ベイン・オブ・カトー ＃６

ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

シーズン２・第３話【ベイン・オブ・カトー】#6

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（シトカでたくましく暮らすストリート・チルドレン、リロイとジェシは、孤児院仲間のダグの失踪に執着していた。とくにリロイは独自のインスピレーションに従ってジャンク電波受信装置を作成。オーロラ輝くこの奇妙な夜に電磁ゆらぎ信号を独自解釈し、ジェシを誘ってダグの捜索を開始した）

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（幸運にも、あるいは不幸にも、リロイのインスピレーションは、彼らを結果的に意味ある場所へ導いてしまった。辿り着いたイクラ工場の廃墟には過冬のニンジャ「ヴォジャノーイ」が潜んでいたのだ。ヴォジャノーイは廃工場に偽装した謎の選別所の管理を行っており、攫ってきた人間を集め出荷していた）

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（これ幸いとリロイ、ジェシを捕らえ、選別システムにかけんとするヴォジャノーイ。だがその時、第三の侵入者あり。過冬のニンジャを連続殺戮する恐るべき赤黒のニンジャの次なる標的が、このイクラ工場であり、ヴォジャノーイであったのだ！、ニンジャスレイヤーの強烈なアンブッシュが決まった！）

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「ドーモ。ヴォジャノーイ＝サン。ニンジャスレイヤーです」「ドーモ。ニンジャスレイヤー＝サン。ヴォジャノーイです」しとどに濡れ、水苔じみて装束から水をしたたらせながら、ヴォジャノーイはアイサツを返した。彼は憶測を確かめねばならなかった。「貴様……まさかキンジャール＝サンを」　1

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「……ならば、どうする」「やめてくれ」ヴォジャノーイは後ずさった。「俺を……俺をひどくしないでくれ。俺はワイズマンのような、まことの戦士ではない……いわば、過冬の勤勉なるシノギヤクザだ。俺を苛まないでくれ」「勤勉、なるほどな」ニンジャスレイヤーは椅子に拘束された二人を見る。　2

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「それは……違う！選別は俺のシノギだ。誰でもシノギして生きている。貴様だって命を糧に生きているんだぞ！イクラだろうがマグロだろうが、非ニンジャのクズだろうが同じだろう！平等だ！」「どうでもいい」ニンジャスレイヤーは一歩踏み出す。「おれは初めからお前に許しを乞わせる気などない」　3

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「頼む！」ヴォジャノーイは膝をついた。そして右手を掲げた。「マッタ！マッタ！」「……！」ニンジャスレイヤーのニンジャ第六感が何らかの危機を知らせた。彼は横に飛び、避けた。「イヤーッ！」そのコンマ１秒後！水槽から零れ出る水が不意にゲル状生命体じみて動き、槍めいて襲いかかったのだ！4

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SPLAAASH！鎌首もたげた水は床を穿ち、バウンドした！まるで固形物である。「アイエエエエ！」「アイエエエエ！」拘束された二人がもがいた。「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーはヴォジャノーイにスリケンを投擲！「イヤーッ！」SPLAAASH！固形物じみた水はバウンドしてスリケンを受けた！　5

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「こんなところで死んでたまるか」ヴォジャノーイは荒い息をついた。「俺のスイトン・ジツさえあれば、貴様ごときアサシンの一人二人！」その目には激しい恐れがあった。ニンジャスレイヤーは訝しんだ。敵に対する恐怖とはなにか違う性質の感情だった。「イヤーッ！」SPLAASH！水の蛇が襲いかかる！6

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ニンジャスレイヤーは水の蛇を睨み据えた。ナラク・ニンジャからの示唆は無い。避けて反撃の隙をうかがうか。あるいは。「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーは両手を掲げ、渦巻いて貫きに来る水流を抱きかかえるように掴んだ！「ヌウウウ……ヌウーッ！」その目が赤黒く燃え上がり、全身が熱を発する！7

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水の蛇がのたうち、もがく！「バカな」ヴォジャノーイは呻いた。「イイイイヤアーッ！」手甲が、装束が赤熱し、やがてその熱はスイトンの蛇を焼き焦がし、蒸気に変えてゆく！ナムサン！その鋭利なるゲル状が仇となったか！ニンジャスレイヤーは水を焼き切り、ヴォジャノーイの元に達した！　8

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「イヤーッ！」「グワーッ！」ニンジャスレイヤーはヴォジャノーイの顔面を掴んだ！「……サツガイを知っているか！」「サツガイ……？」「イヤーッ！」「グワーッ！」黒炎をヴォジャノーイに流し込む！「やめてくれ」ヴォジャノーイは痙攣した。「キ……キンジャール＝サン……どうかお慈悲を……」9

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(((イヤーッ！)))「アバーッ！？」 「！」ニンジャスレイヤーは怯んだ。反射的にヴォジャノーイから手を離そうとしたが、奇妙な抵抗があった。赤黒の装束に混じった微かに異色の繊維がざわめいた。「アバーッ！」ヴォジャノーイは狂おしく暴れた。だがニンジャスレイヤー……の手は……離さない！10

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「どうか……アアアアア」ヴォジャノーイの悲鳴が、諦念めいたくぐもりに変わった。ニンジャスレイヤーは剥がすようにその手を引いた。既にその異色の繊維はあらかたニンジャスレイヤーの手を伝ってヴォジャノーイの棒立ちの身体に移り終えていた。「アアアア……アアアア」ヴォジャノーイが……！　11

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(((マスラダ！備えよ！なんたる事か……！)))不意にナラクの声がニューロンに戻ってきた！(((トビマッタキ！これはシノビ・ニンジャクランの得意とするシニフリ・ジツの中でも特に油断ならぬジツ！とにかく、オヌシのウカツだ！儂がおらねば今頃……)))「アバーッ！」ヴォジャノーイは叫んだ！12

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「アイエエエ！」「アイエエエ！」拘束椅子で二人の少年が暴れた。(((殺せ！畳みかけるべし！)))ナラクが命じた。ニンジャスレイヤーは状況判断した。「イヤーッ！」「アイエエエ！」「イヤーッ！」「アイエエエ！」少年たちの拘束具を破壊！「イクサの邪魔だ！」「「アイエエエ！」」13

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転びながら逃れてゆく少年たちから向き直ると、既にヴォジャノーイはもとの海藻じみた装束から奇怪な黒装束にその身を変じていた。ざわつく有機物めいた装束がメンポをも形成し、ヴォジャノーイは唸り、目を光らせた。「AAAARGH……第２ラウンドと行こうか……！」　14

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「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーは襲い掛かる！「イヤーッ！」ヴォジャノーイは……否！回転跳躍してコンベアベルト残骸に着地したそのニンジャはあらためてアイサツしたのだ！「ドーモ。キンジャールです」装束が指先に伸び、奇怪なクナイ・ダガーを形成してゆく……！　15

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「ドーモ。ニンジャスレイヤーです」ニンジャスレイヤーは再度のアイサツに応じる。（隠れていた？ジツの力だと？）(((トビマッタキには謎が多い)))ナラクが憮然と答えた。(((儂は彼奴のジツを振りほどき、駆除する事を試みた。しかし鬱陶しくも耐えおったわ！そしてサンシタを利用した！))) 16

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ナムサン……爆発四散した筈のキンジャールが粒子じみてニンジャスレイヤーの装束に付着し、死から隠れ逃れたというのか？何たるシノビ・ニンジャクランのジツの怪奇極まるさまか！「キ、キキキ、キンジャール＝サン、どうか」ヴォジャノーイが呻いた。「どうか、お慈悲……」　17

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「イヤーッ！」キンジャールはクナイ・ダガーを投擲！「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーはフリップジャンプで回避！キンジャールは跳躍方向へもう一つのクナイ・ダガーを投擲！「イヤーッ！」ニンジャスレイヤーは空中でこれを弾き飛ばす！「イヤーッ！」既にキンジャールは跳び、接近！　18

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「「イイーヤヤヤヤヤヤ！」」空中で六度の打撃を応酬したのち、二者は互いを蹴って着地した。「スウー……フウーッ……！」ニンジャスレイヤーは深く呼吸し、己の身体に黒炎を循環させる。コンベアベルト残骸を挟んでキンジャールを睨む。そして言った。「おれは確かにお前に致命打を食らわせた」　19

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「だが俺は今こうして貴様を仕留めに来たぞ、ニンジャスレイヤー＝サン」キンジャールは再び装束からクナイ・ダガーを生成した。「貴様は俺を倒す事はできん」「今の打ち合いでわかった」ニンジャスレイヤーはさらに言った。「貴様は死んでいる。後生大事にしていた貴様の武器もここには無い」20