主役の隣人2（村上さん）

うさぎ🐰ときどき妄想してました @eitars_h

1 ───確かに ムラムラはしていた それは認める だって生理後ってなんかね… そういう時ってあるよね… だからって よりによって 私とあいつがあんなことになろうとは… #主役の隣人2

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2 いつもの仕事の帰り道 ｢あー！！」 前方に知り合い発見！ ｢しーんごっ！」 『……』 あ…無視された ち… ｢ちょっと！」 パンプスで走るのキツいんだから、ねっ！ ｢っと…つっかまーえた♡なんで無視するのよ」 信五の肩を押さえてのぞき込む #主役の隣人2

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3 『…こんな往来でおっきい声出すなや』 うーっわ、迷惑そうだね 信五のくせに 彼は私のアパートの隣に住んでる いわゆるお隣さん 弱冠二十歳の大学生 彼女なし！ （笑） #主役の隣人2

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4 彼女いないのは本人の自己申告 私のしつこい事情聴取の結果← たまにね、一人暮らしの学生さんならひもじい思いしてるだろうと差し入れしたりしてね まあ、完全に興味本位ですが しがない無趣味のOLにはそれくらいしか楽しみがなくてね …ってなんか結構私危ないヤツだね #主役の隣人2

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5 ｢ねー、それよりさ。なんか食べに行かない？」 『そんなお金ありませーん』 私の誘いを振り切って歩を進める ｢もちろんご馳走するって！」 今思えば なんであんなにムキになって誘ったんだろう んー、あれだ、たぶん ───本能？ #主役の隣人2

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6 仕事してー お腹すいてー 食欲が満たされたら 次にくるのは・・・うん “ご馳走”という単語は見事に彼のストライクゾーンに命中 果たして私たちはアパート近くの小さな…常連さんしか行かないようなイタリアンでしこたまワインを飲んで、値段の割には蕩けるような生ハムに舌鼓をうち #主役の隣人2

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7 ───気がつけば朝 なんてことではなくて ｢ねぇ…うちでさ、飲み直さない？」 話せば話すほど 彼の内がチラリでも見えるほど 何故かもっと知りたくなって もっと一緒にいたいって思っちゃったんだよねぇ… #主役の隣人2

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8 その誘いにいやいやながらものった彼に ｢ごめん、ちょっと着替えてくるから、適当にやってて」 そう言ってとりあえずビールを手渡した チェックのネルパンとトレーナーに着替えて お化粧も落とそう、コンタクトも取っちゃえ #主役の隣人2

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9 別にアイツにすっぴん見られたところでね ゴミ出しの時とか、休みの日とか たまに見られちゃったりしてるしね というわけで すっぴんメガネでスパークリングワインとグラスを2つぶら下げて ぼーっとテレビを見る信五の隣へストンと腰を下ろした #主役の隣人2

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10 や、仕方ないじゃん？ テレビ見るにはそこに座るしかないんだもん テーブルにそれを置くと 信五は何も言わなくてもワインの栓を抜いてグラスに注いだ ｢…ありがとう」 『…似合わんで』 ｢何が」 え、すっぴんメガネダメだった？！ 『ありがとうなんて殊勝なん。笑』 #主役の隣人2

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11 なんだ…よかった… ｢ってそこ！？」 『そこって？』 2人してグラスに口をつける ありがとうぐらい言うわ 失礼な グラス越しに 彼の喉がワインを飲み込むために上下に動くのが見えて、目が離せなかった #主役の隣人2

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12 ｢ん、んーっ」 咳払い ｢村上信五くんはほんとーーに、彼女いないのかな？」 モテそうだから いないのが信じられない 『いたらこんなとこけーへんわ』 まあそうか？ いやいや昨今のこはわからんよー？ #主役の隣人2

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13 ソファの座面を背もたれにしていい感じにくつろいでる まるで自分の部屋みたいじゃない？ こいつに緊張の二文字はないのか それはそれでなんか 屈辱？ テレビのサッカー中継に夢中なのとかさ #主役の隣人2

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14 えー、なに？ そういうもん？ は？ 初めてここ、この部屋入れたんだよ？ もっとこう、興味！ 『…なんや？』 いや、わかんない なんや？と言われれば…なんや？ #主役の隣人2

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15 ｢サッカー意味わかんない」 『あー。…チャンネル変えよか？』 彼氏か？！ 言いながら、もうリモコンを持ってボタンを押してる ｢お酒強いね」 『飲まんと大学生なんてやってられんからな』 ｢え？笑 おかしくない？」 #主役の隣人2

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16 『あんねんて。大学生には大学生のそういう付き合いが。まあ、そっちはもう忘れたかもしらんけど』 ｢おいっ」 『なんか変なこと言いましたか？』 はあー、可愛くない そりゃあね、大学卒業したの4年前ですよ でも記憶なくすほど昔の話じゃないってーの #主役の隣人2

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17 ｢あのさあ」 ……。 さりげなく私のグラスにシャンパンをつぎ足す このオトコ… 私の人差し指がムズムズと動く… 『───？』 意外と着痩せしてる筋肉質の上腕二頭筋を撫でた 『なんや？』 ｢ん？──キス…しよっか・・・」 #主役の隣人2

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18 応えはいらないけどね 膝立ちで背伸びして 固まる信五の首に手を回した ｢…ﾁｭ…」 軽く触れて、離れて、彼の残像を味わうように自分の唇を舐めた そしたら 『はー…』 溜息？ #主役の隣人2

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19 『…何してるんすか』 何ってキスですが ｢いやだった？」 何考えてるかわからない目に見下ろされて あ…なんか 急に震える… 『欲求不満なんか』 それは 質問じゃなくて呟きで #主役の隣人2

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20 ｢女だって欲求不満くらいなるんですー」 そんな失礼な言葉に答えたのは 突如襲われた不安から ｢私じゃ不足？」 上目遣いで見上げると 信五の頬の辺りがギリッと動いて 『…後悔してもしらんで』 と、言い切らないうちに─── #主役の隣人2

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21 ｢っ！ん…っ…//」 合わさる唇が 最初から性急過ぎて…笑 覆いかぶさる彼を支えきれなくて テーブルに腰がぶつかる ｢ふっ…うぅ…ん…」 柔らかい舌が何度も何度も絡んでは離れ その度にグラスが倒れないかと冷や冷やした #主役の隣人2

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22 ｢んんっ…信…ちょ…」 急にこんな火がついたみたいに… 童貞じゃないでしょ？ 胸を押すと少しだけ彼の力が緩んだ 『後悔しても知らんて言うたやんけ…』 乱れる息がセクシーで 後悔なんてそんな… #主役の隣人2

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23 でも ｢あの…違うの…グラス、割れそうで…」 『あ…それは、ごめん…//』 え…今の動揺？ 今までそんな狼狽える素振りなんて全然見せなかったのに ちょっと…可愛いい ｢後悔なんてしないから、もう少しゆっくり…しよ？///」 #主役の隣人2

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24 酔ってる 確かに 別に酔いのせいでいい 責めないから だから… 『あっち、行ってええ？』 目で指して 押し付けられる腰が期待に膨らんでいた #主役の隣人2

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25 ベッドの端に腰掛けて さっきとは違って慎重に丁寧に 唇を合わせてたはずなのに ハタチの健康男子のカラダはだんだんヒートアップしてきて 文字通り貪るみたいなそれは私の体も熱くしていく #主役の隣人2