軍用鳩コラム4「吉田和明著『戦争と伝書鳩 1870―1945』(社会評論社)への批判」
②世界で一番有名な軍用鳩シェラミの名前をベラミと間違え、その画像すら探さない いやしくも、軍用鳩の本を書こうとする者が、世界で一番有名な軍用鳩の名前を間違えていいのだろうか。 著者はシェラミのことをベラミと本書に記している。 続)
2018-07-28 03:23:38著者が引用している書籍――マルタン・モネスティエ著『図説 動物兵士全書』に、シェラミの名がベラミと誤表記されていたとはいえ、それをそのまま自著に引用してしまう、うかつさに驚きを隠せない。 続)
2018-07-28 03:24:08この誤りについては、わざわざ、私が自分のウェブサイトで、しっかり解説しているのに、著者はそれを見たうえで、なおも妙なことを本文に記している。 続)
2018-07-28 03:24:28*** (99ページ) 「ベラミ」というのは「Cher Ami」をフランス語読みし、そうしてフランス語で表記しなおしたものを、さらに日本語読みにした結果なのであろう。 *** 続)
2018-07-28 03:24:56「Cher Ami」のどこをどう読んだら「ベラミ」と読めるのか? シェラミとしか読めないでしょうに! しかも、その間違いに立脚して日本語読みした結果などと、見当違いな珍解説をのたまっている。 続)
2018-07-28 03:25:29私のウェブサイトに、しっかりと、「間違いです」と書いてあるのに、なぜ、私の主張をくまないのだろう。この一文の流れは、まぎれもなく、私が書いたウェブ上の一文を変じて書いているのに、その私の主張を顧みないとは何事か。 続)
2018-07-28 03:25:52文章をコピーしただけ――いや、コピーしたうえに、間違ったスパイスをそこに振りかけるのはアリなのか? 間違いのうえに、さらなる稚拙な仮説を組み上げる「異次元の間違い」に、私は当惑せざるを得ない。 続)
2018-07-28 03:26:14また、シェラミの写真についても、なぜか、『愛鳩の友』誌に載っている、画像の粗い、小さな写真を見て、脚の通信管がどうのこうの、と何事かを語っている。繰り返して述べるが、シェラミは世界で一番著名な軍用鳩である。ちょっとネット検索をすれば、シェラミのきれいな画像を苦もなく探せる。 続)
2018-07-28 03:26:43なぜ、これをしないのだろう。『愛鳩の友』誌に載っている、小さな白黒写真だけで済ませてしまうのだろう。しかも、シェラミの脚まわりについて語っているのに、『愛鳩の友』誌に載っている写真は、シェラミが、かがんでいるので、脚まわりがよく見えない! 続)
2018-07-28 03:27:06どうして、こんな写真だけで、脚まわりについて語ろうというのか。 全部が全部、こんな感じで、著者は大抵、やれることをしないで、手近にある中途半端なものを引っ張ってきて、そこに著者特有の珍説を重ねて、さらなる間違いを犯す、という行為を本書の中で繰り返す。 続)
2018-07-28 03:27:27③日本軍が白鳩を嫌ったのは、白人が憎いので、その白い肌色を嫌ったから、という珍説を主張 軍が白鳩を嫌った理由は単純で、白い色が目立つからだ。猛禽類や人に見つかりやすく、遺伝的にもアルビノで劣等、性能もよくない傾向があった。そして、雨にも弱かった。 続)
2018-07-28 03:28:25たったこれだけの理由である。軍の教範にも、大抵、そんな風に書いてある。これは日本軍に限らず、世界中の軍隊に共通した考えだ。 しかし、吉田和明氏に言わせれば違う。 氏はこんな風に日本軍を批判する。 続)
2018-07-28 03:28:44*** (218ページ) そこには欧米憎し、白人憎しの心情が関係していたりはしないだろうか。大和民族優位(=白人コンプレックス)の心情などがである。 (中略) 続)
2018-07-28 03:29:17白人憎しの心情は、やがて「鬼畜米英」という言葉に象徴されるそれにまで強化されていく。そうしたなかで、彼らの肌の色である「白」という色への連想から、この「目立チ易キ白色」を混ぜた鳩に対する偏見も生まれ、育まれていることになったのではないか。 *** 続)
2018-07-28 03:29:33ちなみに、吉田氏の思想傾向は、いわゆるサヨクである。何を言わせても、反国家・反軍思想を臆面もなく、のたまう。それゆえに、大抵、おかしなことを口にする。 とにかく、著者は日本軍が嫌いなので、日本軍が白鳩を使うのをいやがった理由は、白人憎しの感情だと決めつける。 続)
2018-07-28 03:30:04世界中の軍隊で、白鳩は合理的な理由によって、うとまれていたのに、そんな事実は無視して、そう決めつける。実際に日本軍の軍人がそう発言していたのならば、一応、聞いてやる余地もあろうが、そんなエビデンスは一切ない。あくまで、著者の妄想である。 続)
2018-07-28 03:30:29本書は、史料収集を怠けているうえに、著者のそうした妄想が全ページにわたって繰り出されるので、読んでいて、本当につらい。 これがずっと、続くのだ。 この本を読んでみたい、と思う方は、あらかじめ、覚悟しておいてほしい。 続)
2018-07-28 03:30:47以上、たった3点に絞って論じてみた。 これだけで充分であろう。この本がトンデモ本であることは伝わったと思う。 ひどい目に遭いたい希有な方は、この本を買ってもよい。 ツッコミゲームとして楽しむ分には害がなかろう。
2018-07-28 03:31:00補足:(2023.03.24.追加)
『ゲームの歴史』という本があまりにもひどくて連日炎上している。端で見ている私は「いいな……」と思う。実は伝書鳩の世界でも同様のトンデモ本が存在し、私が批判した事がある。この『ゲームの歴史』よりもひどい。醜悪。でもね、伝書鳩が好きな人の人口が異常に少ないので話題にすらならない。
2023-03-18 19:42:04※上記引用はこのまとめです。
私が恐れているのはこの著者、巻末で私の名前を出しているんだよね。事情を知らない人が読んだら、私が全面協力してこの本のバックアップをした、と誤解するかもしれない。だってさ、その画像の引用元がほぼ私のウェブサイトだからね。冗談ではないよ。むしろ、こんなひどい本を書いちゃって迷惑千万。
2023-03-18 19:57:40