アニメカイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡を巡る旅、F-エフ-1話脚本:「前に行く」男

まきもgpfb @makimogpfb

カイジが好きで始めた、カイジのシリ構・高屋敷英夫さんの歴史を追うシリーズの続きやります。今回は、F-エフ-1話脚本。 前回は、ベルサイユのばら18話コンテ。 ブログ:makimogpfb2.hatenablog.com/entry/2018/05/… ブログ関連ツイートまとめ:togetter.com/li/1227033 他: togetter.com/id/makimogpfb

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高屋敷氏脚本F-エフ-1a アニメ・F-エフ-は、六田登氏の漫画のアニメ化作品。 破天荒だが天才的な運転技術を持つ青年・赤木軍馬が、レーサーとなって数々の熱い勝負を繰り広げていく。 監督は真下耕一氏で、高屋敷氏はシリーズ構成・全話脚本を務める。 今回は、コンテが真下監督、演出が石山貴明氏。

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高屋敷氏脚本F-エフ-1b 詳細は、ブログに書きました: F-エフ-1話脚本:「前に行く」男 - カイジのシリーズ構成・高屋敷英夫さんの軌跡 makimogpfb2.hatenablog.com/entry/2018/05/… #はてなブログ

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高屋敷氏脚本F-エフ-1c 今回の話: 群馬の大富豪・赤木総一郎の愛人(故人)の息子、赤木軍馬は、無免許だが天才的な運転技術の持ち主で、親友・タモツが改造したトラクターで爆走する日々。 だが軍馬は、BMWを駆るレーサー・聖に敗北。後日、聖と再会した軍馬は、改造スターレットで彼に再び挑む。

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高屋敷氏脚本F-エフ-1d OP開始時、「つよさ…」「よわさ…」「はかなさ…」「じぶん…らしさ…」という、意味深な文字が浮かぶ。 高屋敷氏の発するテーマに、「自分とは何か」「どういう自分になるかは、自分で決めろ」というものがあり、それがもろに表れている。 pic.twitter.com/7OYgpPaRhP

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高屋敷氏脚本F-エフ-1e 前述の、OPに出てくる言葉に「…」が多いのは、同氏が脚本参加した、あしたのジョー2のサブタイ法則、「“…”を入れる」を適用しているからと考えられる。 シリーズ構成、全話脚本ともなれば、高屋敷氏の発するメッセージはかなり濃厚。

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高屋敷氏脚本F-エフ-1f 開幕に、意味深な太陽と花の描写がある。高屋敷氏の特徴として、「自然の活躍」があり、それは演出作・脚本作両方で確認できる。家なき子演出、めぞん一刻脚本と比較。 ちなみに、めぞん一刻は本作の前番組。 めぞん一刻でも、葉や花など、意味深な自然の描写が多かった。 pic.twitter.com/xMItnhkmCp

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高屋敷氏脚本F-エフ-1g 続いて、よそ者達の乗るカマロ(車種名)の登場時に鳥が飛ぶ。 長年一緒に仕事した出崎兄弟ゆずりの鳥演出は、高屋敷氏の演出・脚本作ともに頻出。ベルサイユのばらコンテ、空手バカ一代演出/コンテ、カイジ脚本と比較。 他も多数。 pic.twitter.com/sUsnTQXdYT

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高屋敷氏脚本F-エフ-1h 改造トラクターに乗る軍馬と、彼の親友・タモツは、カマロに乗る青年達に煽られる。 その際、軍馬はバカにされて煙草を鼻に突っ込まれる。この、煙草のくだりはアニオリで、煙草演出を強調する高屋敷氏の個性が見られる。太陽の使者鉄人28号脚本と比較。 煙草を捨てる描写も多い pic.twitter.com/jaCbq5JpOG

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高屋敷氏脚本F-エフ-1i バカにしたお礼とばかりに、軍馬は超絶なドライビングテクニック(ちなみに無免許)で改造トラクターを駆り、カマロをぶっちぎるが、自分達も転倒して、肥溜めにはまってしまうのだった。ここのカーアクション作画は超絶。 原画陣も、エヴァのキャラデで有名な貞本氏ほか、豪華。 pic.twitter.com/Uefifd8Ov2

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高屋敷氏脚本F-エフ-1j その後も軍馬は懲りもせず、女の子達(原作ではソープ嬢達)をトラクターに乗せて夜の街を爆走する。 当然、軍馬は警察に怒られるわけであるが、大富豪である父・総一郎の権限で放免となる。 軍馬は家庭内で孤立しており、「孤独」描写を長年描いてきた、高屋敷氏の作風とマッチ。 pic.twitter.com/ShGsVgc7xb

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高屋敷氏脚本F-エフ-1k その後、総一郎は1人囲碁を打ちながら、軍馬や、亡き軍馬の母(総一郎の愛人)のことをなじり、軍馬はそれに激しく反発する。 蒼天航路脚本では、曹操が父と仲良く囲碁を打つ場面があり、まるで作品を越えて赤木父子が救済されたような感慨がある。演出も、重なるものがある。 pic.twitter.com/xrR8TIJcvl

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高屋敷氏脚本F-エフ-1l 総一郎は軍馬を、自分の「出来の悪いイミテーション」のようだと吐き捨て、父子の溝は更に深まる。 軍馬は鬱憤を晴らすように、今度はタモツをトラクターに乗せ暴走。タモツが「どこに行くんだ」と尋ねると、軍馬は「前だ。前に行くんだ」と答える。これはアニメでの追加台詞。

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高屋敷氏脚本F-エフ-1m 高屋敷氏は、カイジ脚本でも、「前だ！もっと前に行くんだ」というモノローグを追加しており、演出参加した家なき子のテーマの1つ、「前へ進め」への強い思い入れが窺える。 軍馬の「前に行くんだ」が、カイジに継がれて「“もっと”前に行くんだ」になっているのは感動的。 pic.twitter.com/rmINEqjMir

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高屋敷氏脚本F-エフ-1n 軍馬の爆走が止まらぬ中、1台のBMWが勝負を挑んで来る。運転するのは、プロのレーサー、聖であった。 原作と違い、恋人のルイ子も乗っており、彼女はタバコに火をつける。ここも高屋敷氏の、煙草へのこだわりが感じられる。あしたのジョー2脚本と比較。 pic.twitter.com/1jacjckxVV

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高屋敷氏脚本F-エフ-1o 結局、軍馬達はプロである聖のBMWに敗北し、川に転落してしまう。 後日、軍馬はタモツの家を訪ねる。その際、軍馬は鶏から卵を奪って食べる。 ほぼ原作通りの場面だが、はだしのゲン2脚本にて、原爆ドームに巣を作った鳥の卵を、ゲン達が食べる場面に重なる。 pic.twitter.com/qPhukqGOym

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高屋敷氏脚本F-エフ-1p 軍馬は納屋にて、タモツが知人からチューンを頼まれていたスターレット(車種名)を見つける。慌てるタモツであったが、「友達だよな」と迫る軍馬に参って、運転を許してしまう。ここの演出が、元祖天才バカボンの高屋敷氏演出/コンテに重なる。かなりのシンクロで、驚いた。 pic.twitter.com/GIuOgklw1s

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高屋敷氏脚本F-エフ-1q 改造スターレットで爆走する軍馬であったが、偶然にも聖のBMWと再会、すぐに聖を追いかける。 タモツは、軍馬の動体視力や状況把握能力に驚愕する。原作通りだが、アカギ脚本にて、アカギの才に驚愕する南郷と重なる。構成の組み立て方に共通性があるためか。 pic.twitter.com/5bbyqInpKr

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高屋敷氏脚本F-エフ-1r 改造スターレットをもってしても、聖のBMWとはスペック差があったのだが、軍馬はとんでもないショートカットをして、聖に追い付く。 聖も聖で熱くなり、ルイ子に「相手はまだ子供よ」とたしなめられる。 こういった「男の童心」描写は、高屋敷氏の得意とするところ。 pic.twitter.com/yjrPP9IWi6

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高屋敷氏脚本F-エフ-1s 車体をぶつけながら煽ってくる聖に対し、軍馬は自分の服を、聖の車に向かって投げつけ、運転を妨害する。原作では、更にとんでもない(放送できない)行為もする。脱衣や裸は、アイデンティティーの如何を絡めて、高屋敷氏の演出や脚本で強調される(カイジ然り)。 pic.twitter.com/WGOTV3uJUc

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高屋敷氏脚本F-エフ-1t 脱ぐものがなくなって全裸の軍馬は、米国から帰国した軍馬の異母兄弟、将馬・雄馬と、総一郎を乗せた車とすれ違う。総一郎は、更に怒りを募らせるが、温厚な雄馬は、軍馬を「元気そう」と評す。この場面は、どこか出崎演出的で、出崎兄弟と縁深い高屋敷氏が脚本であるのは劇的。 pic.twitter.com/RzLepui9Tb

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高屋敷氏脚本F-エフ-1u 結局の所、スターレットはガードレールに激突、勝負は終わる。 アニオリで、聖の背後に夕陽が映る。太陽や月の意味深な「活躍」は、高屋敷氏の作品には頻出。 元祖天才バカボン演出/コンテ、ベルサイユのばらコンテ、あしたのジョー2脚本と比較。 pic.twitter.com/EhOpNhtxWr

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高屋敷氏脚本F-エフ-1v 車を降りても聖と軍馬は衝突。軍馬は聖に殴りかかるも返り討ちにあい、吹っ飛ばされる。 聖は「サーキットじゃな、お前より速いやつは五万といるんだぜ」と言い残し、去る。 この台詞は、終盤のアニオリ場面で非常に重要になってくる台詞らしいので、覚えておきたい。 pic.twitter.com/Sr2ttS7AWR

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高屋敷氏脚本F-エフ-1w ちなみに聖は、どことなく雰囲気が「あしたのジョー」のホセや力石に似ている。 高屋敷氏は脚本で、あしたのジョー(特に2)に深く関わっており(2の最終回含む)、なかなか運命的なものを感じる。 高屋敷氏が意図的に、聖のキャラをホセや力石に寄せている可能性もある。 pic.twitter.com/CCbJlWIsRK

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