山本芳久『トマス・アクィナス 理性と神秘』をめぐって
今日から744年前の1273年12月6日に、トマスは「私が見たことに比べると、私が書いた全てのことは、わらくずのように見える」という言葉を残し、神学大全の執筆を永遠に中断しました。近刊の岩波新書『トマス・アクィナス 理性と神秘』ではこんなエピソードにも言及していますamzn.to/2joS76X
2017-12-06 20:32:30晩年の神秘体験の後、「私の見たものに比べれば、自分が書いたものはわらくずに過ぎない」と言ってトマスは神学大全の執筆を取りやめた。トマスの当初の意図から言えば、神学大全は未完の書となったと言えるが、語りつくせない神について語るという観点から言えば、まさに絶妙な完結の言葉となっている
2016-07-23 17:39:39「私が見たものに比べれば、私がこれまで書いたものはわらくずにすぎない」という言葉を残し、トマスは『神学大全』の執筆を放棄しました。この「わらくず」が、人生を照らし出す光をどれほど与えてくれるものなのか、『トマス・アクィナス 理性と神秘』(岩波新書)はそれを伝えるために執筆しました
2017-12-18 18:11:10発売日,近づく
『トマス・アクィナス 理性と神秘』は、トマスについてのめての新書です。プラトンについては5冊、デカルトは4冊、ハイデガーは既に6冊もあります。これまで一般には殆ど知られることのなかった大思想家の魅力が伝わるよう、多くの魅力的なテクストを訳出し分析しています。amzn.to/2joS76X
2017-12-07 07:32:24神論・人間論・キリスト論から成る『神学大全』は、日本語訳で45巻にもなる大著なので、全体像をつかむのは大変です。『トマス・アクィナス 理性と神秘』では、神論・人間論・キリスト論の全てから重要なテクストを選び出し再構成しながら論じることによって、トマスの思索の全貌を捉えやすくしました
2017-12-08 08:56:13本日12月8日は聖母マリアの無原罪の御宿りの祝日です。マリアが、その存在の最初の瞬間から原罪の汚れに染まっていなかったというこの教えに関しては、古来、多くの議論がありました。スコラ学者の中でも、トマス・アクィナスは無原罪を否定し、スコトゥスはその可能性を認めるという違いがありました
2017-12-08 10:05:49マリア論というものを、単に民間信仰が教義のなかに取り入れられたものにすぎないというように説明してあるものをよく見かけますが、そんなことはありません。或る意味、マリア論を掘り下げることによって、キリスト教の教義の中核の全てを説明することができるほど重要で核心的なものです。
2017-12-08 10:29:14キリスト教が誕生してから実に数百年間も、新約聖書が正典として確立することはなかった。キリスト教の原点に立ち戻るとは、「聖書のみ」に立ち戻ることではあり得ない。聖書という地図すらない荒野の中でささやきかけてくる何者かの声と働きに裸形で向かい合った使徒達の在り方に想いを馳せる事なのだ
2017-12-09 02:27:45多くの哲学史に書かれているのとは異なり、トマス・アクィナスは「アリストテレス主義者」ではありません。「アリストテレス主義者」とか「カトリック護教家」といった手垢の付いた捉え方を超えたトマス像を、『トマス・アクィナス 理性と神秘』では描き出してみました。amzn.to/2AcPOLH
2017-12-11 14:41:48『トマス・アクィナス 理性と神秘』(岩波新書)では、新書にありがちな、思想家の生涯の伝記的説明ではなく、トマスの神学・哲学体系を大胆に再構成しつつその本質を伝える事に力点を置きました。トマスのみでなく、キリスト教神学そのものへの入門書としてもお読み頂けますamzn.to/2krgUYw
2017-12-13 06:44:38『トマス・アクィナス 理性と神秘』(岩波新書)は、宗教改革500周年を意識しながら執筆しました。ルターとは異なり、「信仰のみ」「聖書のみ」「恩寵のみ」ではない仕方で、理性や哲学を徹底的に重視しながら、理性を超えた神の神秘に迫るところに、トマスの魅力があります。amzn.to/2C4ZgRF
2017-12-14 20:48:21ものごとは、分かりやすく説明しようとしすぎると、かえって分かりにくくなることがあります。どこかで無理が生じるからです。『トマス・アクィナス 理性と神秘』(岩波新書)では、最も分かりやすくするためにこそ、本格的な議論を避けずに、正面から取り組んでもいます。amzn.to/2zgBvr4
2017-12-16 12:22:41『トマス・アクィナス 理性と神秘』の見本が届きました。一冊目の写真の背景は、最も権威のあるレオ版ラテン語トマス全集です。膨大な著作群を残したトマスの神学・哲学体系のエッセンスが300頁弱の新書に凝縮されたのを手に取って、感慨ひとしおです。都内の書店では明日から並び始めるようです。 pic.twitter.com/g9mqRpGEAa
2017-12-19 15:56:41明日、山本芳久さんの新著『トマス・アクィナス 理性と神秘』が刊行となります。「読みやすい入門書」であり、かつ「読み応えのある教養書」であるような新書をつくりたいと思って企画したもの。知られざるトマス・アクィナスの思想世界を丁寧に描き出しています。 pic.twitter.com/nmwLji8E9g
2017-12-19 21:25:23先日某研究会で、ドミニコ会の説教者としてのトマスが語る「愛」と「霊的再生」に関する山本先生の研究発表を伺ったばかり。『神学大全』『対異教徒大全』といった著作以外のテクストにも着眼された上で描き出されるトマスの人間像。その魅力の全貌、拝読するのが楽しみです。 twitter.com/201yos1/status…
2017-12-14 22:57:07新著刊行のお知らせです。『トマス・アクィナス 理性と神秘』(岩波新書)を12月20日に刊行します。本日ゲラが届いたので、目次の一部を添付してみました。没後700年以上経っても読み尽くされていない、常に新しいトマスの魅力の全貌を、「理性と神秘」という観点から浮き彫りにしています。 pic.twitter.com/r8NgsdGyiD
2017-10-14 11:10:05発売開始
岩波新書( @Iwanami_Shinsho )新刊6点を発売(小社出庫)しました.①内田博文『治安維持法と共謀罪』( iwnm.jp/431689 ),②新藤宗幸『原子力規制委員会』( iwnm.jp/431690 ),③山本芳久『トマス・アクィナス』( iwnm.jp/431691 )(続きます)
2017-12-20 10:00:20【12月新刊その3/山本芳久『トマス・アクィナス 理性と神秘』】西洋中世最大の神学者であり哲学者でもあるトマス・アクィナス。なかなか手の届かない大著『神学大全』。しかしそこには、我々の心に訴えかけてくる魅力的な言葉が詰まっている。その全貌とは。 pic.twitter.com/82erJDusiC
2017-12-20 18:20:05『トマス・アクィナス 理性と神秘』は、トマスについての三冊目の単著です。これまでで最も入門的な書物になりますが、既に発表した二冊の単著を平易に書き直したようなものではありません。トマス哲学に対する最善の入門書になるように、これまでの書物とは違う構想に基いてゼロから書き上げました。 pic.twitter.com/vwyarzqQTU
2017-12-20 14:19:52