喪な魔女が少年淫魔を呼び出したら誘惑してきたから「お前ごときにたぶらかされるはずないだろ」と拒むけど結局どはまりしちゃう話

タイトル通りだよ。
36
帽子男 @alkali_acid

いそいそと壁を直している淫魔を見ながら魔女はむっつり。 「壁塗りなどどこで覚えた」 「お使い先ですよぅ」 「本当に器用だな」 「えへへ」 「壁がこうなったのも、元をたどればお前のせいだがな…」 「ええ…」

2018-05-04 12:33:44
帽子男 @alkali_acid

少年淫魔はまたしばらく出かけて戻らない。魔女はそのあいだに天井を四回、壁を二回、床を三回打ち破った。薬の威力が強すぎたり、くしゃみで呪文を働かせたりしたせいだ。 「あの林檎ジャムは…うかつに食べるべきではなかったな…」 「ご主人様、もどりました!」 またもぼろぼろ。

2018-05-04 12:35:24
帽子男 @alkali_acid

「今度はなんだ」 「東の方の宝ものだそうです」 黒い女の髪を編んだ縄だといい、細くしなやかだが、東の国では象とかいう怪物をつなぐこともできるのだとか。 「どうしろと」 「これを首輪につければ、ご主人様がくしゃみで壁を飛ばしたりしなくなると思います」 「…ふざけるな」

2018-05-04 12:37:53
帽子男 @alkali_acid

首輪につけてみると、なるほど力は抑えられる。寝ぼけて家を壊さずに済むようになる。 「ふだんは幻の中に隠してしまえば目立ちませんよ。それにご主人様の髪と同じ色だからとっても似合います」 「似合ってもちっともうれしくない」 夜は裸身に首輪という姿で、淫魔に手綱をとられたまま眠る魔女。

2018-05-04 12:40:39
帽子男 @alkali_acid

「どちらが使い魔か分からん」 「僕ですよ!」 「こいつ」 「うぇううう」 少年淫魔の頬をつねりあげながらも、魔女は底なし沼のような相手の奉仕にはまってしまったと気づかざるを得ないのだった。

2018-05-04 12:44:55
帽子男 @alkali_acid

なお貞操はまだ無事。

2018-05-04 12:45:33