ゴリラ・人類学無用論への批判から、人類学の役割に関する議論へ。ナウシカの比喩から考える人類学の在り方とは?

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人類学不要論に対して批判をする亀井氏。その「言い方」が人類学者以外の人たちに、人類学の在り方をめぐる議論を引き起こす。

KAMEI Nobutaka @jinrui_nikki

ん?こちら文化人類学ですが、何かご用でしょうか。 小林喜光・経済同友会代表幹事 「国立大学は「時代に対する感性」があまりになさすぎる。たとえば生態学とか生物学、文化人類学とかゴリラとか。否定はしないけれど、比率の問題だ」 kyoiku.yomiuri.co.jp/torikumi/jitsu…

2018-05-27 07:06:28
KAMEI Nobutaka @jinrui_nikki

文化人類学者は、人間のカテゴリーをめぐるプロなんです。 ・大晦日の顔の黒塗り番組の件でも ・女性による土俵上での救命措置についても ・日本化学会による不適切動画についても よい着眼点、コメントをもっているのです。 どこが「時代遅れの役立たず学問」やねん!と私は主張したい。なめなさんな twitter.com/jinrui_nikki/s…

2018-06-11 22:47:10
KAMEI Nobutaka @jinrui_nikki

どういう意思決定があったのか知りません。日本化学会の良識に委ねます。 私の関与について書いておきます。「文化人類学に関わりをもつ知人」3人が、そろってこのことを問題視。私も共感して、昨日拡散。翌日、巨大学会の執行部が動くに至った。文化人類学関係者のアンテナって敏感だ、と思いましたよ twitter.com/jinrui_nikki/s…

2018-06-11 22:26:12
KAMEI Nobutaka @jinrui_nikki

多様な価値観に寛容であるべき文化人類学が、同時代の問題に正義のナタを振るってよいのか、みたいな指摘はあるだろうし、私も常にそれをかみしめて考えている。でも、人種主義、優生思想、セクシズムのような、人類の対等な対話のアリーナを破壊する思想には寛容であってはならないというのが私の立場 twitter.com/jinrui_nikki/s…

2018-06-12 21:57:49
KAMEI Nobutaka @jinrui_nikki

私が、ことあるごとにこういうことを言うのは。やはり、この財界人の侮蔑的な発言に見えるような価値観に対する、ひとつの矜持の示し方なのだと思う。 >> 小林喜光・経済同友会代表幹事 「国立大学は「時代に対する感性」があまりになさすぎる。たとえば生態学とか生物学、文化人類学とかゴリラとか」 twitter.com/jinrui_nikki/s…

2018-06-12 21:50:48
KAMEI Nobutaka @jinrui_nikki

文化人類学が、内省的、自己批判的であろうとし、多様な他者への配慮から、強くモノを言わずにきたこの半世紀。結果として、排外主義的な言説の跋扈を許してしまったという現状を見つめねばならないと私は考える。 ボアズやレヴィ=ストロースが、時に明快に同時代に発言してきた経緯などを思い起こす twitter.com/jinrui_nikki/s…

2018-06-12 22:18:04
KAMEI Nobutaka @jinrui_nikki

いろいろな人との対話のなかで感じる文化人類学への誤解とは、「文化人類学は他者を調べてネタにする学問だ」と思われていること。そうじゃないよ、人間の自画像を創り、修正し続けている学問ですよ。 それこそ「YOUは何しに」という問いではなく、そのYOUも含めた「WEは何しに」を問うているのですよ

2018-06-12 22:53:01
慈永祐士 @jiei_yushi

いやさ、スリランカから見ると、文化人類学って微妙なんですよ。文化人類学の研究者、スリランカを未開文明の文化が残ってるところだと思って来るからね。貴重な文化遺産が残ることを誇っていいのか、動物園の動物だと思われているのかよう分からんわけよ。

2018-06-12 23:34:59
慈永祐士 @jiei_yushi

したがって、文化人類学のプロの方は、多文化を平等に見ているというけれども、その辺ほんとうにそうなのか信用できないところがあるし、実際フィールドワーク時のプライバシーをぞんざいに扱ってるスキャンダルの話なんて事欠かない。

2018-06-12 23:37:56
慈永祐士 @jiei_yushi

スリランカでの理解のされ方では、文化人類学と社会学とは根本的にほぼ同じもので、アメリカ経由で発展したものを文化人類学とみなしているふうな感じですけど、同じものなら社会学のほうがいいという感じなんですよね。文化人類学は未開人に対する視線という含意を感じるから。

2018-06-12 23:41:09
慈永祐士 @jiei_yushi

真摯に取り組んでおられる文化人類学の研究者の方には申し訳ないけれど、あのような物言いをされれば「それならこちらも言わせてもらいますけどね」ってなりますよ。

2018-06-12 23:48:19
第4インター系 @Lev1026

@jiei_yushi 「文化人類学」って言葉に既にコロニアルなイメージが定着しちゃってますもんね。これはちょっともう取り返しが付かない。

2018-06-13 00:02:27
慈永祐士 @jiei_yushi

@Lev1026 文化人類学は、人類のすべてについて包括的に掘り下げる唯一の学問といったふうな感じでスタートしたところがありますけど、それ自体にロマンも感じますけれど、あまりにその辺りのコロニアルなところに無反省だとちょっと言いたくなりますね。

2018-06-13 00:10:10
第4インター系 @Lev1026

@jiei_yushi その視点を獲得したのが当時の「先進国」だから致し方無いところはあると思うんですけどね。取材の仕方とか「それ同じ事、自国民に出来ないだろ」ってのが多かったのではと。

2018-06-13 00:14:45
慈永祐士 @jiei_yushi

自分らだけが多様な価値観を外観できるプロで、大ナタを振るえるのだという物言い、学問に対し、人間に対し、そして文化というものに対する謙虚さが全く感じられない。

2018-06-13 01:31:10
谷 憲一(꧁𝓚𝓮𝓷𝓲𝓬𝓱𝓲 𝓣𝓐𝓝𝓘꧂) @tkstpauli

@jiei_yushi @Lev1026 その点に関してはWriting Cultureという著作をはじめ、80年代後半に人類学内部でさんざん議論されています。ただまあ現実には大学の過程として人類学があって論文を生産しなければならないという現実もあるので、実際の人類学者の振る舞いがこうした議論を反映していないというのはあるでしょう。

2018-06-13 02:19:50
谷 憲一(꧁𝓚𝓮𝓷𝓲𝓬𝓱𝓲 𝓣𝓐𝓝𝓘꧂) @tkstpauli

人類学内部の話と、外から人類学に期待されている像が違うというのはある。

2018-06-13 00:12:44
谷 憲一(꧁𝓚𝓮𝓷𝓲𝓬𝓱𝓲 𝓣𝓐𝓝𝓘꧂) @tkstpauli

まじめな話、スリランカでの人類学者の蛮行を民族誌的に記述して、内省人類学の議論とうまく接合すれば人類学の業績になります。

2018-06-13 11:01:49
kamomé @goeland_argente

「人間のカテゴリー」という言葉が批判されているようだけれど、おそらく『人というカテゴリー』という本のことが念頭にある表現なのではないかな。原題はHuman Categoryですね。 amazon.co.jp/dp/4314007079/… #Amazon

2018-06-13 00:11:14
kamomé @goeland_argente

「古代のギリシャ・インド・中国から、近代のアフリカやパプア・ニューギニアに至るさまざまな社会の事例が紹介され、またヨーロッパの思想史が振り返られ、それぞれの場所で「人」の概念がどのように形成されているかが、議論の的になる。」kinokuniya.co.jp/f/dsg-01-97843…

2018-06-13 00:13:40
kamomé @goeland_argente

“そこでは何が普遍的なのか、何が文化によって変化するのか。本書は、人間存在の最も基本的な部分にかかわる議論であるとともに、「カテゴリーの社会史」ともいうべき方法による西欧近代の問い直しの試みともなっている。”

2018-06-13 00:15:56
kamomé @goeland_argente

グールドの『人間の測りまちがい』は人類学者も大抵が読んでいるし、「人間のカテゴリー」という言葉くらいで人類学者を悪く言うのはどうかなと思ってしまいます。 kawade.co.jp/np/isbn/978430…

2018-06-13 00:44:04
Akinori Hamada @wasurenakusa

旧植民地の人たちが人類学に負のイメージを引きずっているというのはよくあることなんだろうなとは思う。ただ、これはそもそも学術の規模の非対称性とか情報発信にも起因してそうなので、これ自体がポスコロの問題でもある気がする。

2018-06-13 07:51:34