カウンシル・フジミ #5

ネオサイタマ電脳IRC空間 http://ninjaheads.hatenablog.jp/ 書籍版公式サイト http://ninjaslayer.jp/ ニンジャスレイヤー「はじめての皆さんへ」 http://togetter.com/li/73867
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ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

◆バララララララララララララ!バララララララララララララ!バララララララララララララ!バララララララララララララ!バララララララララララララ!バララララララララララララ!それはヘリコプターの降下音!<筋>の一階、スーサイドとフジキドが表へ飛び出す!風圧が彼らの髪を激しく揺らす!◆

2018-06-26 22:15:00
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

◆「見給え!俺は真実しか言わんよ!わかってくれたかね?俺が信頼に足るジャーナリストだという事を!俺は本格派なのだ!」店内、クローザーは小指を立ててワインを飲み、外で立ち尽くすスーサイドとフジキドの背中に声をかけた。「クキキキキキ……!お出ましだ!シンウインター!シトカの王!」◆

2018-06-26 22:17:22
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ヘリの爆音を、凄まじいニンジャアトモスフィアが塗り潰した。マスラダは呻いた。強烈な怒気だ。怒りが、マスラダの怒りに衝突する。ゾーイはマスラダを気遣おうとする。「大丈夫?」「構うな」マスラダは言った。彼は必要以上に刺々しい言葉にならぬよう、深く呼吸した。「下に降りる。お前は残れ」1

2018-06-26 22:23:17
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ねえ、サツガイって……」「仇だ」マスラダは振り返らずに言った。「おれはサツガイを殺す為に生きている!」追おうとしたゾーイは、びくりとして立ち止まった。……階を降りたマスラダに声をかけたのはクローザーだ。「おお!上に居たか!いやはや、お歴々が邪魔をしてね!参ったよ」 2

2018-06-26 22:26:20
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「何故こいつがここに居る」「勝手に入って来たんスよ」シキベが言った。「……それどころじゃないス!」「ガガピー!そうだ!シンウインターが……オイ!クソヤバイぜ!」ロボがハサミの手を激しく振って訴えた。「直接来やがったんだ!で、スーサイド=サンとサツバツナイト=サンが今……!」 3

2018-06-26 22:28:22
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

マスラダに駈け寄ろうとするコトブキに割り込むように、芝居がかった仕草でワイングラスを投げ捨てたクローザーがマスラダのワン・インチ距離に立った。そして囁きかけた。「気を付け給えニンジャスレイヤー=サン。そして覚悟し給えよ……」マスラダは押し退けようとする。クローザーはかわす。 4

2018-06-26 22:30:13
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「手遅れになる前に伝えに来たのだ。ジャーナリスト精神がそうさせた……いいかね。サツバツナイトを信じ過ぎてはならん」マスラダは足を止めた。空気が渦を巻き、周囲の存在が薄れた。ただクローザーの声がニューロンに響いた。「彼は君の味方だ。しかり、君を助けにシトカにやって来た。だが……」5

2018-06-26 22:32:02
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「どうでもいい」マスラダは撥ねつけた。しかしクローザーはトーフを殴るように手応えがない。「彼のやり方では不十分だ。いいかね。シンウインターはサツガイと何らかの繋がりを持っている。力は得ていない……得れば対等の関係でなくなるからだ。わかるかね。つまり彼自身が恐るべきニンジャだ」 6

2018-06-26 22:34:52
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ヌウウッ!」マスラダはよろめき、目を固く閉じた。「黙れ……」反射的な拒絶の言葉は、誰にも届かない。「「「俺は真実だけを求める男だ。いいかニンジャスレイヤー=サン。敢えて助言しよう。枷を外し給え。サツバツナイトはそれを危険だと断じている。実際危険だ。だが、足りぬ!勝てぬぞ」 7

2018-06-26 22:37:32
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

フェイス・トゥ・フェイス。周囲の他者の存在は希薄だった。クローザーは強調した。「シンウインターを倒すには、ナラクをモノにするのだ……完全にな!サツバツナイトはかつてニンジャスレイヤーであった。だが今は違う。なのに彼は己の尺度に君を当てはめている……悲しいことだ!」 8

2018-06-26 22:42:17
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

(ナラク。このニンジャについて何か知っているか!)マスラダはニューロンの同居者に問いかけた。答えは微弱!彼は舌打ちした。「ベラベラと……何故おれに話す。何故知っている」「俺は詳しいのだ」クローザーは目を細めた。「よいか。負けて爆発四散すれば仇は取れぬ。勝ち給えよ……!」 9

2018-06-26 22:46:31
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

ギュグン……空気が音を立て、時間が、周囲の世界が戻ってきた。「アハァ!長居は無用、命が大事!スージー=サン、ええと、オイトマさせて頂こう。裏口はどちらかね?さすがに表から出ればエピックなニンジャのイクサに巻き込まれてしまう、コワイ!」スージーが指さした裏口から、彼は退出した。 10

2018-06-26 22:49:07
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ヤバイぜ!」ロボの液晶モニタからタキが示唆した。「あの二人でシンウインターを撃退できるのか?過冬のボスってのは、畜生!一人で来るなんてよォ……聞いてねえぞ!お前じゃねえんだから!」激しく混乱!「どうする!ここでヤッちまえば確かに話は早いが……」マスラダは答えず、向かう! 11

2018-06-26 22:53:28
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「やっつけるのですね」コトブキが追随するのを、マスラダは留める。「上にゾーイが居る。奴の狙いだ」「……わかりました。任せてください」コトブキは素直に頷き、階段を駆け上がった。マスラダはオーロラの下に出てゆく……! 12

2018-06-26 22:56:21
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ンンー……フジミ・ストリート」シンウインターはヘリから降り立ち、乾いた第一声。コートを無雑作に脱ぎ、シャツとベストをあらわにする。その目が前触れなく白い光で満たされ、脱いだコートを投げ捨てた時には、既にその身は深海めいた深い青の装束で覆われ、顔にはメンポが装着されていた。 14

2018-06-26 23:00:29
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

両手を握り、開いたとき、その手にはブレーサーが装着され、金属の接合部分を超自然の光が走った。彼は二歩前に出た。<筋>の前、出迎えた二者よりも先に、彼はアイサツした。「ドーモ。シンウインターです」 15

2018-06-26 23:04:06
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「ドーモ。スーサイドです」「サツバツナイトです」二人のニンジャがアイサツを返した。シンウインターはスーサイドを見た。「偉くなったものだな。スーサイド=サン」「…黙れ」スーサイドは返した。「俺はいつも通りだ。テメェが調子に乗っているだけだ」「本当にそうか?この俺が?ンッンッンッ」16

2018-06-26 23:07:27
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

くつろいだ笑いは空虚で、冷えた怒りに満ちている。スーサイドは歯を食いしばり、カラテを漲らせる。そしてシンウインターはもう一方、サツバツナイトを一瞥した。「お前は……ンン……すまんな……少し忘れているだけだと思う。思い出せる筈」「初対面だ。その必要はない」サツバツナイトは答えた。17

2018-06-26 23:10:01
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「……で、何の用だ、お前達?」シンウインターは尋ねた。「俺は用があってな……ニンジャスレイヤーとかいう野良犬。それから……名前は……ああ……そうだ」顔をしかめ、それから目を大きく見開き、いきなり怒声をあげた。「ゾーイ!こっちへ来い、ゾーイ=サン!俺をナメているのか?」 18

2018-06-26 23:13:40
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

空気がビリビリと鳴り、サツバツナイトのマフラー布が後ろにはためく。橙色の光が明滅する。「俺がテメェに用があるんだ、シンウインター=サン」スーサイドが凄んだ。「テメェをブチのめす」「そうか。増長してきたようだな。いいだろう。お前の用は何だ?サツバツナイト=サン」 19

2018-06-26 23:19:09
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

「この場に居合わせて、ヤクザの拉致を見過ごすわけにはいかん」「勇敢だな。見上げたものだ。だがそれは蛮勇というものだ。そして的外れでもある」シンウインターは言った。「ゾーイは俺の持ち物だから、俺が自由にするのは当然の事だろう。勘違いをしておらんかね」「否」「即答だな。面白い」 20

2018-06-26 23:22:24
ニンジャスレイヤー / Ninja Slayer @NJSLYR

シンウインターの視線は彼らからややずれた。彼は新たに店内から現れた三人目の姿を見て、表情を変えた。「……ニンジャスレイヤー=サンだな」「ドーモ。ニンジャスレイヤーです」赤黒のニンジャはオジギした。シンウインターはアイサツを返し、尋ねる。「俺がお前をどうしたいか、わかっているか」21

2018-06-26 23:26:10