【英霊剣豪201x番勝負】  第三節『戦国マジノ線』

小田原城の土塁、現実の時点で高さ10mあるとか聞いて笑うしかない。落とせるかそんな城! 2:https://togetter.com/li/1244557 4:https://togetter.com/li/1245898
0
劉度 @arther456

北条家の数々の激戦に勝ち抜いてきたこの男は、真っ先に敵陣に飛び込み、指揮官らしい化け物を3匹も討ち取っていた。その姿にを見た兵士たちは、後に続こうと奮戦する。敵の砲撃も止んだ。このまま押し切れる。綱成がそう思った時、日が陰った。23

2018-07-09 22:00:07
劉度 @arther456

「ぬ?」今日は雲のない快晴のはずだ。不審に思った綱成は空を見上げる。ワイバーンの大群だ。ワイバーンたちは石を投げ落とし、あるいは急降下して鉤爪で綱成たちを襲う。「ちいっ!」綱成は懐から拳銃を取り出し、襲いかかるワイバーンの一匹を撃ち落とした。24

2018-07-09 22:03:00
劉度 @arther456

空からの攻撃に兵士たちが混乱している。「狼狽えるなっ!動きをよく見れば避けられる!」兵士たちを一喝し、綱成は空を睨みつける。すると、はるか高空に奇妙な物を見つけた。いや、物ではない。人だ。黒い襤褸布を纏った人間が、こちらに向かって落ちてくる。その手には、怪しく光る刀がある。25

2018-07-09 22:06:01
劉度 @arther456

迷うことなく、綱成は落ちてくる剣士に向けて拳銃を撃った。だが、剣士は重力を無視して空中で横に滑り、弾丸を避けた。更に、稲妻のごとく加速!「ぬうっ!?」綱成は槍をかざし、刀を防ぐ。鋭い金属音が戦場に鳴り響く。襤褸布の襲撃者は、綱成の槍を蹴って間合いをとった。26

2018-07-09 22:09:00
劉度 @arther456

「やるなぁ!貴様、何者だ!?」綱成の腕は僅かに痺れていた。これほどの力の持ち主は、今まで戦ってきた武将にもそうそういない。「もしや、サーヴァント、とやらか?」相手は応えず、刀を構えた。「まあよい。答えは槍で聞くとしよう――行くぞっ!」槍を構え、綱成は相手へと突撃した。27

2018-07-09 22:12:00
劉度 @arther456

「ハッハッハッ!ザマァねえなぁ、北条ども!」北の戦線では、砲撃を潜り抜けてきた氏直たちへ、魔獣たちによる猛烈な攻撃が行われていた。それを率いるのは、足利茶々丸。黄泉帰った戦国武将の1人だ。「そおら、10人目!」茶々丸は魔獣の背から身を乗り出し、兵士の首を携えた刀で刎ねる。29

2018-07-09 22:15:01
劉度 @arther456

「そろそろ本陣か、あぁ?」血刀を担ぎ、茶々丸は辺りを見回す。そこに、猛烈な射撃が降り注いだ。「おっとぉ!」茶々丸の乗った魔獣が飛び退く。「これ以上はやらせん!行くぞ、氏邦!」「応、兄者!」外の国の銃を携えた武将が、兵を率いて茶々丸の前に立ちはだかった。30

2018-07-09 22:18:00
劉度 @arther456

「阿呆が!こちとら、兵はいくらでもいるのよ!てめえら、やっちまえ!」茶々丸の号令で、魔獣たちは一斉に北条軍に襲いかかった。「怯むな!退けば死ぞ!」「死中に活路を見出すのだ!撃てぇーっ!」北条軍も応戦する。敵味方入り乱れての大乱戦が始まった。31

2018-07-09 22:21:00
劉度 @arther456

小田原城の南側には海が広がっている。こちら側の防備は若干薄く、コンクリートの防壁も塹壕もない。土塁さえ崩せば、城下町まで障害物は無いだろう。故に、ここは北条家現当主、氏政が直々に攻めることになった。地上部隊が攻撃をしている間に、氏政の水軍はあっさりと海岸に接近できた。33

2018-07-09 22:24:00
劉度 @arther456

「油断している、わけではありませんね」海岸に化け物が集まりつつある。上陸側が戦い辛い水際で迎撃するつもりなのだろう。それに対する備えはあった。「掃討船、前へ!」氏政が采配を振ると、数隻の船が前に出た。船の横に備え付けられた機関銃が火を噴き、海岸の化け物たちを薙ぎ払う!34

2018-07-09 22:27:01
劉度 @arther456

「今です、上陸なさい!」「うおおおーっ!」怯んだ化け物に、船から飛び降りた兵士たちが襲いかかった。「掃討船は銃撃を続行!第二陣、上陸準備をしなさい!」「待てよ、おい」野太い声が辺りに轟いた。土塁の後ろから巨大な人影が姿を現した。「ここを通すわけにはいかねえな」35

2018-07-09 22:30:02
劉度 @arther456

「デカい……!」「化け物だ!」巨人の背丈はおよそ七尺五寸、兵士たちの倍はある。手にはその体に合った、巨大な大太刀を握り締めている。その様相は、さながら地獄の鬼のようであった。「我が名はランサー・三浦義意!ワシの目が黒いうちは、何人たりともここを通さんぞ!」36

2018-07-09 22:33:00
劉度 @arther456

「ランサー……なるほど、あれがサーヴァントですか」氏政は立香から、サーヴァントの存在と危険性を聞いていた。「掃討船は敵サーヴァントを集中砲火しなさい!」「了解!」ただちに、機関銃の弾幕がランサーに降り注ぐ。だが。「効かぬわっ!」巨人の鎧は銃弾を軽々と弾き返す。37

2018-07-09 22:36:00
劉度 @arther456

「ならば、これならどうです!」氏政は愛用のロケットランチャーを取り出した。ランサーに照準を合わせ、引き金を引く。放たれた弾頭は、巨人に命中し、爆発!しかし巨人は無傷!「……ネットランチャーを!」「はっ!」近習が持ってきたランチャーに持ち替え、氏政は巨人を撃った。38

2018-07-09 22:39:00
劉度 @arther456

巨大な網が巨人を覆った。「ぬおうっ!?なんじゃこりゃあ!」猛獣捕獲用の大型ネットが絡みつき、巨人は足を止める。「よし!今のうちに撤退を!」「撤退ですか!?」「遺憾ですが、あの巨人を倒せる武器がありません!」上陸した兵士たちを速やかに収容し、氏政の水軍は海岸から離れていった。39

2018-07-09 22:42:00
劉度 @arther456

【英霊剣豪201x番勝負】 第三節おわり 第四節に続く

2018-07-09 22:43:00
劉度 @arther456

人物名鑑#020【北条氏康(201x)】 後北条氏3代目当主。河越夜戦において、関東管領・上杉憲政が率いる8万の軍勢を、わずか1万で撃破した『相模の獅子』。特地解放機構と協力しており、なんだか物凄いボディアーマーを装備している。 pic.twitter.com/B2teGCPJMt

2018-07-09 22:49:26
拡大
拡大
劉度 @arther456

人物名鑑#021【北条綱成(201x)】 北条家第一の猛将。『地黄八幡』の異名を持つ。河越夜戦においてわずか三千で籠城し、半年間耐え抜いて勝利への道筋を作った。突撃時は隊の先頭に立ち、「勝った、勝った」と叫ぶことで、相手の意気を挫いたという。 pic.twitter.com/0sRsPKNryV

2018-07-09 22:50:38
拡大
劉度 @arther456

人物名鑑#022【北条氏政(201x)】 後北条氏4代目当主。父親と比べると穏やかな性格ではあるが、闇山津見との計略合戦では相手の策を先読みして全て潰すなど、容赦のないところもある。小田原城が大変なことになったのは大体この人のせい。 pic.twitter.com/HLXjO1dVDb

2018-07-09 22:53:02
拡大
拡大
劉度 @arther456

人物名鑑#023【大森藤頼(201x)】 小田原城の城主。北条氏ではなく、敵対していた扇谷上杉家の家臣である。早雲に「鷹狩りに行くから留まらせてほしい」と連絡を受け、出迎えたところ騙し討ちにされる。辛くも逃げ延びたようだが、城は奪い取られ、戻ることはできなかった。

2018-07-09 22:54:34
劉度 @arther456

人物名鑑#024【足利茶々丸(201x)】 室町時代後期に伊豆を支配していた人物。隣の北条早雲に討たれ、伊豆を奪われる。なお、茶々丸とは幼名あり、本名は伝わっていない。つまり歴史に名を残していないのに、なぜか美少女化されている。解せぬ。

2018-07-09 22:55:20
劉度 @arther456

人物名鑑#025【三浦義意(201x)】 画像の列伝に書かれていることがもう滅茶苦茶。『北条五代記』、盛り過ぎだとは思わなかったのか。ちなみに「首が三年生き続けた」を正確に書くと、斬られた首が瘴気を3年放ち、しかも腐らなかったということにらしい。1人で世界観破壊しないで……。 pic.twitter.com/6yeMnPujP2

2018-07-09 23:01:55
拡大
拡大