【悪堕ちシナリオ】『融合や異形系悪堕ちシナリオ』+生体ユニット化

人類と、正体不明の敵性生命体が戦っている世界において、同じ部隊に所属していた男性パイロットである「ケン」と、女性パイロットである「アリス」、そして彼女の愛機である「グリフォン」を巡る、悪堕ちの物語。
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悪堕研究機構 @utakuochi

「俺も最後にお前に会えて嬉しいよ」 「ああ……本当に良かった」 彼女は少しだけ上体を起こして、俺の顔の近くへ彼女の顔を持ち上げた。 「これは、これまでずっとできなかった、お別れのキス」 彼女の柔らかい唇が、俺の唇にそっと触れ、彼女は再び俺の身体をぎゅっと抱きしめた。

2018-02-25 20:59:53
悪堕研究機構 @utakuochi

甘くて蕩けそうな口付けに、俺はそっと目を閉じた。 抱いている彼女の身体がどんどん軽くなるのを感じた。 いや、これは彼女の身体が軽くなっているのではなく、彼女の、グリフォンの侵食が始まっているのかもしれない。 一度閉じた目を開くことはできず、深い深い快感の海へと俺は沈んでいった。

2018-02-25 21:03:23
悪堕研究機構 @utakuochi

「イタダキマス」 アリスの……いや、グリフォンが、その頭部にある口からその言葉を発しているのが聞こえた気がする。 俺はこの瞬間に全てを理解した。 が、もう戻ることはできない。 彼女にも、アリスにも、グリフォンにも投げ掛ける言葉もない。 暗く深い快感の海の中で、俺は彼女と一体化した。

2018-02-25 21:10:26
悪堕研究機構 @utakuochi

----- ある日、放棄された基地に住み着いた一匹の獣の噂が広まった。 その獣は普段は眠っているが、基地へと侵入を試みようとすると、途端に目を覚まして、圧倒的な戦闘力で排除しようとするらしい。 獣、という表現を使っているが、四足歩行の機械であることは間違いない。

2018-02-25 21:22:17
悪堕研究機構 @utakuochi

だが、そのような機体は人類側で開発されたわけでもなく、かといって人類が戦っている敵性生命体にそのような敵が存在したという調査結果もない。 もはや災害レベルの戦闘能力を持つそれは、幸い、基地を守る理由があるらしく、基地から外に出ることはないため、触らぬ神に祟りなし状態となっている。

2018-02-25 21:25:32
悪堕研究機構 @utakuochi

どんな相手でも切り裂けるような巨大なブレードが五指に付いた前肢。 大地を蹴って前進するに相応しく極太の、鉤爪が付いた後脚。 背中から展開される自身が飛翔するための巨大な翼。 臀部から伸びる鞭のように靭やかで重量ある尻尾。 胸部から垂れ下がる女性の乳房のような半球状の構造物。

2018-02-25 21:29:18
悪堕研究機構 @utakuochi

そして、悪魔と肉食獣が融合したかのような頭部。 グリーンがベースカラーのその機体は、装甲の表面に幾本もの筋が入り、まるで心臓の鼓動のように全身の先端へと向かって光を送り出しているように明滅するという。 その頭部の口から何かしらの音声を発するというが、解析できた者はいない。

2018-02-25 21:32:46
悪堕研究機構 @utakuochi

もう、基地に住み着いて長いことになるが、まるで戦闘能力は衰えない。 どのようにしてその機体が動力を維持しているのかは分からないが、それと交戦した者の報告によれば、自身が打ち倒した機体を、自らの四肢で引き裂いて頭部の口で食べていた、という事があったらしい。

2018-02-25 21:37:34
悪堕研究機構 @utakuochi

人類側にも、敵性生命体側にも所属しないそれは、間もなく人類側が勝利するための研究材料となるだろう。 だが、その機体が人類側に与することはなく、数々の犠牲だけが積み重なることは想像に難くない。 我々は、その機体のことを、その見た目と古い調査記録からこう呼ぶ。 「守護獣グリフォン」と。

2018-02-25 21:40:58
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