エマに語る「ニホンジンの英語」

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uroak_miku @Uroak_Miku

小一国語論開幕。「です・ます」しゃべりを教科書内の子どもたちが強いられる理由を、エマに納得させるのが今回のテーマ。この子は頭の回転が速いので、すぐに察してくれる。ペリーヌに感心するビルフランの気がしないでもない。

2018-06-19 12:14:01
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そして小1後半をエマに見せてみたら「この子はどうして非です・ますで喋ってるの?」と聞かれて、少し思案の後、こう説明。「学校の教室ではなく自宅にいるからだよ、ほらママといっしょにいるよね」 エマ納得の様子。 pic.twitter.com/ikENGCTU0J

2018-06-19 12:41:26
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自宅ですねもろに。だから非です・ますで喋っている。  国語の授業中=公的空間=です・ます喋り  自宅=非公的空間=非です・ます喋り こんな風に私たちは少しずつ公私の使い分けを刷り込まれていく。 pic.twitter.com/VofD3hdmUv

2018-06-19 12:44:52
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国語の授業中。この公的空間で、子どもたちは「です・ます」喋りを強いられる。 pic.twitter.com/NmKUJ29hVM

2018-06-19 12:46:29
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さらに後になると、小1のみなさんは「おみせやさんごっこ」をさせられる。教室空間のなかだけど、ごっこをとおして「社会」を模擬練習するわけです。 pic.twitter.com/bhL8xIrNGY

2018-06-19 12:49:51
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非です・ますも出てくるのですが、慎重に出てきます。童謡のリズムで現れる。ここ重要な点です。 pic.twitter.com/0XJuJCW2Qa

2018-06-19 12:54:49
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これもそうですね。右のページは歌のリズム。 左はそうでない。なぜかわかるかなエマ?これはですね、助詞の入門編なんですよ。文法の入門。 pic.twitter.com/RXWXdrqSQo

2018-06-19 12:56:45
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です・ます体は、たとえるならば学校の制服。全員が同じデザインの服を着せられる。 非です・ます体は、普段着。だからヴァリエーションは無数。統一が効かない。 そこで歌のリズムを使って、非です・ますのなかでも無機質なものを教科書に出して、そして文法解説に進む…巧いものです。

2018-06-19 13:02:00
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こうやって「話しことば→書きことば」から「書きことば」が自立を果たし、やがて「書きことば→話しことば」への逆支配がはじまる。

2018-06-19 13:06:02
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「書きことば→話しことば」への逆支配関係。「フクツウデス」といきなりいわれても小さい子(や外国人)にはわからない。しかし漢字を学ぶにつれて「腹痛」を理解し、やがて「フクツウデス→腹痛です」の脳内漢字変換が瞬間的に行われるまでに脳が進化していく。

2018-06-19 13:08:28
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まさに「書きことば」が「話しことば」を逆支配しだすわけです。民の税金あってまわっている東京の官公庁が、まるで天から統治権限を授かったかのような顔をして民を導きにかかる構図とパラレル。

2018-06-19 13:10:25
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「国語」とは「国家」なり。

2018-06-19 13:11:00
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この刷り込みの過程で「です・ます」が大活躍する。それで私たちは「です・ます」を幼いうちから受け入れてしまう。何か不自然だと感じても、そういうものだと割り切ってしまう。

2018-06-19 13:12:30
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「です・ます」は、腰の低い権力。

2018-06-19 13:13:05
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これがやがて学校英語の世界に混入して、悪名高い「ジャック&ベティ語」を発生させる。 「あなたはジャックですか」 「はい、そうです」 「あなたはベティですか」 「はい、そうです」 「あなたは男の子ですか」 「いいえ、ちがいます。わたしは女の子です」

2018-06-19 13:15:26
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よく考えたらめちゃくちゃな会話なのだけど、です・ます喋りだから私たちはなんとなく受け入れてしまう。

2018-06-19 13:16:32
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この「なんとなく」が鍵です。英語教科書の会話文は、そもそも英語として成り立っていないものが実に多い。「ぼくの鉛筆はどこにいっちゃったんだ」のつもりなのはわかるけど「Where is my pencil?」ではまずい。「貴様俺の鉛筆どこに隠した!」としか英語ネイティヴには理解してもらえない。 pic.twitter.com/RvQueXdfpw

2018-06-19 13:20:09
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けれども「Have you seen my pencil?」なんて訂正したら、中三で教わる内容を中一で出してしまうことになるわけだから✖だし「I'm looking for my pencil.」でも中一後半の内容だからやはり✖。それで泣く泣く「Where is my pencil?」が掲載される。

2018-06-19 13:22:18
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それだったらそんな会話をさせなければいい、と思うかもしれない。そうはいかないのですよ。ガイジン美人教師のもとで人種や性別の違いを越えて子どもたちが伸びやかに育っていく青春ストーリーを維持しないと、教育委員会で採用してもらえない。他社の教科書にシェアを奪われてしまう。 pic.twitter.com/S2J7CbyO9M

2018-06-19 13:25:15
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それで無理は承知で無理な英文を組み合わせて青春ストーリーな会話を繰り広げる。 pic.twitter.com/hUi64vcZ6w

2018-06-19 13:27:59
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英語と呼べる代物ではない。ところがこれをですね、「です・ます」で和訳させると、それなりにまともな英会話になってしまうわけです。

2018-06-19 13:29:07
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怖いと思いませんか。小学校の国語教育の「闇」が、こうやって中学英語でとんでもない伝染病を生んで、私たちを「ニホンジンの英語」に染め上げていくのです。

2018-06-19 13:30:27