「父と母が若い頃の話だ。
初めて、父が結婚前、初めて祖母に挨拶をした帰り、深刻な顔をしてこんなことを言ったらしい。
「お前の母さん、韓国のスパイじゃないだろうな。」
祖母はあの時代、大学を卒業したインテリで、韓国で学校の先生をしていた。
母を育てるために日本にやってきたのだが、父からしたらスパイだとしか思えなかったらしい。
母は父の言葉を聴いて、「この人、馬鹿なんじゃないか。」と思ったそうだ。
もちろん、父の言っていることはただの思い違いだ。全く根拠がない。
一方、祖母は祖母で父の済州島出身者という経歴を気にしていた。
以前も書いたが、済州島は韓国に反乱を起こした島だと考えられていたからだ。
もしかしたら、祖母は私が済州島出身者になってしまうことも心配していたかもしれない。
何せ、北朝鮮のスパイだと思われてしまうかもしれないから。
これがスパイを日常の中で感じる瞬間だ。(後略)」
http://shionandshieun.hatenablog.com/entry/2018/02/12/160623
(私のエッジから観ている風景 2018-02-12「誰がスパイなんだ」と馬鹿が言う」shionandshieun)
清義明さんによる今回問題の整理
これらの在日コリアンの方の様々な意見を通して、個人的に(自身の無知も含めて)分かったことがあります‥
清義明さんは今回の問題を以下のように整理しています‥
ある特定の属性や集団(A)の中に、(a)という小集団がある。(a)について語る時、(A)=(a)ではないのだが、そう解釈するものがいる。それは間違いなのだが、(a)が存在しないわけではない。 問題はその拡張解釈自体であると。その拡張解釈の恐れがあるから(a)についてはなかったことにするというのも間違い
2018-02-13 16:37:40この拡張解釈をヘイトという。拡張解釈自体の危険性を前提に(予防)して(a)を語るのはアリ。またその拡張解釈自体が存在しなければ、特に問題なし。三浦の間違いは拡張解釈の危険性を予知していなかったこと。だからといって(a)は幻というのもまた違う。
2018-02-13 16:41:28拉致問題では、この母集団(A)への配慮や拡張解釈の恐れから、(a)が幻とされた。ところが実際に(a)は存在したことが明らかになり、それまで(a)まぼろし説で正常な議論が行われていなかったため、その反動で(a)まぼろし派は決定的な信用棄損をうけ、そればかりではなく(A)への拡張解釈を逆に強めた
2018-02-13 16:44:54そうすると(a)に対する議論は別途必要とされるならば、(A)=(a)という拡張解釈をしないゾーン(A)≠(a)の中ですればよい(実際、行政機関はそうしている)。実際、日本社会は短絡的な拡張解釈を過去に行っており、現在でもその危機の萌芽はある。
2018-02-13 16:55:34方法1.議論をゾーンの中で行う 方法2.全体コミュニティの(A)=(a)の拡張解釈を許さないような議論の枠組みをする。 方法3.(a)に対する議論に(A)を巻き込む こんな感じかな。三浦はこれのいずれの手立ても打たなかったことが稚拙。ただ池上は全くこの手立てを打たなかったのに問題はなかった
2018-02-13 16:57:40在日コリアンの方の(大半が三浦さんに対して批判の)様々な意見を通して、私自身が気が付いたこと、今後、同様問題に必要な事柄
つまり今回の三浦瑠麗さんの発言の実際は、(工作員に関する)(a)の危険性の問題と、母集団(A)(一般の北朝鮮の方あるいは在日コリアンのかた)は区別されていた((a)≠(A)だった)のですが、
在日コリアンの方は(a)=(A)の偏見差別を、様々な場面で自身の経験上受けて来て、<しっかりとした前提>なしに(a)≠(A)とは受け取れない、まさに東さんや津田さんが指摘した「受け取る側がどう感じるか」の問題が起こっていた、ということかと‥
ここで個人的な学びは、もし民族人種差別やその他の差別に派生しかねない問題を取り上げる時は、
1.個々の(a)の問題を取り上げる時は、厳しい<事実(ファクト)>チェックが必要
2.その上で、世の中に(a)=(A)の偏見差別が存在する限り、1.の問題を取り上げる時は、必ずいつも(a)≠(A)の区別(混同した差別を絶対してはいけない!)を同時に強く主張しておく必要がある
だと思われました‥
即ち、今回の三浦さんの発言は、(a)の厳しいファクトチェックがなされていない疑念があり、
かつ(a)≠(A)の<差別を今回の指摘で決して起こしてはいけない!の強い視聴者への促し>がなかったことで問題を引き起こしてしまった、と思われました‥
差別に展開おそれある(a)の指摘は、より強いファクトチェックが求められ、かつその上で(a)≠(A)だとその都度言い続けることが必要だと個人的には感じ、それを今後は自身だけでも肝に銘じる必要があると思われました‥
様々な(厳しい意見を含めた)在日コリアンの方の意見を通過し、今回の整理が建設的な緊張緩和の一助になればいいなと、僭越ながらまとめてみました‥