美鈴と猫(めーさく)

ダイス診断の結果。 ※多少百合シーンのようなものがあるのでご注意ください。
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ハチ🐾 @hachisu716

それではダイスロール参ります!!!! めーさくが~~~~🎲(じゃかじゃかじゃかじゃか) 【脇腹】を!!!!! 【ネチョネチョ】!!!!! 【くすぐる】!!!!! #カップリングえろサイコロ shindanmaker.com/769722

2018-06-04 23:04:56
ハチ🐾 @hachisu716

美鈴「私がくすぐっていいんですか?」 ダイスの目が出た途端、迷わず視線を自分にやって、服のすそをめくり脇腹を出した咲夜に、少し戸惑う美鈴。 だって、前回も自分がするほうだったので。 咲夜「うん。やって」 美鈴「……交代なのかと思ってました」

2018-06-04 23:09:27
ハチ🐾 @hachisu716

とりあえず、綺麗な白いお腹が冷えそうだ。 こういう場面が艶っぽい状況なのは重々承知してはいるけれど、過保護な美鈴は思わず咲夜のお腹を掌で覆うようにおさえてしまう。 あたたかい、大きな掌がすっぽりと肌を包んで、咲夜のほうも思わずそこを見ながら、「あったかい」と呟いた。

2018-06-04 23:13:30
ハチ🐾 @hachisu716

咲夜「これ、始まってるの?」 美鈴「いいえ……思わず」 ぽり、と長い指で頬をかく。困ったときの美鈴のクセだ。 咲「ねちょねちょくすぐって?」 咲夜はあくまで翻さず、望みを口にする。 美「……何か特別なこだわりが?」

2018-06-04 23:16:52
ハチ🐾 @hachisu716

ねだったり、甘えたりといった行為は、犬と猫の本分を、人の身で上手に使い分ける咲夜には、そう珍しいことではないけれど。 いつものその場限りの欲求よりは、何か定まったものを感じる。 というのは美鈴のただの勘ではあるけれど、大抵の場合、美鈴の勘は当たるのだ。

2018-06-04 23:22:05
ハチ🐾 @hachisu716

……相手がより、動物に近い場合には。 何故なら、動物はみな、美鈴に懐くので。 咲「特別というか。美鈴にコチョコチョされるのが好きなの」 美「コチョコチョ……」 咲夜はおのれの感じたことを包み隠さないが、口にしてくれるからといって理解できるかというのはまた別のところにある。

2018-06-04 23:25:37
ハチ🐾 @hachisu716

私がまだまだ咲夜さんを受け止めるための器の深さが足りないのだろう。もっと努力しなければ。 近頃の美鈴は、そんなことをよく考える。 じっと真面目に自分を見据える美鈴の眸に気付いて、咲夜が首を傾げて覗き込んだ。 咲「難しいこと考えてるの?」

2018-06-04 23:28:33
ハチ🐾 @hachisu716

美「いえ……」 咲「……お腹があったかい」 無邪気で綺麗な銀青の眸に覗き込まれながら囁くように言われて、はっと気がつく。ずっと咲夜の腹に触っていた。なんだか変な光景だったかもしれないと思うと、少々恥ずかしくなって耳が熱くなる。

2018-06-04 23:31:39
ハチ🐾 @hachisu716

美「……すみません。悪気はなくて」 咲「悪気であっためてくれてたら、それも優しいわ」 咲夜が優しく笑んで額を額につける。 そうしたいとけない接触が、想いを伝え合って時間が経ち、ずいぶん増えた。 美鈴はとてもいとおしくなる。 咲「あのね、……猫」 美「……猫?」

2018-06-04 23:36:28
ハチ🐾 @hachisu716

咲夜の言葉の告げ方は、桶の縁の欠けから、水が零れるように唐突だ。 一粒一粒の雫では意味を繋げないから、それが溜まり小さな泉になるまで、美鈴は心の中の掌を器の形にして待っている。 咲「……うん。猫、触ってたでしょう? 美鈴」

2018-06-04 23:39:41
ハチ🐾 @hachisu716

美「猫、…………ああ、最近ここに来るおばあちゃんですか?」 咲夜が繰り返す“猫”には、心当たりがある。 ころころと肥えた老猫が、ここ最近は門番をしているときに門の前によく現れるのだ。 野性というには尖ったところのない、ずいぶんのんびりとした猫である。

2018-06-04 23:44:27
ハチ🐾 @hachisu716

きっと上手な世渡りを心得ていて、今まで人の手からいいものを食べてきたのだろう。 老獪というよりは、ふくふくとした招き猫のような茶目っ気がある。 美鈴のような者なら、きっと何かしら自分にメリットを与えてくれるに違いないと踏んでいるのだ。

2018-06-04 23:48:32
ハチ🐾 @hachisu716

それは正しかった。 美鈴は気の波をそっと送り、挨拶程度の気持ちを込めて猫へと飛ばす。 波を受けた猫は、少しだけ細めた糸目をむずむずと動かした。それなりには驚いたのかもしれない。美鈴はこうして動物と簡単なコミュニケーションがとれる。

2018-06-04 23:51:26
ハチ🐾 @hachisu716

猫は猫で、少し考えるように間を置いてから、同じような挨拶を返した。ついでに、わずかに空腹を訴えるのも忘れない。正直さがいっそちゃっかりしている。 美「さて……困りましたねえ。お前にやれるものは何もないんだけれど。私とあなたはご同輩です。腹の虫の」 しゃがみながら猫に話しかける。

2018-06-04 23:55:08
ハチ🐾 @hachisu716

猫は相変わらず豊かな招き猫の顔で美鈴を見ている。……いや、目を閉じているから見ているというよりは顔を向けている。 美「もう少しここで暇を潰せば、あてはあるんですけど。待ちますか?」 普段はあまり野良に餌をやらないのだけれど。何故かこの猫にはそんな風に誘ってしまった。

2018-06-04 23:58:47
ハチ🐾 @hachisu716

歳を経たおばあちゃんだからかもしれない。自分よりずっと寿命が短い存在でも、美鈴は老人(猫)というものに弱い。生を全うしている、敬う立場にあるべきものという気がするから。 猫はぐるる、とただ咽喉の奥で唸って、美鈴の足許で丸くなった。 そのふかふかとした斑の毛に、美鈴は指を伸ばす。

2018-06-05 00:03:04
ハチ🐾 @hachisu716

指先のほとんどが埋もれていきそうな毛並みに指を沈めて、こしょこしょと動かした。毛は長くふわふわとしているけれど、その先で触れた肉はどこか薄く、骨に触れて頼りない。老いた切なさのようなものが、美鈴の胸を少ししめつける。

2018-06-05 00:15:56
ハチ🐾 @hachisu716

毛をのぞくことが出来たのなら、きっともっとほっそりとした体躯が姿を現すのだろう。 猫は小さくぐるぐると唸る。唸るのも実のところ少々億劫だ、といわんばかりに、ゆっくりと、かすかに。 美「ずいぶんと長く生きてらっしゃるようで」 良さそうなところをくすぐってやりながら、美鈴が話しかける。

2018-06-05 00:21:36
ハチ🐾 @hachisu716

気の波を送り許可をとってから、猫をそっと持ち上げ膝にのせる。つきたての柔らかい餅のようだ。 咲夜さんなら、何と表現するだろうか……ガス抜きしたパン? 猫がうる……と少し上擦った声で短く唸る。 おっと、と美鈴が我に返る。考え事をしていたらそれまで指から漏れてしまったらしい。

2018-06-05 00:34:01
ハチ🐾 @hachisu716

美「……もうすぐあなたと私に、ご飯を持ってきてくれる人ですよ。可愛い方でしょう?」 ふふ、と思わず頬が緩んで笑ってしまう。 猫のあたたかな体躯は、そんなのろけにはあまり興味が無さそうにもちもちと丸くなる。

2018-06-05 00:51:44
ハチ🐾 @hachisu716

あたたかい日向で、こしょこしょと首の辺りをかいてやっている内に、咲夜がやってくる……。 そうして。咲夜が持ってくる軽食の、サンドイッチの中の鶏のささみだのをやっている内に、やはりそれを期待して、猫は時折現れるようになった。

2018-06-05 08:32:48
ハチ🐾 @hachisu716

猫は顔を出しては美鈴の膝の上でごろごろと暇を潰し、もらうものをもらって一息つけばあっさりと退散する。 何度か、館の主であるレミリアがほくほく顔で何処からか摘んできたエノコロ草を握りしめ、美鈴と一緒に門で猫を待ったことがある。

2018-06-05 08:37:07
ハチ🐾 @hachisu716

が、レミリアが待つ日は猫は来なかった。 動物は本能で吸血鬼を避ける。 レミリアはがっくりとしょぼくれながらエノコロ草を美鈴に預けて館に戻った。窓から見守ることに決めたらしい。 動物は吸血鬼を避けるけれど、レミリアは動物がとても好きだ。 図鑑を見ては眸のルビィを輝かせる。

2018-06-05 09:35:00
ハチ🐾 @hachisu716

中でもとりわけ猫が好きで、何とか触りたいと思っているようだけれど、触れた試しはないらしい。 ……猫を飼ってみたい。一度でいいから。 これから何世紀にも渡ってこの世を見つめ、永く生きてゆくだろう吸血鬼は、そんな子供のようなありふれた夢を真剣に呟く。

2018-06-05 09:39:54
ハチ🐾 @hachisu716

まあ、そんなこんながあって。 美鈴と老猫は今やそこそこ馴染みの顔なのである。 咲夜も、時々は美鈴が猫に餌をやるところを見ている。食事を猫に分けていると分かってからは、少々献立も変化した。味をあまりつけない具材があるのだ。猫にやっていいということなのだろう。

2018-06-05 10:18:17