カウンシル・フジミ #5

ネオサイタマ電脳IRC空間 http://ninjaheads.hatenablog.jp/ 書籍版公式サイト http://ninjaslayer.jp/ ニンジャスレイヤー「はじめての皆さんへ」 http://togetter.com/li/73867
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「おれと変わらんだろう」ニンジャスレイヤーは言い捨てた。シンウインターは鼻で笑った。ニンジャスレイヤー、スーサイド、サツバツナイトは軸足に重みをかけ、カラテを膨れ上がらせる。シンウインターは両手をひろげた。「面倒だ!」 22

2018-06-26 23:28:12
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

BOOOOOOM……!その瞬間、世界はオーロラに変わった。スーサイドはカラテ警戒した。ニンジャスレイヤーも、サツバツナイトもいなかった。絶えず色を変える光の帯が彼以外の全世界だった。そこにシンウインターが踏み入ってきた。無雑作に。「イ……」「イヤーッ!」反応が間に合わない! 23

2018-06-26 23:30:55
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「グワーッ!?」スーサイドはシンウインターのチョップに左肩を割られ、怯んだ。反撃か!防御か!「イヤーッ!」その時にはシンウインターの左脚が右脇腹を捉えていた!「グワーッ!」くの字に身体を折り曲げ、苦悶しながら吹き飛ぶスーサイド!その声がサツバツナイトの鼓膜を震わせる! 24

2018-06-26 23:33:27
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」斜め後方からキドニーを狙いに来たシンウインターの攻撃を、サツバツナイトは肘によって防いだ。「イヤーッ!」さらに振り返りざまの裏拳で反撃する!シンウインターはゼロ・インチに踏み込み、裏拳よりも早く、肩から背中にかけてを衝突させた!ボディチェック!「グワーッ!」25

2018-06-26 23:35:42
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「……ンンー……相当に訓練された動きだ……」シンウインターの呟きがオーロラの色と色の隙間を乱反射し、青装束の姿が滲み、残像を残す。「侮れんようだな。何者だ?」「国際探偵とでも言っておこう」サツバツナイトは腰を落とし、ヌンチャクを構える。「ンッンッ……探偵。まるでフォークロアだ」26

2018-06-26 23:38:49
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」サツバツナイトは色彩渦巻く中でヌンチャクを繰り出す!シンウインターはブレーサーでヌンチャクを受け、こめかみにチョップを見舞う。サツバツナイトは上体をそらして躱し、流れるようなメイアルーア・ジ・コンパッソを放つ!「イヤーッ!」27

2018-06-26 23:41:42
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

橙の炎が蹴りの軌跡となって円を描く!「イヤーッ!」シンウインターは深々と沈み、水面蹴りで反撃!「イヤーッ!」サツバツナイトは跳んで躱し、空中回し蹴りを繰り出す!「イヤーッ!」ブレーサーでガードし、逆の手で正拳突きを繰り出す!「ヌウーッ!」防御姿勢で弾き飛ばされるサツバツナイト!28

2018-06-26 23:44:32
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ンッンッンッ……!ボディチェックがあまり効いておらぬか。不本意だ」シンウインターの笑い声が遠ざかるなか、サツバツナイトは回転着地して受け身を取った。ミシミシと身体が軋む。彼は苦痛に顔をしかめ、チャドー呼吸を深める。「スウーッ……ハアーッ……!」 29

2018-06-26 23:46:19
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「さァて……」シンウインターはぶらぶらと振る手を握り、開き、極彩色のオーロラの中を獲物に向かって進んだ。ニンジャスレイヤーはやや離れた地点で感覚を研ぎ澄まし、シンウインターの接近を待ち構えている。シンウインターは虚無的に笑う。 30

2018-06-26 23:48:44
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

これがシンウインターのジツ。「オーディンの軍勢」だ。彼のジツの中で敵は分断され、その力を削がれ、一人また一人とその顎に捉えられるのを待つ獲物と化す。それはこの異常な夜にシトカを覆う超自然の障壁を、彼の周囲になお濃縮させたものだ!「イヤーッ!」 31

2018-06-26 23:51:29
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

襲い掛かって来たのはニンジャスレイヤーではない!シンウインターはその拳を掴んで止めた。スーサイドである。「鋭いな。スーサイド=サン。確かにキアイを感じるぞ」シンウインターは力を込め、スーサイドの腕を捩じり上げようとする。「そんなにも俺を殺したいかスーサイド=サン……!」 32

2018-06-26 23:53:46
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ああ……決まってるじゃねえか……!」スーサイドの背中に筋肉が浮かび上がる。「テメェを殺してェと思わなかった夜はねェ……!」「ンッンッンッ……俺は幸せ者かもしれんな、スーサイド=サン」シンウインターは拳を押し戻す。その手首を、スーサイドの逆の手が掴んだ! 33

2018-06-26 23:57:03
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イイイイヤアーッ!」スーサイドの身体が淡く白い光を放つ!シンウインターの両目も激しく輝く!「力比べをやるか!」「アアアアアア!」スーサイドは膨れ上がるエネルギーを堪え、己の力に変換していく。全身全霊を傾ける!「アアアアアア!」 34

2018-06-26 23:59:37
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

力が血管の中で荒れ狂う。そしてスーサイドのニューロンにあの屈辱の瞬間がフラッシュバックする。「「イヤーッ!」」カラテの小爆発が生じ、二者は同時に跳び下がって、カラテを構えなおした。スーサイドは唸った。「覚悟しやがれェ……!」「ンッンッンッ……腕を上げたなスーサイド=サン」 35

2018-06-27 00:02:22
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」スーサイドは奪った力を乗せ、殴りかかる!ガードしたシンウインターの身体がブレる!「イヤーッ!」蹴りに繋ぐ!シンウインターはこれをも防ぐ!「イヤーッ!」さらなる殴打!シンウインターは掌で受け止める!「俺はお前を殺そうとは思わん……スーサイド=サン!」「ヌウーッ!」 36

2018-06-27 00:04:17
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「お前を失うのは俺にとって損失だ……」「ヌウーッ!」押し戻す!スーサイドは堪える!シンウインターは逆の手をチョップの形に高く振り上げる!「だがお仕置きが要るな……俺は躾を怠けていたようだ……!」振り下ろす!「イヤーッ!」「グワーッ!」振り下ろす!「イヤーッ!」「グワーッ!」 37

2018-06-27 00:06:59
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「……イヤーッ!」「グワーッ!」スーサイドは地面に叩きつけられ、うつ伏せに倒れる!シンウインターはその背中を踏みしめ、力を込めた。「……イヤーッ!」「グワーッ!」「イヤーッ!」「グワーッ!」スーサイドの下の石畳に亀裂がひろがってゆく!ナムサン! 38

2018-06-27 00:09:57
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ゴボッ……ゴボボーッ!」スーサイドの骨が軋み、内臓が潰れかかり、口から血泡が溢れる。スーサイドは地面を掴み、シンウインターの足をのけようとする。「ゴボボーッ!」「……イヤーッ!」シンウインターは足を離し、高く上げ、思いきりストンピングした!「アバーッ!」ナムアミダブツ! 39

2018-06-27 00:12:28
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「頼むぞ。お前には期待している」シンウインターは震えるスーサイドを見下ろし、踵を返す。スーサイドはその足首を掴んだ。「……」「イ……イヤーッ!」命を吸う!シンウインターは笑いも怒りもせず、足に力を込めてその手を振り払い、顔にケリを入れた!「イヤーッ!」「グワーッ!」 40

2018-06-27 00:14:57
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

シンウインターはもはや一瞥も残さず、オーロラの中に再び消える。仰向けに転がったスーサイドは苦痛と悔しさに顔を歪め、手の甲で何度も地面を殴った。まだ届かない……まだ届かない……!次こそは……! 41

2018-06-27 00:17:46
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「手間をとらせおって」シンウインターは呟き、ニンジャスレイヤーの眼前に出現した。ニンジャスレイヤーは待ち構えていたかのようにカラテを繰り出した。「イヤーッ!」「イヤーッ!」シンウインターは大振りの鉤手を弾き、ショートフックで応じた。「イヤーッ!」 42

2018-06-27 00:20:44
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」殴られながら、ニンジャスレイヤーはシンウインター頭突きを繰り出す!額と額が衝突し、二者は跳び離れる!「ンン……」シンウインターは目を細めた。「オーディンの軍勢」に対する動揺の薄さが彼の気に食わなかった。シトカの境界で押し戻された体験から学んでいるのか? 43

2018-06-27 00:23:12
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「スウー……フウーッ……!」ニンジャスレイヤーは前傾姿勢をとり、フイゴめいた呼吸を深める。赤黒の眼光が明滅する。シンウインターは全身の緊張を緩め、軽くフットワークを踏んで、カラテを血中に行き渡らせる。何の示し合わせもなく、二者は同時に機をとらえ、同時に動いた! 44

2018-06-27 00:25:32
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」45

2018-06-27 00:26:29
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」「イヤーッ!」46

2018-06-27 00:29:53