【後輩くん】

りえこ @eighter_rieko83

26 そんなこと…あった…ような気もするけど…。 「覚えとるとか…気持ち悪いって思うかもですけど…。」 え、いや…どうしよう、うれしいんですけど…！ 「す……好きな人の誕生日とか…覚えとくでしょ…ふつー…。」 えっ、えっ、えっ…えっと、聞き間違い…かな…？ そう…だな……うん……。

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27 「なんか…言うてくれません…？一応…好きやって…言うてるんですけど…。」 あ、ダメだ。 座ってるのに激しい目眩が…。 夢か。 誕生日特別記念か。 「先輩、聞いてます？」 『…えっと…。』 とりあえず帰る準備をしよう。 頭の中が整理できずに…とにかく機械的に本日の業務終了…。

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28 『外…雪とか降ってないよねっ？！』 「………。」 うぅ…安田くん、今どんな顔してる？？ こわくて見れないー！ デスク上を片付けて、バッグに手を伸ばそうとしたら、その手を彼に掴まれた…。 反射的に顔を見たら、ものすごく真顔で…。

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29 「好きなんです。」 『や…すだくん…、』 「俺と付き合ってくれませんか？」 『えと…、』 「俺の彼女になって欲しいんです。」 『………、』 「ダメ…ですか…？」 『………いえ………ダメじゃ…ないです………。』 言いながらへニャへニャとへたりこんでしまう。

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30 「先輩っ？！」 足に力が入りません…。 安田くんは慌てた感じで、しゃがんであたしと目線を合わせた。 うれしいのと、信じられないのと…とにかくなんか頭と心がいっぱいで、なんか涙出てきた…。 「えっ！ちょっ…！」 ごめんー、なんか忙しい女でごめんー！

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31 「もぉ…(笑)なんなんすか、先輩…(笑)」 『それは…こっちのセリフでしょー…！！(泣)』 あー今絶対ブッサイクな顔してる…。 だけど、涙が止まってくれない…。 自分のポケットからハンカチ出して、あたしの涙を拭いてくれる。 ニコニコしてる…良かった…怒ってない…。←

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32 「なんか食べたいもんあります？」 『…うぅ…おいしいもの…。』 「ふはっ！そーやな♪」 あっ、敬語じゃない感じ…。 安田くんの笑顔が近い…。 「立てる？行ける？」 『こんな顔じゃ行けない(泣)』 「大丈夫♪かわいいから。」 『そんなわけ…っ、』 ん？？

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33 安田くんが見えなくなった…ちがう…安田くんにキスされた…！ 柔らかい唇の感覚…涙完全に止まりました。← 「お店がアカンかったら家に連れて帰るけど？」 『それはもっとアカンです。』 「即答やん、傷付くなぁ(笑)」 だって、今日どんな下着か覚えてませんもん(悲)

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34 『だ、だって…！』 「あはは！ちゃんと週末まで…それは待ちます♡」 『へっっっ？！』 「はい、行こ？おいしーもん食べに♪」 『は…はい…。』 抱き上げて、いとも簡単にあたしを立ち上がらせる。 ちゃんと…男の人なんだな…なんて、呑気すぎるだろ、あたし。

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35 向かい合うと、またフフッと笑う彼。 「もっとカッコよく告白するつもりやってんけどなぁ(笑)」 充分カッコよかったですけども。 『なんか…ごめん…。』 「じゃあ…、」 ニヤリ、としたかと思ったら、またチュッとされてびっくりする。 「これで許す(笑)」 『…はい…。』

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36 「行こ♡」 あー神様…最高の笑顔が目の前で…目の前で見れました…！ 「プレゼント何がいい？週末一緒に買いに行かへん？」 『いーよ…プレゼントなんか…。』 「あげたいのー！な？考えとって？」 『う…うん…。』 雪が降ってきたけど…つないだ手があったかかった…。 Fin.