を行い、失業者保護などを行うことは、資源再配分を妨害するので望ましくない、という結論が導かれるのだが、既述のメカニズムを想定する場合はむしろ大量失業による労働条件悪化を看過する方が問題となる。

2018-01-15 11:32:28
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

こうした考えは、お馴染みの「イノベーションの本当の源は高賃金」byロバート・アレンecondays.net/?p=7928にもインスピレーションを受けている。この一連の考えにおいては、労働者への職業・所得補償が、短期的のみならず長期的にも望ましいということになる。

2018-01-15 11:32:40
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

また、単純な雇用数量指標(就業者数や失業率など)に拘泥することの危険性も示唆する。レン=ルイスのいうように、そうした指標改善は、労働集約化によって問題を不可視化したに過ぎない可能性があるからだ。 したがって、そうした指標は実は目標として扱うには不足かもしれない。

2018-01-15 11:33:00
望月慎(望月夜) @motidukinoyoru

かといって、それではどれだけの総需要が望ましいか、を考えるのは難しい。実務的な妥協点としては、物価水準や名目GDP水準に妥当な目標を付ける、という選択を強いられるかもしれない。

2018-01-15 11:33:08