魔女専門賞金稼ぎと魔女じゃない賞金首。あと実は賞金首じゃない海賊【短編SS】

童話に興味を持ったアシェンプテルbot @manabuAschesama

【あとがきみたいなオマケ】 またロビンが主人公じゃないか！ 原典ロビンフッドを語る上で欠かせないのが「殺生」に関するお話です。お話にもあった通りロビンは「人をうっかり殺めてしまった」のが切っ掛けで森に隠れ住むアウトローとなります。なのでどんなに悪いヤツ相手でも殺しだけはしない

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しかしその例外が「自分や仲間に仇なす者が現れた時」です。彼は義賊をやってるけど本気で来られたら本気でやり返す。そこはシビア。そこは甘くない。中世だし。それがまたかっこいいんですけど。 元のお話も読んでもらえると嬉しいです。 pic.twitter.com/10XD6auLiV

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【昨日のオマケ】 賞金稼ぎと賞金首と…実は賞金首じゃない男のおはなし それと私掠船(プライベーティア)の解説をするドロシィbot ※童話解説じゃないのでアシェンは出てこない

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「ロビンのあんちゃんはええ酒持ってんなぁ。ついつい来てしまうわぁ」 「ドロシィさん、アイアン・フックを処しましょう」 「いきなりやなアンタ。お話には前置きが要るやろ」 「悪党を捻り潰す協力者が欲しいんです！」 「あんちゃんえらい大物なんかしょーもない小物なんかたまに分からんくなるな」

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「いいじゃないですか！私はあの悪党を始末できる！貴女は賞金をいただける！win-winでしょう！」 「うわセコい！でもウチはやらんで。賞金稼ぎは勝てる相手としかやらん。悪いけどウチはアンタ程崇高やないから、理想ではたまにしか動かん」 (たまに動くんですか…まあ良い子そうですもんねこの子)

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「理由はもう一個ある。あの爺さんアイアン・フックはな…指名手配されてへんねん」 「…えっ嘘！？何故です！？海賊ですよ！民から略奪してるんですよ！」 「略奪はアンタもしとるやん」 「私はいいんです。悪い貴族の金にしか手をつけないので」 「アンタ自分の行動にホンマ疑問を持たんのな」

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「まあせやな。あの爺さんは何の罪もない民からも奪う。アンタは悪い奴相手でも綺麗な金には絶対手付けん(原典リチャード卿の借金のエピソードより)」 「なのに何で私が指名手配されてアイツは指名手配されないんですか！おかしいでしょう！」 「あの爺さんは私掠船(プライベーティア)やからな」

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「私掠船(プライベーティア)…？」 「そ。前嶋大先生がいっぺん言及しとったからこの単語に聞き覚えある人もおるんちゃう？」 「まえじま…だいせんせい…？」 「あーウチらでは認識できん創聖のようなお方が言っとったって事」 「それで何です？プライベ…って？」 「簡単にいえば国公認の海賊や」

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「国公認！？国が悪党を公認制度なのですか！？」 「考えてみ。国としては海軍を編成するとやっぱ金が要る。でも海賊が味方になればその必要が無くなり、オマケに略奪品の分け前まで取れる。海賊としても分け前を少しやるだけで国から追われんくなる。 お互いにwin-win。それが私掠船や」

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「私掠船で有名なんはフランシス・ドレイクやな。フックのコンセプトにしたって前嶋大先生も仰っとった」 「ドロシィ、何の話を？」 「このドレイクは海賊でありながらイギリス軍副司令として敵国スペインを倒した軍人でもある。太陽を落とした女ってな！あ、男か」 「貴女、何か見えてるんです？」

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「それが私掠船や。アシェンみたく説明できたやろか？」 「海賊でありながら軍人…だから指名手配されないと」 「ま、そういう事だ。ロビンフッド」 「き、貴様アイアン・フック！」 「おおっ、これがジョン・シルバーすら恐れた本物のフック…！あぁ〜ウチ悪い賞金稼ぎやないで。ホンマホンマ」

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「公認だからと言って私はお前を認めないぞ！」 「ふん、別に俺は正義を気取りたいわけじゃない。港を守るのも俺のバックにいる女王の命令だから。こうして闇の軍勢と戦うのも女王の命令だから。それだけだ。命令が無ければ俺はまた略奪をする。それが海賊だからな」

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「正義の反対とはまた別の正義…などというのは複雑に考え過ぎた小賢しい人間の戯言よ。正義の反対はやはり悪だ。 民を救うお前は正義で、民を虐げる俺は悪。そこは絶対に変わらん」 「潔いですね」 「言っただろう。俺は正義を気取りたいわけじゃない。そんな柄でもないからな」

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「だがロビン、俺とお前はつまらん小競り合いをしている時ではないだろう。やる事があるはずだ」 「…闇の軍勢を討ち倒す、ですね」 「分かっているならこんな下らん企てをするな」 「…今回はお前が正しいな。すまなかった」 (ほぇ〜…ロビンの正義を否定する事なく場を治めたで…！爺さんやるなぁ)

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「フック、非礼を詫びる。お前の戦力には期待している」 「俺もお前の腕だけは買っている。よろしく頼むぞロビン」 「はぁ〜…一時はどうなるかおもたけど良かったわぁ」 「しかし貴様ら昼間から酒盛りか。気楽な奴等……随分安酒を飲んでいるのだな」 「えっ」 「えっ」

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「フック、き、貴様何を…！」 「いやこれも結構な上物やと思うんやけどなぁ…」 「ああそうか。貴様ら程度ではこの程度の酒すら高級品になるのか」 「「！！！！！！！！！」」 「そうか分かったで…！あんちゃんフックの服見てみ」 「…大阪駄洒落？」 「ちゃうわ！ええから服見やんかい！」

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「服って…軍服風のコートで身なりも良く………ああっ！」 「ええおべべ。整備で金かかりそうな義手。そして高い酒…！私掠船は国公認だから…！」 「「様々なバックアップも付く…？」」 「はっはっはっは！義理だけじゃ飯は食えんぞ！貧乏人ども！」 「〜〜〜〜〜ッッッ！！！」

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「もっと頭を使うんだな！」 「落ち着きや！ロビンのあんちゃん！もう喧嘩せんって言うたばっかやん！」 「離してくださいドロシィ！最早正義だの悪だのどうでもいい！！なんかもう…とにかく絶対に許してはならない！！！」 「アンタさっきよりキレてへん！？待ちーや！ロビーン！！」【終】