空手 型 NIPAIPO 二十八歩 について

石部統久 @mototchen

Kata Nipaipo. Soke Mabuni Kenei. 1993. youtu.be/ydfjxflHrnA @YouTubeより

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養徳継心 @e4MlgtK3XLu2M3L

どうしても看過できない問題があるのでツイートしたい。 誹謗中傷と受け取られかねないので、遠慮する部分もあったのだが、やはり事実の著しい誤認は放ってはおけない。 以前、後で動作を付け加えた試合用北谷公相君こそが原型という人達が現れたとツイートしたが、それに近い事である。

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今までとんでもない説が出る度に「こんな出鱈目いまに消えるだろう」とか「正しい事はいずれ世に知れる」と思って静観していたが(昔はSNSもなかったので、私みたいなただの一修行者は異論を発信する力もなかった)、間違いが正されるどころかさらに曲解されて事実のように定着してしまったものも多い。

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もちろん、私が言ってる事が正しいという保証はないのであるが、今回は空手と中国武術を愛する者として、また糸東流修行者として放っとくわけにはいかない。 三戦の考察途中であるが、一連の問題をツイートしたい。

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宇佐美里香 Rika Usami ニーパイ 古流ニーパイポ Nipai Koryu-nipaipo youtu.be/nZz1PklGZBw @YouTubeより これを観ていただきたいのだが、現在の指定型の二十八歩（ニーパイポ）より挙動数や鶴を思わせる動作が多く、一見するとこちらの方が確かに古く見える。 しかし、そこが落とし穴である。

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養徳継心 @e4MlgtK3XLu2M3L

はっきり言ってしまえば、古流ニーパイなどという型は元々存在しない。 指定型ニーパイポに古流が存在するとすれば、それは鳴鶴拳や南派羅漢拳の二十八歩(打・宿・肖とも書く）である。 しかし、現存する鳴鶴拳二十八歩とこの宇佐美選手がやっているニーパイは型の流れからして全然違う。

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全体の流れ(演武線や手法)からすれば、指定型ニーパイポの方が鳴鶴拳の二十八歩に近い。 論より証拠。こちらを観ていただくとわかる(2:47あたりから）。 youtu.be/1WJvYlNsV3E (鳴鶴拳) 雰囲気は違うが、一つ一つの動作を見比べいただきたい。 youtu.be/GO3_DctvKtM (糸東会のニーパイポ)

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剛柔流の故・大塚忠彦先生が福建で撮影したと思われる鳴鶴拳の二十八歩はもっとシンプルで、より糸東流の二十八歩と似ていたのだが、YouTubeから数年前に消えてしまった。 はっきりと原型とわかるほど似ていて、呉賢貴先生〜摩文仁賢和先生〜摩文仁賢榮先生の流れを確認できた。

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空手型二十八歩は、呉賢貴先生と摩文仁賢和先生の確かな交流、摩文仁賢榮先生への確かな伝承を証明するものであり、それを後から付け加えた古流を装った型でぶち壊すのは歴史への冒瀆である。 古流ニーパイを名乗る型は、クルルンファに近い動作や空手式の手刀受けなど後から入れた動作が散見される。

養徳継心 @e4MlgtK3XLu2M3L

次はより突っ込んで論じようと思うが、私は宇佐美選手を批難しているのではない。宇佐美選手は教えられた通りにやっていて、アナウンスも指示通りに語っているのだろう。 私は歴史を無視して、何も知らない純真な人間に嘘を教え込む人間に憤っている。

養徳継心 @e4MlgtK3XLu2M3L

前回ツイートした古流ニーパイなる型の問題だが、競技の指定リストから外れているし、出所もわからず害も少なさそうなので、本当は私も静観しているつもりだった。 しかし、武道雑誌の今月号で出所がわかり、しかもその白鶴拳記事の内容の事実誤認がひどい事から、これは指摘しておこうと考えた。

養徳継心 @e4MlgtK3XLu2M3L

この糸東流に関係する白鶴拳記事の内容の誤りは、糸東流の中でもわかる人にはわかるのだが、開祖摩文仁賢和先先とその高弟のほとんどの師範、2代目の賢榮先生さえも鬼籍に入られた今、事実がわかる人は非常に少なくなっている。若い方なら尚更この記事を信用してしまう方もでてくるだろう。

養徳継心 @e4MlgtK3XLu2M3L

あまり突っ込んでいくと、糸東流の様々な派と人間模様について触れなければならなくなるため、それは匿名の私がSNSで書く類の話ではない。 なので、糸東流空手と中国武術の観点から見て、特集記事内の型や技術的な内容に関する記述の問題点について述べようと思う。

養徳継心 @e4MlgtK3XLu2M3L

今月の秘伝の記事によると、前回ツイートした古流ニーパイなる型を宇佐美選手に伝授したのは、記事で特集されている糸東流の師範ということである。 この方は以前に同誌に「古流二十八歩の一考察」という記事を書かれているので、それに対しても合わせて意見を書かせていただく。

養徳継心 @e4MlgtK3XLu2M3L

まず、師範が古流ニーパイなる型をどこで習得したかというと、演武大会で知り合った武備志の研究家パトリック・マカシー氏から習ったという（型の来歴は不明）。 古伝の特徴を色濃く残すと記事で表現されていて、師範はこのニーパイを原典に近い古伝形と定義しているという。 ちょっと待ってほしい。

養徳継心 @e4MlgtK3XLu2M3L

原典に近いとされているが、それはきちんと鳴鶴拳の二十八歩と比べての事なのだろうか(しかも現行のニーパイポを、古伝形ニーパイに対する普及形と定義してしまっている)。 私には、とてもきちんと対比したとは思えない。その根拠を示していく。

養徳継心 @e4MlgtK3XLu2M3L

特集の師範は過去の記事の中で、現在の糸東流の二十八歩について「片足立ちになり、両手を広げる動作ぐらいしか白鶴動作が入っていない事がおかしい」というような事を述べられているが、鳴鶴拳の二十八歩は南派羅漢拳から取り入れられた套路であり、元々鶴の動作というものは少ない。

養徳継心 @e4MlgtK3XLu2M3L

「攻撃技や受け技も空手の形で白鶴拳には程遠い感じがする」とも書かれているが、前述した通り、鳴鶴拳の中でも元々鶴拳ぽくない型であり、空手でいう中段前蹴りや正拳突き、横受け（内受け）も入っている（金城先生も指摘しているが、だからこそ当時の空手家が受け入れやすかったともいえる）。

養徳継心 @e4MlgtK3XLu2M3L

型における表現方法は違うが、空手でいう挟んでの拳槌打ち2回、正拳による双手突き、地面に片膝をついての攻撃、連続の縦四本貫手、後半の回し（あおり）蹴り、同じく後半の横受けしての中段正拳突きなど、これだけ共通していれば十分だと思う。

養徳継心 @e4MlgtK3XLu2M3L

リンク先の動画以外のご参考に。 福州人民出版社発行 「鶴拳」に掲載の二十八歩。 pic.twitter.com/RKmrMqqhAY

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