日本沈没（TV版）

三一十 四四二三 @31104423

TV版「日本沈没」を安く手に入れた(中古全9巻2500円プラス税)。これは放送時にちゃんと見てないのでボチボチ見ていきたい。 第1話「飛び散る海」では、地震で婚約者を亡くした小野寺(村野武範)の苦悩を描く。 「あんたが海に潜ってる間に地震が起きた。娘は一人で泥に埋まって死んだ。あんたがついて pic.twitter.com/f3ERs6dq2M

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いたら娘は死ななかったかもしれない。娘を殺したのはあんただ！」と、婚約者の母親にメチャクチャなことを言われる小野寺(村野武範は思いつめたような表情に味がある)。母親が小野寺に八つ当たりしたように、小野寺は海底調査を強行した田所博士に八つ当たりする。「あんたが予定を変更しなかったら、 pic.twitter.com/wTxPsHAVRi

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俺は婚約者と一緒にいることができた。婚約者は死ななかったに違いない！キー！」 地震はいつ、どこで発生するかわからないから怖いのに、婚約者の母親も小野寺も、婚約者の死を身近な人の責任にして怒り狂う。このスケールの小ささを田所博士(小林桂樹)が諭す。「君は婚約者が死んで辛いだろう。 pic.twitter.com/K3gVjUiHWa

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救ってやりたかっただろう！しかし婚約者は死んだが、わしもお前も死んでしまうのだ。何故なら日本は沈没するからだ。わしが救いたいのは日本そのものだ！わしに協力せい！夕焼〜け小焼け〜の赤とんぼ〜」 う〜ん、これでいいのだろうか？と思った瞬間、海が爆発。田所博士が叫ぶ 「日本が危ない！」 pic.twitter.com/AoMlucqTzT

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(続き)映画(73)の「日本沈没」にはTV版「日本沈没」のような責めたり責められたりするような人間関係は、ほとんど描かれていなかった。日本が天変地異で沈没する、という責任のもっていきようのない事態に対して、劇中人物はドライであり、卑近なところに責任を擦りつけること(八つ当たり)をしない。

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しているのかもしれないが、作品はそれを描かなかい。しかしTV版は第1話からして醜い八つ当たりの応酬が描かれ、なかなか生々しい。全26話に仕上げるには、こうするしかないのだろうが、これだけでかなり映画版(原作も)と毛色の違う作品になっていることがわかる。 小野寺は、隣家に住む外人歌手の歌

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を聞かなかった、という理由で街のチンピラと喧嘩をして留置所に入れられたりもするが、こうしたテーマから外れた場面に興味を持たなければ、全編見通すことは困難かもしれない…とやや不安になった。(この喧嘩の場面で小野寺が学生運動の闘士であったことがわかる。こういうのは楽しい)

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ここで、チラリと阿部玲子(由美かおる)が顔を見せるが、特段のドラマを持たなかった映画版と違い、かなり屈折した高慢なお嬢様のようで、今後が気になる。 第1話を見る限り、TV版は大災害を背景にした卑近な人間ドラマという、テレビドラマならではの展開になるのではないか？と感じた。 pic.twitter.com/3fZ5QWJd9d

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(続き)映画「日本沈没」の小野寺は藤岡弘がやっていたが、さすが長年超人を演じていただけあり、完成された大人の男性になっていた。だから変人田所博士とも無用な衝突はしなかった。対してTV版の村野武範は、実年齢では藤岡より一歳年上なのに「八月の濡れた砂」の反逆児や「飛び出せ青春」の反逆教師 pic.twitter.com/tycjsPgQy9

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の印象からか、ここでも未完成な青年のイメージ(だから癖として「イライラしたら、その辺の物を蹴っ飛ばす」が付与されている)。 村野武範の小野寺はいつもイライラしている青年であり、早速、田所と対立するのである。 全26話の長丁場をもって成長が期待できるTV向きキャラクターになっているのだ。 pic.twitter.com/7B2n0s7h2T

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(続き)「日本沈没」といえば草彅剛主演のリメイクもあったが、あれは評判が悪い。 前作が神の視点の超集団劇だったのに対し、リメイクは草彅剛個人のドラマに収束しているのでスケール感を欠いている。しかし目的達成まで女を抱かないヒーローを描いた映画(裕次郎の「赤いハンカチ」もそうだが)と

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割り切れば、あれはなかなか良い出来であったように思う。実際作り手も、女を抱かずに去っていく『やせ我慢の美学』を漂わせたヒーローの映画としてこれを作ったのではないか？自分に酔うことの美しさを臆面もなく歌い上げた後半は特に良かった…ように私は記憶しているのだが、そういう意見は少ない。

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(続き) 私の小学校の担任は『日本沈没』にかぶれてしまい、授業中にマントルの話や日本沈没のメカニズムを嬉しげに語ったものだ。しかしこの教師は『日本沈没』をフィクションとして読んでいなかった。 「君たちが大人になる頃には日本は海の底だ。わははは」 と教師は実に哀しそうに笑ったのである。

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「沈没」は将来確実に起こることであり「日本沈没」はその事実を科学データを駆使して『予言』した書物と思ってたようなのだ。 　「日本沈没」はＳＦ小説として売れたのではない。これは後の『ノストラダムスの大予言』同様に、実際に起こりえる破滅を『期待させる』本であったのだ。

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「日本沈没」はSF小説として初めてのミリオンセラー。それどころか上下巻あわせて４００万部という数は出版史上屈指のベストセラーである。 しかし当時の知的水準では、この小説のハードなデティールを把握することは不可能

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だった。だから「日本沈没」を読むということは当時の知性の最先端であり、その知的ステイタスを求めて本を買った人が多かったのでは？とも言われている。 (よって上巻で挫折した人が多く、出版部数は上巻が多い)。 小説で途中挫折した人は、よりわかりやすい『映画』で埋め合わせようとしたわけだ。

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日本沈没 第2話「海底の狂流」。 狂科学者 田所博士は、深海潜航艇の漕艇者 小野寺を騙し、潜行限界を超えた日本海溝に わだつみ を潜行させる。日本海溝の底では海底の地滑りが発生していた。乱泥流に巻きこまれた わだつみ は制御不能となる。わだつみ の操演、乱泥流の描写は、映画よりも安っぽく pic.twitter.com/a21a1jTLz0

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三一十 四四二三 @31104423

なっているが、フィルムの流用ではなく、新撮されているのがある意味 贅沢だ。 (映画の わだつみ のシーンは、邦画における潜水艦特撮の白眉であり、し〜ん、と冷え切った深海の実感があった。乱泥流の渦も迫力があった) 二人は奇跡的に救出されるが、小野寺は右腕を骨折。帰路で壊疽を起こしかけ、 pic.twitter.com/GUoIz7SlfL

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あわや右腕切断の重体に陥る。優秀な医師(佐々木勝彦)のおかげで切断を免れたものの、入院生活となった小野寺は、ますます田所博士に対する恨みを深める。 映画版では、漕艇者小野寺と変人 田所の間には確執は無く、むしろ最初から小野寺は数少ない田所の理解者の立場であるから、この関係性の違いが pic.twitter.com/aeDkWN40qw

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映画とテレビドラマの大きな差になっているのだ。 退院した小野寺は、入院の費用一切を田所博士が負担していたことを幸長助教授(細川俊之)から聞かされる。幸長は「田所は口が悪く、人間的に問題がある人物だが、心根は優しい人なのだ」と諭すが、小野寺は「ちぇ！格好つけやがって！」と、若者らしく pic.twitter.com/1OKOAjcngl

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三一十 四四二三 @31104423

さらに反発する。(この時、既に小野寺は、田所から海底乱泥流は日本が近い将来沈没する証拠であることを聞かされているが、これについても田所に対する不信もあって一笑にしている) 日本が沈没するというのに、こんな人間関係のイザコザを丹念に描いていて良いのか？とイライラしてはならない。 pic.twitter.com/K75Xh56a7r

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三一十 四四二三 @31104423

これがテレビ版ならではの楽しさである、と割り切って観賞しなければならないのだ。 小野寺は怒りをぶつけるために海に行き、砂浜に立つ。青春ドラマなら、ここでバッカ野郎〜!だが、何故か海からビキニ姿の由美かおるが出現する。何だ何だ？…と突然、天城山が大爆発を起こし、天空に火柱が立ち上る！ pic.twitter.com/Fa3VjyQiAv

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鳥を見た @jmyqy196

@31104423 TV版「日本沈没」見なくて良かったかも。とてもイライラしそうだ。 映画版の方が私には合ってると思う。

三一十 四四二三 @31104423

@jmyqy196 結構 面白いですよ。 水増しの部分にこそテレビ版の良さがあるように感じます(まだ2話しか見てないのですが…)。

三一十 四四二三 @31104423

映画や原作では、小野寺は「子供を作るために結婚がしたい」と玲子(映画では いしだあゆみ テレビは由美かおる)に告げ、交わる、と同時に火山が大噴火する…という段取りで、これは国生みの神話を逆になぞって、日本の崩壊を暗示するような形だったが、テレビでは小野寺が「結婚は考えてない」と玲子を