2018-05-18のまとめ
上層ホワイト以外の職業的地位の分布をみると,外国人男性は日本人男性と比べて,生産工程職に多く就く一方,事務,及び販売といった職業に就く者が少ないことがわかる.特にブラジル人男性でこうした傾向が強いことは,梶田他(2005)などの先行研究において明らかにされてきたように,
2018-05-18 23:17:51日系ブラジル人はその属性にかかわらず,ブルーワーカーとして働くことが多いということと一見,整合的である.また,中国人男性でサービス職業が多いことは飲食業(調理人)で働く者が多いことを17,農林漁業が多いことは技能実習生としての就労が多いことを反映したものと考えられる
2018-05-18 23:17:52日本人及び外国人男性の管理的職業並びに正規事務職従事者割合(年齢,学歴別,2010年) pic.twitter.com/DdkrVq21C8
2018-05-18 23:17:52学歴と専門的・技術的職業従事者の割合との関係をみると,学歴の上昇に伴って同割合が大きくなることがわかる.
2018-05-18 23:17:52また,国籍間の差異をみると,日本人男性は高専/短大卒までは外国人男性よりも専門的・技術的職業に就く傾向を示すものの,大学/大学院卒では中国人男性の方が多く同職業に従事するようになる.これは高学歴中国人男性の間で人的資本の移転可能性が非常に高い可能性を示唆するものである.
2018-05-18 23:17:53その一方で,ブラジル人男性は学歴水準の上昇による同割合の上昇をわずかしか経験しないことから,人的資本の移転可能性が大きく制限されている可能性を見て取ることができる.
2018-05-18 23:23:14日本人及び外国人男性の専門的・技術的職業従事者割合(年齢,学歴別,2010年) pic.twitter.com/04xATH3RG1
2018-05-18 23:23:14学歴と労働参加人口に占める管理的職業,並びに正規事務職従事者割合の関係をみると, 外国人男性の場合,学歴が上昇しても日本人男性ほど同割合は上昇しないことがわかる.
2018-05-18 23:23:15また,その水準も全ての学歴において日本人男性よりも低い.こうしたことから,海外で取得した学歴は日本型人事制度の中ではおしなべてほとんど評価されず,その人的資本の移転可能性は極めて低いと言える.
2018-05-18 23:23:15日本人及び外国人男性の専門的・技術的職業従事者割合(2000-2010年) pic.twitter.com/NrKhPxOMxh
2018-05-18 23:23:15専門的・技術的職業従事者割合の変化をみると,日本人男性では同割合が16.1%から14.7%に低下しているものの,中国人男性では同割合は21.3%から23.3%に上昇していることがわかる.これは日本人男性の職業的地位達成の状況がこの間,悪化したにもかかわらず,
2018-05-18 23:23:16中国人男性ではこれがむしろ改善したことを示唆するものである.一方,ブラジル人男性はともとの水準が低い上にその改善幅も1ポイント弱と小さいものの,1.4%から2.3%へと上昇している.
2018-05-18 23:23:16日本人及び外国人男性の管理的職業並びに正規事務職従事者割合(2000-2010年) pic.twitter.com/Gz9U2Ispk7
2018-05-18 23:23:16管理的職業並びに正規事務職の割合を見ると,日本人男性は16.1%から18.9%と2.8ポイントの上昇を示した一方,中国人男性は7.3%から11.7%へと4.4ポイントの(より大きな)上昇幅を示している.
2018-05-18 23:23:17(・д・)ホォー 中国人男性では,専門的・技術的職業にとどまらず,管理的職業並びに正規事務職においても,職業的地位の上昇が見られたことは,外国人の職業的地位達成が日本の労働市場のメインストリームにも広がりつつある可能性を示すものである.
2018-05-18 23:23:18上層ホワイト(専門的・技術的職業)就労確率に関する推定結果 pic.twitter.com/DhMQ637GW6
2018-05-18 23:23:18学歴の主効果(日本人男性に関する結果)を見ると,学歴の上昇に伴って専門的・技術的職業での就労確率が上昇している.さらに学歴の職業的地位に与える効果の国籍ごとの違いに着目すると,記述統計によって確認したのと同様,
2018-05-18 23:23:19大学/大学院卒を卒業している中国人男性は,日本人男性よりも高い確率で専門的・技術的職業に就いていることが明らかになった.これは,高学歴中国人男性の海外で取得した学歴の人的資本の移転可能性が非常に高いことを示すものである.
2018-05-18 23:23:19上層ホワイト(専門的・技術的職業)就労確率に対する学歴の効果(再掲) pic.twitter.com/DJixmX41sj
2018-05-18 23:23:19外国人男性の専門的・技術的職業での就労確率は日本人男性のそれよりも低く,海外で取得した学歴に対する評価が相対的に低いこと,つまり外国で取得した学歴の移転可能性が概して低いことがうかがわれる
2018-05-18 23:23:20(。 ・ω・))フムフム 高学歴中国人男性の間でみられる高い人的資本の移転可能性の背景には,外国人IT技術者の受入れを促進するため,2000年代以降,日本政府がアジア諸国と情報処理技術に関する資格の相互認証を拡大して来たことがあると考えられる(松下2014:69-73).
2018-05-18 23:23:20実際,中国人男性が就く専門的・技術的職業の内訳を見ると,「システムコンサルタント・設計者」,あるいは「ソフトウェア作成者」の占める割合が36.5%を占めるなど,日本人男性における同割合(16.6%)の倍程度となっていることは,こうした推論の妥当性を示すものといえよう.
2018-05-18 23:23:20上層ホワイト(管理的職業並びに正規事務職)就労確率に関する推定結果 pic.twitter.com/GgLXRFjjas
2018-05-18 23:23:21上層ホワイト(管理的職業並びに正規事務職)就労確率に対する学歴の効果 pic.twitter.com/ltyXfOfRej
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