法で弾き出される混血児たち 〜 ゲットーから収容所まで
- nirvanaheim
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日本人は村八分や嫌がらせ程度の経験しか積んでこなくて、弾圧や迫害というのがどういうものかよく分かっていないから、ナイーヴなことばかり言うので困る。二次大戦中ですら、欧米系日本人を収容所作ってぶち込んだりもしてないからな。太平洋の向こうでは日系人は財産喪失の上収容所行きだったのに。
2010-03-30 22:38:58ちなみに、日系アメリカ人は、十六分の一日本人の血が混じっていれば収容所行きだったわけですが、ここから思い出されるのは反ユダヤ主義の本場スペインにおける、「血の純潔令(Estatutos de limpieza de sangre)」です。
2010-03-30 22:53:41イスラム諸国家の最後の拠点グラナダが陥落し、いわゆるレコンキスタが終わってから、新スペインの領内では政治的統一に合わせて宗教的統一が図られ、ユダヤ教徒やイスラム教徒の強制改宗が進められ、改宗したくないなら数ヶ月猶予をやるから国外退去しろ、とかやっていたわけです。
2010-03-30 22:59:32で、元ユダヤ人の改宗キリスト教徒もそれなりの数生まれたわけですが、人民にとって、基本的にことは宗教的問題というよりは共同体の問題ですので、改宗したからと言ってそう簡単に俺たち一緒のキリスト教徒だ、と認めてやることはないわけです。
2010-03-30 23:02:27改宗ユダヤ人は「新キリスト教徒(cristianos nuevos)」と呼ばれ、血が汚れているとされました。「旧キリスト教徒(cristiano viejo)」はもちろん、血統が清純であるというわけです。これを規定した法が「血の純潔令」です。
2010-03-30 23:04:46これは文字通り「血の純潔さ(limpieza de sangre)」に関する法令なわけですが、具体的には、四代遡ってユダヤ人がいなければ、まあ正真正銘のキリスト教徒ということにしてやろう、という寸法です。20世紀アメリカ人も似たような発想をしていたな、とこの辺で思い当たりますね。
2010-03-30 23:07:27ちなみに、元々ユダヤ人は領主から特別な許可を得て、概ね専門技能を以て都市に住み、という連中でしたので、いわゆるハイソサイエティにはユダヤ人、並びにその血をひく者がゴロゴロいました。初代スペイン王のフェルナンドもそうです。王国確立後の史書ではその辺は上手くなあなあにされています。
2010-03-30 23:10:15民衆は「あの大貴族の○○はユダヤ人だ」とか貶して馬鹿にしたりと暢気なものです。王の顧問官にも、農民出身者しかなれない時代とかがありました。何故農民かというと、都市に関わりを持たず=ユダヤ人に関わりを持たず、血を純潔に保ってきた証明、になるからです。
2010-03-30 23:13:01ついでながら、この時代に「イエズス会だ!」とか言い出した連中、ロヨラやザビエルがバスク人だったこともこの辺と関係があると言えましょう。モンターニャやバスクの出身者もまた、都市部にいてユダヤ人と関わったりしないという証になったからであり、まさに血の純潔を誇っていたからです。
2010-03-30 23:16:36グラナダの王女の瞳が星になる話があるんだが、これを最初に聞いたとき、スペイン人はグラナダ人の目ん玉繰りぬいて楽しんでたのかなとしか思わなかった程度にはスペインのことを理解しているつもりだ。
2010-03-30 23:03:59