2018年7月6日でのオウム真理教の死刑執行は適切だったのか？

2018年7月6日の、日本法務省によるオウム真理教元代表他7人に対する処刑強行は前代未聞の7人同時執行という異常事態である。我々は死刑制度そのものへの反対はしない立場であるが、7人同時処刑ともなれば、死刑制度の正当性以上の日本の目的があるとみるのが自然である。

2018-07-07 05:40:12

一連の事件では13人の死刑が確定していて、とりわけ例の凶悪事件では共犯者が多数に上るため、これらの事件の複数に関与した共犯者を一括執行することで死刑囚同士やほかの死刑囚への影響を最小限に抑える目的が指摘されているが、

2018-07-07 05:40:12

そのような事情を考慮したところで7人同時処刑という強硬姿勢こそが日本の確固たる意志とみるべきものだ。

2018-07-07 05:40:13

来年に元号変更を控え、代替わりの前に現在の代で起きた事件の完全処理を狙って処刑を急いだという見方もあり、7月6日という期日にオウム真理教絡みの重要案件が起きた事例がないことも、この日を選んでの強行ではないと見受けられる。

2018-07-07 05:40:13

しかし、いかに何でも時期が悪すぎるのは誰がどう見てもわかるものだ。7月5日に九州北部豪雨から1年を迎えたのだが、西日本で異常事態級の豪雨が再び襲っている状況だ。そんな中でこれとなれば超大型ニュースになり人命にかかわる大雨関連ニュースの時間が削られる事態につながる。

2018-07-07 05:40:13

その意味でも日本法務省の判断がいかに不適切かよくわかる。加えて、その日が千葉県松戸市で起きた少女殺害事件の判決を日本帝國千葉地裁にて迎える当日で、この事件が死刑求刑されていたことからしても無関係なはずの事案に対する圧力をかける意味をもっている。

2018-07-07 05:40:14

わいせつ目的の少女殺害事件においては最近の傾向からしても凶悪事件の前科なくしても日本当局が死刑を求刑し、最終的には死刑が回避されるといった事案が相次いでいるため、新潟市での事件なども今後は監視する必要がある。

2018-07-07 05:40:14

明らかに時期が悪すぎるにも拘わらず日本法務省が処刑を強行するというのは、日本社会にとって今後の代替わり日程や政治環境を見据えて、この時期しか強行できるチャンスがないという判断からなされたことは容易に想定できる。

2018-07-07 05:40:14

死刑執行は政権支持率向上等の切り札ともいわれていたが、今回の処刑期日ではとてもそういった効果は期待できそうもない。むしろ、現在の政権や社会に降りかかっている数々の疑惑と政権の傲慢姿勢を払拭するには力不足ともいえる時期の処刑強行とさえいえる。

2018-07-07 05:40:15

現在の日本情勢ではグローバリズム・新自由主義前提の社会が破綻寸前のところまで追い詰められているし、日本にとって都合の良いあらゆる事案についても外国勢力から徹底抗戦される有様だ。

2018-07-07 05:40:15

また、米中の衝突劇の裏で日本の孤立が進む可能性も指摘されていて、日本にとっての重要なアジェンダが強行できないことも考えられる。むしろ、日本が追い詰められている情勢が、タイミングの悪すぎるという他ない7月6日のオウム真理教関係7人処刑という断末魔になったとさえいえるのだ。

2018-07-07 05:45:31